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成年後見

安心して、自分らしく生活していくために

kouken.jpg 「成年後見制度」は、認知症、知的障がい、精神障がいなどの方の権利を守るために、本人の保護の観点から設けられた制度で、法定後見制度と任意後見制度があります。
ご自身やご家族の方の状況に合わせて、適切なサポートをご検討ください。

法定後見:既に判断能力が不十分な方を対象とする制度

精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症等)により判断能力が十分でない常況にある成人について、後見開始の審判の申立てにより、家庭裁判所が後見人を付する制度です。

任意後見:契約時に判断能力を有する方が将来に備える制度

将来自己の判断能力が不十分になったときに備え、予め、契約により、後見事務の内容及び後見人を決めておく制度です。任意後見人は、法定後見人と同様に本人保護の観点から設けられた制度ですが、
(1) 契約によること
(2) 後見人選任の段階で本人の判断能力が十分であること
(3) 成年後見人が財産管理権を有し、同意権・取消権を有するのに対し、代理権を中心とする制度であること
等の差異があります。

「成年後見」に関しての質問一覧
成年後見制度とはどのような制度ですか?
法定後見は、どのようにしてはじまるのですか?
申立てをするのに必要なものはありますか?
成年後見人等の仕事は、いつまで続くのですか?
成年後見人等には報酬を払うのですか?また、報酬の金額はどれくらいですか?
成年後見人等が勝手に本人の財産を使ってしまわないか不安なのですが・・・
成年後見人等の役割とは、どのようなものですか?
成年後見人等には、誰でもなれますか?
法定後見が始まることで、本人ができなくなることはありますか?
申立ては、誰が、どこの裁判所にすればいいのですか?
任意後見人は、葬儀の手配もしてくれるのでしょうか?
「身上監護」とは、どういうものですか?
「財産管理」とはどのようなことを行うのですか?
任意後見人は、どのようなことをしてくれるのですか?
「任意後見」は、「任意後見契約」をした後、いつ始まるのですか?あらかじめ「任意後見の開始は本人が80歳になったとき」と決めておくことは出来ませんか?
「任意後見契約」は、どのようにすれば結べるのでしょう?
成年後見には、「法定後見」と「任意後見」があると聞きましたが、「任意後見」は「法定後見」と何が違うのですか?
成年後見人を解任することはできますか?
法人は、成年後見人になることはできますか?
成年後見人に選任されたら、最初にどのようなことを行うのでしょうか。
本人は、成年後見人が選任された後は、日常的な買い物もできなくなってしまうのでしょうか。
成年後見の審判申立てにかかる費用は誰が負担するのでしょうか?
成年後見の審判の申立ては、どのような人ができるのでしょうか?

成年後見制度とはどのような制度ですか?

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない方(以下では、「本人」といいます)について、本人の権利を擁護する援助者を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。
判断能力が不十分であると、自己に不利益な契約であってもその判断ができずに締結してしまうおそれがあります。成年後見制度は、本人の不十分な判断能力を補い、本人が損害を受けないようにして、本人の権利が守られるようにする制度です。
成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。さらに、法定後見については、判断能力の不十分な程度によって援助の内容が区別され、「後見」(判断能力を常に欠いている方を対象)、「保佐」(判断能力が著しく不十分な方を対象)、「補助」(判断能力が不十分な方を対象)の3つの類型に分かれています。

法定後見は、どのようにしてはじまるのですか?

法定後見は、後見開始・保佐開始・補助開始の審判の申立てを家庭裁判所に行い、開始の審判がなされることによってはじまり、同時に「成年後見人」「保佐人」「補助人」(以下では、まとめて「成年後見人等」といいます)が選任されます。家庭裁判所が選んだ成年後見人等が、本人の利益を考え、本人の意思決定を助けます。

申立てをするのに必要なものはありますか?

申立てをするには、申立書や診断書(用紙は家庭裁判所や裁判所ホームページで入手可能)のほか、本人の戸籍謄本、収入印紙、郵便切手などが必要です。詳しくは、最寄りの家庭裁判所に問い合わせてください。申立ての手続を自分でするのが不安な方は、弁護士に依頼することもできます。東京弁護士会が運営している高齢者・障がい者総合支援センター(オアシス)にご相談ください。
※本人の判断能力の程度を医学的に十分確認するために、医師による鑑定を行う場合があり、その場合は鑑定費用が必要です。なお、平成31年1月から令和元年12月までの1年間に終局した成年後見関係事件のうち、鑑定が行われたのは全体の約7.0%で、鑑定の費用については5万円以下のものが全体の約54.7%、全体の約95.3%の事件において鑑定費用が10万円以下でした。

成年後見人等の仕事は、いつまで続くのですか?

成年後見人等の仕事は、本人が病気などから回復して判断能力を取り戻すか、本人が亡くなるまで続きます。ただし、成年後見人等を辞任する正当な事由がある場合には、家庭裁判所が辞任を許可します。また、不正行為をするなど後見人としてふさわしくない人については、家庭裁判所が解任の審判をします。詳しくは弁護士に相談してください。

成年後見人等には報酬を払うのですか?また、報酬の金額はどれくらいですか?

成年後見人等の報酬は、家庭裁判所が、成年後見人等の事務内容や被後見人の資力などの個々の事情により、具体的な報酬金額を定めます。その場合、成年後見人等への報酬は、本人の財産の中から支払われます。

成年後見人等が勝手に本人の財産を使ってしまわないか不安なのですが・・・

成年後見人等は、家庭裁判所に対して成年後見人等としての仕事の内容を報告し、必要な指示等を受けるなど、家庭裁判所の監督を受けます。また、「成年後見監督人」等が選任されることもあります。なお、東京弁護士会が運営している高齢者・障がい者総合支援センター(オアシス)が後見人として推薦する弁護士は、一定の経験を積み研修を受け、かつ第三者に損害を負わせた場合をカバーする保険や横領などの不正をしたときに損害が補償される制度に加入しているなどの条件を満たしています。

成年後見人等の役割とは、どのようなものですか?

