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子どもの人権と少年法に関する特別委員会

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子どもの人権・権利って何

あなたは「人権」という言葉を知っていますか?「人権」というのは、ひとりひとりの人間が、人間らしい生活をするための権利のこと ― 自分の人生の主人公として生きること― なのです。

現在は、人権は国の法律によって保障されています。けれども昔は、奴隷や農奴は人間であっても主人の命令に従い、売買されたり殴られたりしていたのです。人間が人間らしく生きるためにはそんなことは許されないということで、多くの人々が立ちあがり、人権宣言をし、命がけで「人権」を勝ちとってきました。

「人権」は人間としての権利ですから、大人に対してだけでなく、子どもにもできるだけ同じように保障される必要があるとされ、実際に多くの「人権」は大人と同様に子どもにも保障されています。

ただ人間の子どもは、とてもか弱い存在として生まれて成長・発達していくものであり,自分だけの力で生きていくことはできません。、その分,将来への大きな可能性を秘めてもいるのですが、情報,能力,経験の不足により,自分にとって何がよいのか十分に判断できないこともあります。そのためにもたらされる不利益から,子どもは大切に守られなければならない存在でもあるのです。このため、子どもには、大人と同じようには保障されていない人権もあります。

でもその代わりに、子どもだけに特に保障されている「子どもの権利」というものがあります。

では「子どもの権利」とは、具体的にどんなものなのでしょう?

いろいろありますが、あなたが自分らしく生きるために一番大切な子どもの権利の1つとして、あなた自身についての大事な選択について、あなたの気持・意向をしっかり聴いてもらい・尊重してもらうという権利があります。  

たとえば、あなたが、どんな髪型にして、どんな服を着るか、誰と友だちづきあいをするか、塾に行くか行かないか、進学するか就職するか、そういうあなた自身に関することについて、あなたの周りの大人がすべて決めてしまっていることはないでしょうか。

また、あなたは、小さいときから親や先生など大人が決めたことだからと、その通りにしてきたということはありませんか? 大人の決めたことに素直に従っていればトラブルが起こらなくてすむからという理由で。

たしかに、成長・発達の途中の段階にある子どもの時期には、自分自身のことであっても、何がよいのか自分で判断して自分で決めるのがむずかしい問題もあります。このため、あなた自身のことであっても、子どもの時期には、周囲の大人の責任で「あなたにとって何がよいのか」を考えて決めることも、ある程度は認められています。

でもよく考えてみてください。あなたは心のどこかで大人が決めたことが「自分の本当の気持ちとは違う!」と思ったことはないでしょうか? 大人から「あなたのためだ」と言われても、どうしても納得できないと思ったことはないでしょうか。

子どもだからといって自分にとって何がよいのかを考えられないということはなく、むしろ自分にとって何がよいのか自分にしか分からないことも少なくありません。また、あなたにとって大切なことがらの選択を、周りの人達に一方的に決められても、あなたには受け入れられないといいう感覚が残ってしまうこともあるでしょう。少なくとも、あなた自身の気持や希望や意見を聴くことなしに、あなた自身に関わることを決められても、あなたにとっての「よい選択」にはならないのです。

このような理由から、子どもの権利条約は、子どもの重要な基本的権利として、意見表明権(自分に関係のあることについて意見を聴かれ・尊重される権利)を認めているのです。子どもには、趣味や服装・髪型、進学とか就職、友だちづきあいとか家族との関係などなど、自分自身についてのだいじな選択について、自分の気持や希望・意見(言い分)を、親や教師など周りの大人にきちんと聴いてもらい、その気持・希望・意見を十分に尊重することを求める権利が保障されているのです。

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