東京弁護士会
子どもの人権と少年法に関する特別委員会

子どもの人権と少年法に関する特別委員会

 

子ども用語集

いじめ(いじめ)
多数の者が集団で、一人に対し、継続的に本人が苦痛に感じる行為を行うこと。具体的には、無視、悪口、仲間はずれ、物を隠す・壊す、暴力、恐喝、人前での屈辱的な言動の強要などで、加害者・被害者の他に、はやしたてる者、みて見ぬふりをする者を伴うことが多い。
一時保護(いちじほご)
子どもの生命身体の安全を確保するため緊急に子どもを保護者と分離する必要がある場合など、児童相談所長が必要であると認めるときに、児童相談所が、子どもを一時保護所に入所させ、あるいは適当な第三者に委託する処分である(児童福祉法33条1項)。
一時保護を行う際には、子どもあるいは保護者の同意は必要とされていない(平成9年6月20日児発第434号厚生省児童家庭局長通知)。その期間は2か月を超えてはならないとされているが、必要があると認めるときは延長も可能である(児童福祉法33条3項、4項)。
殺人、放火等の重大な触法事件の場合、警察は、触法少年を発見すると直ちに児童相談所に少年の身体と共に通告し(これを「身柄付通告」という。)、通告を受けた児童相談所は一時保護を行う場合が多い。
医療少年院(いりょうしょうねんいん)
心身に著しい故障のある14歳以上26歳未満の者を収容する少年院(少年院法2条5項)。在院者を社会生活に適応させるため、その自覚に訴え、紀律ある生活のもとに、教科(養護学校その他の特殊教育を行う学校で必要とする教科)並びに職業の補導、適当な訓練及び医療を授けることとなっている(矯正教育)。
過干渉(かかんしょう)
干渉しすぎること。相手を大切にしようとしている行動に見えるが、実は、相手を信頼していなかったり、相手を自分に都合のよいようにコントロールしようとすることであるため、往々にして相手との関係は悪くなる。そうなりそうなときには口を出すより(手を出すのは論外)、全身全霊で耳を傾けること。
家庭裁判所(かていさいばんしょ)
家事調停、家事審判、人事訴訟、少年審判等を行う裁判所。(家事事件とは、夫婦・親子関係に関する事件、相続や遺産分割に関する事件などをいう。)
家庭裁判所送致(かていさいばんしょそうち)
検察官、司法警察員、都道府県知事又は児童相談所長が事件を家庭裁判所に送り、その権限行使に委ねること。類似の用語に通告があるが、通告がまだ権限ある官庁に係属していない事件を権限のある家庭裁判所に通知してその職権の発動を促す行為であるのに対し、送致は、既に権限ある官庁に係属している事件を家庭裁判所の係属に移す行為である。
カリヨン子どもセンター(かりよんこどもせんたー)
東京弁護士会の弁護士有志や福祉関係者などが協力して2004年3月に設立したNPO法人(東京都の認可は同年6月)。同法人は,2004年6月,全国で初めての子どものためのシェルター「カリヨン子どもの家」を開設し,2005年4月には自立援助ホーム「カリヨンとびらの家」を開設して,多くの子どもたちを保護し,自立の援助をしてきた。同法人の運営は,多くのボランティアの方々や寄付者によって支えられている。お問い合わせは,カリヨン子どもセンター事務局(03-3818-7400)。なお,シェルターや自立援助ホームへの入居を希望する場合には,まずは東京弁護士会の子どもの人権110番(03-3503-0110)にお電話を。
観護措置(かんごそち)
少年を少年鑑別所に送致する決定及びその執行。本人あるいは環境に問題の多い少年の身柄を収容して調査・審判の円滑な遂行を確保し、その間の非行性の深化等を防止するとともに、社会調査・行動観察・心身鑑別を行い、適正な審判の実施を図るもの。その期間は原則として最長4週間だが、非行事実が争われ証拠調べが必要な事件では最長8週間まで延長できる。
関東更生保護委員会(かんとうこうせいほごいいんかい)
更生保護委員会とは、高等裁判所の管轄区域ごとに全国8か所に設置され、主に刑務所や少年院などに収容されている人たちの仮釈放の決定や、仮釈放中の人が決められたことを守らなかった場合の仮釈放の取消しの決定などを行う組織をいうが、そのうちで関東地区を管轄するものが関東更生保護委員会。更生保護とは、罪を犯した人の立ち直りの援助をしたり、犯罪予防のための様々な活動を行ったりすること。
鑑別技官(かんべつぎかん)
少年鑑別所において、少年の知能検査・性格検査などの各種の心理テストや面接などを実施し、少年の心身の鑑別を行う専門職。心身鑑別の結果は、鑑別所長名の鑑別結果通知書として家裁に提出され、裁判官の審判の資料として活用される。
起訴(きそ)
検察官が裁判所に対し起訴状を提出し、特定の事件について審判を求めること。公判請求(正式裁判請求)と略式命令請求がある。主として成人の刑事事件で裁判が開始する際の手続きであるが、少年の犯罪行為について家裁で逆送決定がなされた場合、送致を受けた検察官は原則として事件を起訴しなければならない。
逆送(ぎゃくそう)
