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「ハンセン病問題基本法」の制定を求める意見書

添付資料(PDF)

2008(平成20)年3月10日
東京弁護士会
会長 下河邉 和彦

意見の趣旨

 国に対し、ハンセン病の患者であった人々の高齢化を十分に踏まえて、ハンセン病の患者であった人々の意見を最大限尊重し、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決を実現するために、「ハンセン病問題基本法(案)」(別紙)を制定するよう強く要望する。

意見の理由

1 ハンセン病問題に関する基本法制定の現状

1 与野党議員でつくる「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」(藤井裕久会長。以下「ハンセン病問題議員懇談会」という。)は、2008(平成20)年1月17日、全国13カ所の国立ハンセン病療養所を地域住民に開放し、福祉施設などの併設も可能にするハンセン病問題に関する基本法案を、超党派による議員立法で今通常国会に提出する方針を決めた。

2 また、全国ハンセン病療養所入所者協議会(以下「全療協」という。)、ハンセン病違憲国賠訴訟原告団、同弁護団等を中心としてつくられた「ハンセン病療養所の将来構想をすすめる会」(以下「すすめる会」という。)により、「差別・隔離政策からの被害回復」を中心に据えたハンセン病問題に関する基本法の制定を求める請願署名活動が取り組まれており、当会もその署名に賛同している。

2 ハンセン病問題に関する基本法制定の経緯

1 国は、絶対隔離政策を違憲と判断した熊本地裁判決を受け、2001(平成13)年12月25日、ハンセン病問題対策協議会において、「13の国立ハンセン病療養所入所者が在園を希望する場合には、その意思に反して退所、転園させることなく、終生の在園を保障するとともに、社会の中で生活するのと遜色のない水準を確保するため、入所者の生活環境及び医療の整備を行うよう最大限努める」ことを確認した。

2 しかし、入所者の現状を見ると、2007(平成19)年5月現在、療養所の入所者数は2890名に減少し、平均年齢は78.9歳と高齢化している。入所者数の減少により医師や看護士の定員が削減され、また、療養所の医療機能の低下、療養所の統廃合などへの懸念が生じている。地域から隔絶された場所に設置されている療養所が多いため、将来的には、少数の入所者が地域社会から孤立した生活を強いられる虞もある。それでは、療養所は再び入所者を隔離する施設になってしまう。

3 そこで、上記課題を克服するには、療養所の将来構想として、療養所を入所者以外の者が利用したり、療養所の施設内に福祉施設や研究施設を併設したりするなど多目的化し、療養所の利用者を増やすことが考えられる。それは、療養所を地域と社会に開放すること、隔離から開放することを意味する。
しかし、現在療養所の設置根拠とされている「らい予防法の廃止に関する法律」(1996〔平成8〕年施行。以下「廃止法」という。)2条には、療養所は「入所者に対し」必要な療養を行うと定められている。そのため、同条を厳格に適用するならば、入所者以外の者の利用や、療養所の敷地内に福祉施設や研究施設を併設することは困難となる。

4 そこで、廃止法を変更することが考えられるが、療養所の入所者が将来にわたり安心して生活することができるためには、単に廃止法を変更するだけでは不十分である。むしろ、ハンセン病問題対策協議会で国が確認した前記内容等を踏まえ、療養所の将来構想の実現が国の責務であることを基本法を制定する中で明確にすべきである。

5 さらには、ハンセン病問題を真に解決するためには、療養所における入所者支援のみならず、入所者の社会復帰の促進、退所者支援、ハンセン病問題に関する正しい知識の普及啓発活動なども含めて、国の差別・隔離政策による被害を最終的かつ全面的に回復することを中心に据えた基本法を制定すべきである。

6 これらの意見を踏まえ、「ハンセン病問題議員懇談会」は、ハンセン病問題に関する基本法案を、超党派による議員立法で今通常国会に提出する方針を決めた。また、基本法制定を促進するために、「すすめる会」を中心に、基本法案制定を求める請願署名に取り組んでいるのである。

3 「ハンセン病問題基本法(案)」の概要

1 「ハンセン病問題議員懇談会」は、「すすめる会」が公表した「ハンセン病問題基本法(案)」(別紙。以下「基本法(案)」という。)を議員立法として提出する準備を進めている。
そこで、以下では現時点で公表されている「基本法(案)」の概要を検討する。

