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第26回東京弁護士会人権賞 受賞者決定しました

2011年12月 1日

 東京弁護士会では、1986年(昭和61年度)から、東京弁護士会人権賞を制定し、人権擁護活動に尽力されてきた方々を毎年表彰しています。

 候補者の方々はいずれも各分野において、人権擁護活動にご尽力されているところ、今年度も多数の推薦・応募があり、選考の結果、下記の方々が受賞者に決定しました。

社会福祉法人カリヨン子どもセンター 様

布川事件桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会 様

社会福祉法人カリヨン子どもセンター 

理事 坪井 節子 様

 2004年6月前身となるNPO法人設立。
 「どこにも行き場のない子どもたち」。例えば家庭内で虐待を受け家族から逃げ出さなければならない10代後半の子ども、少年院から仮退院の時期を迎えているのに引き取る家族や施設が見つからない子ども。このような子どもたちに安全な場所を提供するため、東京弁護士会の会員有志と児童福祉関係者らが中心となってカリヨン子どもセンターを設立。日本で初めての民間の子どものためのシェルターである「カリヨン子どもの家」を開設した。
 「カリヨン子どもの家」では衣食住を無償で提供し、スタッフが24時間体制で子どもたちを見守り続ける。また、子どもが抱える問題を共に解決するために、子どもが自らの代理人として弁護士を選任する事ができる制度を設け、子ども一人一人に寄り添い、これからの人生を一緒に考え自立を支援している。開設から7年間で、すでに190名以上の子どもが「カリヨン子どもの家」を訪れ、生きる道を見つけて巣立っている。
 2005年には、「カリヨン子どもの家」を訪れた子どもを長期的な視点で自立を支援する自立支援ホームを開設。子どもたちは、家庭的な生活をしながら、就労し自立資金を貯め自立を目指す。この自立支援ホームの活動が認められ、2008年3月、社会福祉法人カリヨン子どもセンターを開設した。
 また、カリヨンの活動に影響を受けた他府県の弁護士によって、全国各地に同様の子どもシェルターが開設されている。このような活動の広がりが日弁連や厚生労働省を動かし、子どもシェルターが児童福祉法上の児童自立援助ホームの一形態として認められ、次年度から公的補助の対象となることが決定している。
 カリヨンが届ける「あなたはひとりぼっちじゃない」というメッセージが、我が国の法制度と行政の仕組みの中で隙間に落ち込んでしまった「行き場のない子どもたち」に温かい希望を与えている。

布川事件桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会

 代表世話人 佐藤 光政 様
                松島  洋  様
                蒲田 孝代 様

 守る会は、布川事件で桜井、杉山両氏が最高裁に上告中の1976年1月、無実の両氏を冤罪から救うため設立された。
 1978年に桜井、杉山両氏の無期懲役の判決が確定した後は、再審請求に備えて千葉刑務所への収容を要請。1996年11月の仮出獄まで毎月激励面会を続け、刑務所当局に対して二人の仮出獄と再審準備のために処遇改善を要請した。2001年12月6日の第2次再審請求後は、事件が係属している裁判所に対し、再審開始、公正な判決、証拠開示を求める要請活動を毎月行った。
 布川事件の冤罪であることを広く訴えるため、毎月守る会ニュースを発行したり、コンサートなどのイベントの開催、街頭での宣伝活動を行うなど、さまざまなかたちで無実を訴える桜井、杉山両氏の声を届け続けた。
 弁護団に対しても、会費やカンパで得られた資金の一部を提供したり、鑑定や再現実験の実施にあたって人員及び資材を提供するなど弁護団を支えた。毎年泊りがけで開催していた現地調査や学習会で事件の問題点を洗い出すなど弁護活動に対しても多くの提言をした。
 桜井、杉山両氏が仮出獄した後も、両氏の社会復帰を物心両面で支え、再審をたたかい抜き刑事司法を告発する活動に従事できるよう支援している。
 また、布川事件を通じて、冤罪根絶のため全面証拠開示や取り調べの全面可視化を求めて意見広告を掲出したり、国際会議で我が国の刑事手続や人権状況を訴えるなど、それらの改善に多大な貢献をしている。
 守る会設立から2011年5月24日に水戸地方裁判所土浦支部で再審無罪判決を得るまで35年余。この間、守る会が街頭活動や支援団体等を通じて集めた署名は、約30万名分にも及ぶ。
 桜井、杉山両氏の無実を訴え続けた守る会の熱心な活動が、両氏とその弁護団を支え、再審無罪判決という成果に結びついた。その功績は、我が国の刑事司法について、再検討を迫るうえで大きな役割を果たしたと言える。