検察官送致と同義。(家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の少年事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致する決定をしなければならない。また、家裁は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すときに少年が16歳以上であった場合には、原則として検察官に送致する決定をしなければならない(少年法20条)。これらの決定及びその執行を検察官送致(決定)、逆送(決定)あるいは単に逆送という。)
凶悪事件(きょうあくじけん)
法律用語ではありませんが、メディアなどで、殺人、強盗、強姦、放火等の犯罪について用いられます。
教師による体罰(きょうしによるたいばつ)
教師から児童・生徒に対して肉体的苦痛を与えるような懲戒をすることをいう。殴るといった暴力だけではなく、長時間正座させるようなことも含まれる。教師による体罰は、学校教育法11条但し書きで禁止されている。
矯正施設(きょうせいしせつ)
少年院、刑務所等、矯正をその目的とする施設。児童自立支援施設は、以前、教護院と言ったが、その時代には矯正施設としての色彩が強いものだった。児童自立支援施設となってからは、自立をメインと考えることになっている。
虞犯(ぐ犯)(ぐはん)
(1)保護者の正当な監督に服さない性癖のあること、(2)正当の理由がなく家庭に寄りつかないこと、(3)犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること、(4)自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること、のいずれかの事由があり、その性格または環境に照らして将来罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年を指す。少年審判の対象となっている。
検察官関与(けんさつかんかんよ)
犯罪少年の少年事件について、(1)故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪、(2)そのほか死刑または無期もしくは短期2年以上の懲役もしくは禁錮が定められている罪のいずれかについて、裁判所が必要と認めたときは、非行事実を認定する審判手続きに検察官を出席させることができるとなっている。
公的付添人制度(こうてきつきそいにん)
成人事件の場合は、国選弁護人という制度がありますが、少年にはないことから、家庭裁判所に送致された少年に対して弁護人の役割も果たす付添人を公費でつけるようにする制度のことです。現在、一定の少年事件について立法化に向け検討中です。
勾留(こうりゅう)
被告人(被疑者)が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある場合で、(1)定まった住居がないとき(2)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(3)逃亡しまたは逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき、のいずれかの事由があるときに裁判所が決定します。被疑者(捜査)段階では、原則10日間ですが、一度の更新が認められ、最大20日間となる。
勾留に代わる観護措置(こうりゅうにかわるかんごそち)
少年被疑者の勾留はなるべく避けるべきである。なぜなら勾留の場所は実務上ほとんどの場合,警察の代用監獄(留置場)であって,代用監獄に勾留中に「自白」を強要されて冤罪に陥れられる危険がある上,成人被疑者との接触による悪風感染も心配であるし,代用監獄の設備・環境は,子どもの成長発達の観点からは,問題が大きいからである。そのため,少年法は,少年被疑者の身体を拘束して逃亡や証拠隠滅のおそれを防ぐ必要があるとしても,勾留するのではなく,観護措置をとって少年鑑別所へ収容することができるものと定めており,これを勾留に代わる観護措置という。
国選付添人(こくせんつきそいにん)
少年審判手続において,私費で付添人(弁護士)を選任することができない少年のために,裁判所が国費で選任した弁護士のこと。本来は,審判を受けるすべての少年が国費で弁護士を選任できるようになるのが望ましいが,現行法上は,非行事実の存否について激しく争った結果,検察官が審判に立ち会うことになった事件(検察官関与事件)で私選の弁護士が選任されたいない場合のみ,国選付添人が選任される仕組になっている。国選付添人の選任対象を広げるべく,制度改正の動きがある。
子ども家庭支援センター(こどもかていしえんせんた)
ー 子ども自身や子育て家庭からのあらゆる相談に応じる総合相談窓口。子育てに関する総合相談及び情報提供,子育ての仲間作りやボランティア活動を支えるお手伝い等の事業を行い,地域の関係機関と連携をとりつつ,子どもと家庭に関する総合的な支援を行っている。また,児童福祉法・児童虐待防止法の改正に伴い,2004年からは,児童虐待の未然予防・早期発見のための業務も行うこととなった。
