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弁護士事務所における暴行傷害事件に関する会長声明

2011年02月08日

東京弁護士会 会長 若旅 一夫

平成23年3月2日、愛媛弁護士会所属弁護士の法律事務所において、女性事務員が男性から暴行を受け傷害を負うという事件が発生した。
報道によると、「現行犯逮捕された被疑者は、『弁護士の居所を教えろ』と同弁護士の長女である事務員に要求し、同事務員が断ったところ、顔を数回殴り、ナイフを示し『殺すぞ』などと脅した。被疑者は、『過去に民事事件の相手側の担当だった弁護士に恨みがあった。殺すつもりだった』などと供述している」とのことである。
報道の通りとすれば、昨年6月に横浜弁護士会に所属する前野弁護士が、同年11月には秋田弁護士会所属の津谷弁護士が殺害された事件と同様に、今回の事件も、事件の相手方弁護士を逆恨みした事件である。このような事件が重ねて発生し、かつ、女性事務員が傷害を受けたという事実は誠に痛恨の極みである。
当会が認知している限り、平成8年及び同16年に愛知県、同10年福岡県、同12年東京、同15年新潟県、同17年仙台、同19年には兵庫県と大阪で、法律事務所に勤務する女性事務員が事務所内で襲撃されて、殺害されたり、傷害を負わされたりする業務妨害事件が発生している。
このような暴力という犯罪行為によって自らの主張を実現しようとすることは、司法制度及び法秩序に対する重大な挑戦であって、断じて許されるものではない。
当会は、このような犯行を行った者を強く非難し、今後も、弁護士及び事務所職員に対する業務妨害に一致団結して毅然と対処し、かかる暴力にひるむことなく、弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現のため職務を遂行することをここに表明する。