成年後見人等は、本人の利益のために、本人の意思を尊重して、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、財産を管理したり必要な契約を結んだりすることによって、本人の権利を擁護し支援します。成年後見人に選任された人は、まず本人の財産目録・年間収支予定表を作成して家庭裁判所に提出します。それから、本人に代わって、介護サービスの利用契約や施設への入所契約などや財産管理を行うことになります。

成年後見人等には、誰でもなれますか?

申立てを受けた家庭裁判所が、申立書に記載された候補者が適任かどうかを審理します。本人が必要とする支援の内容などによっては、候補者以外の人(弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門家など)が選任される場合があります。
家庭裁判所の選任に対しては不服を申立てることはできません。成年後見人等になることができない人は、未成年者、成年後見人等を解任された人、復権していない破産者、本人に対して訴訟をしたことがある人などです。

法定後見が始まることで、本人ができなくなることはありますか?

成年後見人は本人がした法律行為を取り消すことができます。また、各種の資格制限もあります。たとえば、後見が開始すると、選挙権や被選挙権を失います。さらに、後見と保佐が開始すると、会社の取締役になることもできなくなります。(任意後見契約を利用すると、任意後見契約が発効しても取締役の地位を維持できます。詳しくはオアシスに相談してください。)

申立ては、誰が、どこの裁判所にすればいいのですか?

申立てをすることができる人は、判断能力が不十分な本人、または、本人の配偶者、4親等内の親族(両親、祖父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥、姪、おじ、おば、いとこなど)などです。申立てをする家庭裁判所は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

任意後見人は、葬儀の手配もしてくれるのでしょうか?

「任意後見契約」の対象は「生前」の事務に限られます。ただし、葬儀等の「死後の事務」について、任意後見事務とは別の「通常の事務の委任」として対応することは可能です。

「身上監護」とは、どういうものですか?

具体例としては、(1) 介護等に関する契約(介護サービス契約の締結・要介護度の認定請求・これに対する不服申し立てなど)、(2) 医療に関する契約(医療費の支払など=ただし、手術等に対する同意を後見人がすることはできません)、(3) 施設(有料老人ホーム等)への入所契約などがあります。

「財産管理」とはどのようなことを行うのですか?

財産管理に関する行為には、例えば、不動産の管理・処分、預貯金の管理・払戻しなどがあります。

任意後見人は、どのようなことをしてくれるのですか?

任意後見人が依頼する内容はご自身で決めることができますが、基本的には、①(生前の)財産管理と②身上監護です。
①財産管理に関する行為には、例えば、不動産の管理・処分、預貯金の管理・払戻しなどがあります。
②身上監護の具体例としては、(1)介護に関する契約(介護サービス契約の締結・要介護制度の認定請求・これに対する不服申立てなど)、(2)医療に関する契約(医療費の支払いなど=ただし、手術等に関する同意を後見人がすることはできません)、(3)施設(有料老人ホーム等)への入所契約などがあります。
このように、「任意後見契約」の対象は「生前」の事務に限られ、葬儀等の「死後の事務」は含まれません。ただし、葬儀等の「死後の事務」について、任意後見事務とは別の「通常の事務の委任」として対応することは可能です。

「任意後見」は、「任意後見契約」をした後、いつ始まるのですか?あらかじめ「任意後見の開始は本人が80歳になったとき」と決めておくことは出来ませんか?

本人の判断能力が不十分になり、家庭裁判所に任意後見人を監督する任意後見監督人を選任するよう申立て、家庭裁判所が任意後見監督人を選任してから、任意後見人による任意後見事務が始まります。
「任意後見契約」は、①ご本人の判断能力が低下すること、②家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任することの2つの要件がみたされてはじめて発効しますので、残念ながら、ある年齢になったときに開始するという取り決めはできません。

「任意後見契約」は、どのようにすれば結べるのでしょう?

「任意後見契約」は「公正証書」を作成して行わなければなりません。公証人が本人の意思を確認して作成します。契約書作成後、任意後見登記がなされ、契約書の原本が公証役場に保管されることになります。

成年後見には、「法定後見」と「任意後見」があると聞きましたが、「任意後見」は「法定後見」と何が違うのですか?

大きな違いは以下の2つです。
①「任意後見」は、本人の判断能力が十分なうちに、あくまでも本人と任意後見人との契約により行われるものですが、「法定後見」は法律の規定に基づくものです。
②「任意後見」の場合は本人の意思により任意後見人を選べますが、「法定後見」の場合は家庭裁判所が後見人を選びます。

成年後見人を解任することはできますか?

不正な行為、著しい不履行、その他任務に適さない事情があるときは解任されます。

法人は、成年後見人になることはできますか?

可能です。

成年後見人に選任されたら、最初にどのようなことを行うのでしょうか。

財産目録の作成、収支の予定等を作成し、裁判所に報告します。

本人は、成年後見人が選任された後は、日常的な買い物もできなくなってしまうのでしょうか。

日常的な買い物等については制限されません。

成年後見の審判申立てにかかる費用は誰が負担するのでしょうか?

原則として申立人が負担することになります。

成年後見の審判の申立ては、どのような人ができるのでしょうか?

(1)本人、(2)配偶者、四親等以内の親族、(3)未成年後見人、保佐人、補助人、任意後見人等、(4)検察官、市町村長です。

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