2 「基本法(案)」の第一章は総則規定である。
同法(案)3条は、ハンセン病に関する施策は被害回復を旨とすること(1項)、国はハンセン病問題に関する正しい知識の普及・啓発に努めるとともにハンセン病患者であった人々及びその家族の名誉回復に努めること(2項)、療養所の入所者が安心して暮らせるように社会の中で生活するのと遜色のない生活及び医療の水準を確保するとともに療養所での生活環境が地域社会から孤立しないようにすること(3項)、国は社会復帰、退所者支援等を行うこと(4項)などの基本理念を定めている。
さらに、ハンセン病患者であることを理由とする差別を禁止する規定も設けている(6項)。療養所の地域社会に開放されることは、地域社会の差別意識等が療養所にも持ち込まれるおそれがある。そのことも考慮するならば、差別禁止規定を設けることは重要である。
また4条は、国に対して、ハンセン病患者であった者らの意見の尊重を明記している。当然のこととはいえ、被害回復が図られるべき当事者であるハンセン病患者であった者の意思を尊重すべきことを明記したことは重要である。

3 第二章は療養所の入所者についての規定である。
その中で国は入所者の意思に反して療養所から退所、転園させてはならないこと(7条1項)、国に対して社会の中で生活するのと遜色のない生活及び医療の水準の確保、医師等の人員確保などの措置を実行しなければならないこと(2項)、入所者が安心して居住できるような生活環境及び医療体制の整備と地域社会から孤立しないように配慮すること(同3項)、療養所の敷地内に他の施設等を設置できること(4項)、これらの措置を講じるには入所者の意向を尊重すること(5項)が定められている。

4 第三章は、社会復帰の促進及び社会内生活の援助についての規定である。
療養所からの退所を規模する入所者に対しては、円滑な社会復帰に資するために退所準備金等を支給すること(9条)、退所者の生活安定のために退所者給与金を支給すること、非入所者(ハンセン病患者であった者であって、かつ、療養所に入所したことのない者)に対しても非入所者給与金を支給すること(10条)、退所者及び非入所者に対する医療体制の整備(11条)、退所者及び非入所者に対して相談窓口を整備すべきこと(12条)が定められている。

5 第四章は、親族等の援護についての規定である。
都道府県知事が親族等への援護を行い(13条乃至15条)、援護に要する費用については国庫で負担する(16条)とされている。

6 第五章は、啓発及び名誉回復並びに死没者の名誉回復追悼についての規定である。
国は、ハンセン病対策の歴史等に関して正しい知識を普及啓発し、並びにハンセン病患者であった者及びその家族の名誉回復のために、国立ハンセン病資料館を設置し、ハンセン病に関する資料及び歴史的建造物の保存等必要な措置を行うこと(19条)、死没者への追悼とともにその名誉回復を行うこと(20条)を定めている。

7 上記のとおり、基本法(案)では、療養所の入所者への支援、社会復帰支援、退所者及び非入所者支援、親族等の援護、ハンセン病問題への啓発及びハンセン病患者であった者及び死没者の名誉回復措置について、国及び地方公共団体が行うべき施策に関して、ハンセン病問題の最終的かつ全面的な解決を実現するための基本的事項が網羅されている。

4 結論

1 日本弁護士連合会(日弁連)は、2001(平成13)年6月21日、「ハンセン病患者であった人々の人権を回復するために」(勧告)において、国に対し、終生在園の保障と療養所の医療・看護体制などの整備・充実を含め、社会復帰支援、医療と生活の保障、住居の確保、親族関係の調整、精神的ケア、名誉回復措置、差別と偏見の除去等のあらゆる分野にわたり、十分な施策を講ずるよう勧告するとともに、同年11月9日、ハンセン病問題についての特別決議において、療養所入所者に対する在園保障の問題等に関する元患者らの意見を尊重するよう強く要望した。さらに、日弁連は、その後の入所者の高齢化の現状を踏まえて、2005(平成17)年9月28日、入所者が安心して余生を過ごすことを可能とする、医療・看護・介護体制の充実などを求めて、国に対し、再度、「ハンセン病患者であった人々の人権を回復するために」とする勧告をした。
「基本法(案)」は、日弁連が国に勧告した内容が含まれており、積極的に評価することができる。

2 当会は、国に対し、ハンセン病の患者であった人々の高齢化を十分に踏まえて、ハンセン病の患者であった人々の意見を最大限尊重して、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決を実現するために、早期に「基本法(案)」を制定するよう強く要望するものである。

以上

ハンセン病問題基本法(案)

第一章 総則

(趣旨・目的)
第一条

この法律は、ハンセン病問題に関する施策の基本理念を定め、並びに国、地方公共団体の責務を明らかにするとともに、ハンセン病問題に関する施策の基本的事項を定めることにより、ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復及び福祉の増進を図り、あわせて、死没者に対する追悼の意を表し、もって偏見・差別のない社会の実現を目的とする。

(定義)
第二条

この法律において、「ハンセン病患者であった者」とは、らい予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号。以下「廃止法」という。)によりらい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号。以下、「旧らい予防法」という)が廃止されるまでの間に、ハンセン病を発病し、かつ発病後相当期間日本国内に住所を有したことがある者をいう。