子どもの虐待防止センター(こどもぎゃくたいぼうしせんたー)
社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP)は,主に家庭内で起こる子どもへの虐待を早期に発見し,必要なら介入・援助をするために設立された民間の組織。
子どもの権利条約(こどものけんりじょうやく)
基本的人権が子どもにも保障されるべきことを国際的に定めた条約。1989年11月に国連総会において採択され,2003年7月現在で192の国と地域が締結している。わが国はでも1994年4月に批准して5月に効力を生じた。前文と本文54条からなり,生存,保護,発達,参加という包括的権利を子どもに保障している。
子どもの権利擁護委員会(こどものけんりようごいいんかい)
東京都で平成10(1998)年10月に設置された,子どもの権利を擁護するための機関。「新たなる子どもの権利擁護システム」の構築のため,子どもの権利擁護のための取組を試行するとともに,同システムの構築に向けた環境整備を図ることを目的として設置された。同委員会は,行政から独立した中立公正な第三者機関として子どもの権利侵害を救済する役割を果たすことを目指してきた。もっとも,行政からの独立性・第三者性については,条例等による法的裏付けがなく,権限上の問題が指摘されていたが,条例制定の動きはいまだない。なお,平成16(2004)年度からは,「子どもの権利擁護委員会」の名称は,公式にはなくなり,公式な機関としては子どもの権利擁護専門員と,その会議体である子どもの権利擁護専門員会議に組織変更されたが,「子どもの権利擁護委員会」の名は通称として使用し続けることが確認されている。
子どもの人権110番(こどものじんけん110ばん)
東京弁護士会が昭和60(1985)年から開設している子どもの人権救済窓口。いじめ,体罰,退学処分等の学校問題,虐待等の親子問題,児童福祉施設での体罰等の問題,非行問題など広く子どもの人権に関する相談を扱っており,電話相談・面接相談とも無料で応じている。実施時間は,月曜日~金曜日は午後1時30分~4時30分,午後5時~8時,土曜日午後1時~4時。電話番号は03-3503-0110。
個別処遇(こべつしょぐう)
犯罪や非行を犯した者に対しては,単に犯した罪の重さに応じて一律の処分を課すのではなく,その人が犯罪や非行に陥った原因・背景・性格等の問題性に応じて,その問題性を解決し,改善・更生を図るためにもっともふさわしい処遇を行うべきであるという理念。成人よりも少年にはより個別処遇の理念がふさわしく,実際の司法手続・処遇の現場でもこの理念が尊重されている。
裁定合議制(さいていごうぎせい)
本来,少年審判は,1人の裁判官が少年に真摯に向き合い,懇切・和やかに行うことが望ましいが,1人の裁判官が審判を進めることが困難な場合に,3人の裁判官からなる合議体で審判を進める制度。2000年の少年法「改正」により制度化された。少年が非行事実を争っていて事実認定が難しい場合や,処分の選択に迷うような重大な事件の場合に,裁判官の判断により合議に付される。
里親(さとおや)
保護者がいない子どもや,保護者に監護させるのが不適当な子ども(保護者から虐待を受けるなど)のために,親代わりとなって子どもを養育する者。将来的に養子縁組を行うことを希望して養育に当たる「養子縁組里親」と養子縁組を前提としない「養育里親」等がある。後者は「養育家庭」ともいう。
試験観察(しけんかんさつ)
家庭裁判所は,少年に対する保護処分を決定するため必要があると認めるときは,決定をもって,相当の期間(3か月~1年程度),家庭裁判所調査官の観察に付することができ,この「観察」のことを「試験観察」と呼んでいる。試験観察期間の経過を見た上で終局処分としての保護処分を決定するための中間的措置である。試験観察には,家庭裁判所調査官による観察のみのもの,これに併せて,遵守事項を定めてその履行を命じたり,条件をつけて保護者に引き渡すという在宅試験観察の方法と,少年の補導を施設や団体又は個人に委託するという補導委託の方法がある。試験観察期間中の少年の態度によっては,要保護性が消滅したとして不処分の決定がなされることもある。
施設内虐待(しせつないぎゃくたい)
施設の職員などによる入所している子どもに対する虐待。平成7年から10年ころ、各地で施設内における体罰事件が発覚したため、平成10年には施設の条件等を定めた「児童福祉施設最低基準」内に「体罰の禁止」が明文化された。
児童虐待(じどうぎゃくたい)
保護者がその監護する子どもに対し、暴行、わいせつ行為あるいはわいせつ行為をさせること、放置・監護の懈怠、著しい心理的外傷を与える言動を行うことをいう(虐待防止法2条)。このうち、心理的外傷を与える言動には、子ども自身に対する著しい暴言や拒絶的な反応のほか、同居する配偶者に対する暴力(DV)なども含むとされる。
児童自立支援施設(じどうじりつしえんしせつ)