2 この法律において、「国立ハンセン病療養所」とは、旧らい予防法十一条の規定により設置した以下の一三の療養所をいう。

  • 国立療養所松丘保養園
  • 国立療養所東北新生園
  • 国立療養所栗生楽泉園
  • 国立療養所多磨全生園
  • 国立駿河療養所
  • 国立療養所長島愛生園
  • 国立療養所邑久光明園
  • 国立療養所大島青松園
  • 国立療養所菊池恵楓園
  • 国立療養所星塚敬愛園
  • 国立療養所奄美和光園
  • 国立療養所沖縄愛楽園
  • 国立療養所宮古南静園

3 この法律において、「国立ハンセン病療養所等」とは、前項の国立ハンセン病療養所及び本邦に設置された厚生労働大臣が定めるハンセン病療養所をいう。

4 この法律において、「入所者」とは、一項の「ハンセン病患者であった者」のうち、現に国立ハンセン病療養所等に入所している者をいう。

5 この法律において、「退所者」とは、廃止法により旧らい予防法が廃止されるまでの間に、国立ハンセン病療養所等に入所していた者であり、現に国立ハンセン病療養所等を退所しており、かつ日本国内に住所を有する者をいう。

6 この法律において、「入所者等」とは、四項の「入所者」及び五項の「退所者」をいう。

7 この法律において、「非入所者」とは、一項の「ハンセン病患者であったもの」のうち、旧らい予防法が廃止されるまでの間に、国立ハンセン病療養所等に入所したことがない者であって、かつ日本国内に住所を有する者をいう。

(基本理念)
第三条

ハンセン病問題に関する施策は、我が国における誤ったハンセン病対策がハンセン病患者であった者にもたらした甚大な被害に照らし、その被害を可能な限り回復することを旨として行われなければならない。

2 国は、我が国における誤ったハンセン病対策が、ハンセン病患者に対する差別、偏見を作出、助長してきた歴史に鑑み、その差別・偏見を除去するため、ハンセン病及びハンセン病対策の歴史に関する正しい知識の普及・啓発に努めるとともに、ハンセン病患者であった者及びその家族の名誉の回復に努めなければならない。

3 国は、国立ハンセン病療養所等の入所者が、安心して現在居住する国立ハンセン病療養所等で暮らせるよう、社会の中で生活するのと遜色のない生活及び医療の水準を確保するとともに、国立ハンセン病療養所等における生活環境が、地域社会から孤立しないように配慮しなければならない。

4 国は、入所者の社会復帰を支援し、かつ退所者及び非入所者が、終生にわたって社会内で安心して生活できるための施策を講じなければならない。

5 地方公共団体は、前4項の基本理念に従って、ハンセン病問題に関する施策を行わなければならない。

6 何人も、ハンセン病患者であった者に対して、ハンセン病患者であったことを理由として、あるいは現にハンセン病に罹患している者に対して、ハンセン病に罹患していることを理由として、差別することその他権利利益を侵害する行為をしてはならない。

(当事者の意思の尊重)
第四条

国は、ハンセン病問題に関する施策の適切な策定及び実施に資するため、ハンセン病患者であった者らの意見を施策に反映させるための措置を講ずるものとする。

第二章 国立ハンセン病療養所等における生活及び療養の保障

(国立ハンセン病療養所における療養)
第五条

国は、国立ハンセン病療養所において、入所者に対して、必要な療養を行うものとする。

(国立ハンセン病療養所への再入所及び新規入所)
第六条

国立ハンセン病療養所の長は、退所者が、必要な療養を受けるために国立ハンセン病療養所への入所を希望したときは、入所させないことについて正当な理由がある場合を除き、国立ハンセン病療養所に入所させるものとする。

2 国立ハンセン病療養所の長は、非入所者が、必要な療養を受けるために国立ハンセン病療養所への入所を希望したときは、入所させないことについて正当な理由がある場合を除き、国立ハンセン病療養所に入所させるものとする。

3 国は、前二項の規定で入所した者に対して、必要な療養を行うものとする。

(在園及び生活水準の保障)
第七条

国は、入所者の意思に反して、国立ハンセン病療養所から退所、転園させてはならない。

2 国は、入所者に対し、社会の中で生活するのと遜色のない生活及び医療の水準を保障するため、財政上の措置を講ずるとともに、国立ハンセン病療養所の生活環境及び医療体制の整備を行うものとする。また、国はその実現のために充足すべき医師、看護師及び介護員の確保に必要な措置を講じなければならない。

3 国は、国立ハンセン病療養所の生活環境及び医療体制の整備にあたっては、入所者が安心してその居住する国立ハンセン病療養所で暮らせるようにすると共に、その生活が地域社会から孤立したものにならないよう配慮しなければならない。

4 国は、前二項の目的を達成するため、国立ハンセン病療養所の土地及び設備(第十九条第一項に定める施設を含む)を地方公共団体あるいは地域住民等の利用に供する等、必要な措置を講ずることができる。地域住民等が利用する施設の事業執行者を認可する手続その他必要な事項は〔厚生労働省令〕で定める。

5 前項の措置を講ずるにあたっては、第三条の基本理念に基づき、国は当該国立療養所の入所者の意向を尊重しなければならない。

(国立ハンセン病療養所以外のハンセン病療養所に対する措置)
第八条

国は、国立ハンセン病療養所以外の、厚生労働大臣が定めるハンセン病療養所における入所者に対しても、必要な療養を保障するための財政上の措置を講じなければならない。

第三章 社会復帰の促進及び社会内生活の援助

(退所準備金等社会復帰の支援)
第九条

国は、国立ハンセン病療養所等からの退所を希望する入所者の円滑な社会復帰に資するため、退所準備金の支給等必要な措置を講ずるものとする。

(退所者及び非入所者給与金)
第十条

国は、退所者の生活の安定等を図るため、厚生労働大臣の定めるところにより、ハンセン病療養所退所者給与金を支給する。

2 国は、非入所者の生活の安定等を図るため、厚生労働大臣の定めるところにより、ハンセン病療養所非入所者給与金を支給する。

(ハンセン病等に対する医療体制の整備)
第十一条

国及び地方公共団体は、退所者及び非入所者が、国立ハンセン病療養所及びそれ以外の一般医療機関で、安心してハンセン病及びその後遺症等関連疾患の治療を受けることができるように、医療体制の整備に努めなければならない。

(相談窓口の設置等)
第十二条

国及び地方公共団体は、退所者及び非入所者の社会内での生活を援助するため、相談窓口の設置等、必要な措置を講ずるものとする。

第四章 親族等の援護

第十三条

都道府県知事は、国立ハンセン病療養所の入所者の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情のある者を含む。)のうち、当該入所者が入所しなかったならば、主としてその者の収入によって生計を維持し、又はその者と生計を共にしていると認められる者で、当該都道府県の区域内に居住地(居住地がないか、又は明らかでないときは、現住地)を有するものが、生計困難のため、援護を要する状態にあると認めるときは、これらの者に対し、この法律の定めるところにより、援護を行うことができる。ただし、これらの者が他の法律(生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)を除く。)に定める扶助を受けることができる場合においては、その受けることができる扶助の限度においては、その法律の定めるところによる。 

2 援護は、金銭を給付することによって行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他援護の目的を達するために必要があるときは、現物を給付することによって行うことができる。

3 援護のための金品は、援護を受ける者又はその者が属する世帯の世帯主若しくはこれに準ずる者に交付するものとする。

4 援護の種類、範囲、程度その他援護に関し必要な事項は、政令で定める。

(都道府県の支弁)
第十四条

都道府県は、前条の規定による援護に要する費用を支弁しなければならない。

(費用の徴収)
第十五条

都道府県知事は、第十三条の規定による援護を行った場合において、その援護を受けた者に対して、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定により扶養の義務を履行しなければならない者(入所者を除く。)があるときは、その義務の範囲内において、その者から援護の実施に要した費用の全部又は一部を徴収することができる。

2 生活保護法第七十七条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。

(国庫の負担)
第十六条

国庫は、政令で定めるところにより、第十四条の規定により都道府県が支弁する費用の全部を負担する。

(公課及び差押えの禁止)
第十七条

第十三条の規定による援護として金品の支給を受けた者は、当該金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。

2 第十三条の規定による援護として支給される金品は、既に支給を受けたものであるとないとにかかわらず、差し押さえることができない。

(事務の区分)
第十八条

第十三条第一項及び第十五条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第五章 啓発及び名誉回復並びに死没者の名誉回復追悼

(資料等の保存等)
第十九条

国は、ハンセン病及びハンセン病対策の歴史に関する正しい知識の普及啓発並びにハンセン病患者であった者及びその家族の名誉回復を図るために、国立ハンセン病資料館を設置する。

2 国は、ハンセン病及びハンセン病対策の歴史に関する正しい知識の普及啓発並びにハンセン病患者であった者及びその家族の名誉回復を図るため、国立ハンセン病療養所における資料及び歴史的建造物の保存等必要な措置を講ずるものとする。

(死没者に対する名誉回復追悼の措置)
第二十条

国は、ハンセン病の患者であった者で死没した者に対する追悼の意を表するとともに、その名誉の回復を図るために必要な措置を講ずるものとする。

(厚生労働省令への委任)
第二十一条

この法律に定めるもののほか、この法律の目的を達成するために必要なその他の事項は、厚生労働省令で定める。