児童福祉法に基づいて設置されている施設。不良行為をした子どもや、その恐れのある子ども、家庭環境その他環境上の理由により生活指導等を要する子どもを入所あるいは通所させ、必要な指導を行なって自立支援を行う。全国に58施設あるが、行動の自由を制限する「強制措置」を取れるのは、男子が「国立武蔵野学院」(さいたま市)、女子が「国立きぬ川学院」(栃木県)だけと言われている。1997年の児童福祉法改正で「教護院」から名称変更している。
児童相談所(じどうそうだんしょ)
児童福祉法に基づいて都道府県が設置する機関。子どもに関する問題につき家庭その他からの相談に応じること、子ども及びその家庭につき必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行なうこと、子どもやその保護者につき調査判定に基づき必要な指導を行なうこと、子どもの一時保護を行なうことを業務としている。
児童相談センター(じどうそうだんしょせんたー)
児童福祉法施行規則は、都道府県内の児童相談所の一つを中央児童相談所に指定することを認めている。東京都などでは、児童相談センターが中央児童相談所として、地域児童相談所としての役割の他に地域児童相談所に対する連絡調整・技術的援助、情報提供、措置の調整など必要な援助を行っている。
児童擁護施設(じどうようごしせつ)
児童養護施設は、乳児を除いて、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせてその自立を支援することを目的とする施設。平成14年10月1日現在、全国に552の施設があり、30,042名の児童が生活している。
児童養護施設送致(じどうようごしせつそうち)
児童養護施設は、保護者のいない児童、虐待されている児童その他環境上養護を必要とする児童を入所させて、これを保護、養育し、あわせてその自立を支援することを目的としている施設。
少年法上は、同施設への送致が保護処分の一つとしてあげられているが、処遇の実情などから対象となる少年が年齢、非行性等の関係で制約されてしまうため、保護処分としてはあまり活用されていないのが現状である。
社会資源(しゃかいしげん)
事件を起こした少年の更生に役立つと思われるすべての人的・物的資をいう。例として両親をはじめとする親族や勤務先、学校などが挙げられる。
少年院(しょうねんいん)
少年を収容し、矯正教育を授けることを目的とする施設。初等少年院、中等少年院、特別少年院、医療少年院の4種類があり、収容される少年の年齢、心身の状況、非行傾向などを基準に入所先が決定される。退院後は保護司の監督を受ける必要がある。
少年院送致(しょうねんいんそうち)
少年法が定める保護処分の中でもっとも強力な処分。少年が再び非行を犯すおそれが強く、在宅のままでの指導(保護観察など)では更生が難しい場合に、家庭裁判所は少年院送致して専門的な教育を行う。少年院では、再び非行を犯すことのないように、少年に自分の問題点を見つめさせ、自己改善意欲を持つように促すとともに、規則正しい生活習慣を身に付けさせたり、学科教育や職業指導等、社会復帰に役立つ教育を行ったりするなど、少年に対する全般的指導を行う。
少年鑑別所(しょうねんかんべつしょ)
非行少年の科学的な調査と診断等をおこなうことを目的とした施設。少年の資質や性格についての心身鑑別を行う。その結果は家庭裁判所で調査官が意見を決める参考にされたり、審判官が少年の処遇を決定する際の資料となる。また、少年にまつわる相談、カウンセリング等も行なっている。
少年刑務所(しょうねんけいむしょ)
懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年に対する刑の執行を行う施設。少年法56条1項は、少年に対する懲役・禁錮刑の執行は、成人と分離した施設ないし場所で行わなければならないと定めており、そのために、少年刑務所が設置されている。なお、少年刑務所での刑の執行は26歳になるまでできる(同条2項)。また、少年法「改正」の結果として14歳、15歳の少年に懲役・禁錮刑の実刑が科されることがありうるが、その場合は、少年院で執行できるとされる(同条3項)。
少年審判(しょうねんしんぱん)
非行少年に対する保護処分の要否と内容を決定する手続。家庭裁判所が少年法に基づいて行う。審判の原則としては、保護主義が挙げられる。「審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない」という規定(少年法22条1項)が有名。審判には、裁判官(1人制が原則)、家庭裁判所調査官、保護者、付添人が関与する(例外的に検察官が関与することもある)。保護処分には、保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致、少年院送致がある。
少年当番弁護士(しょうねんとうばんべんごし)
身柄を拘束された少年からの依頼を受けて、弁護士が、初回に限り、無料で、拘束場所に赴いて相談を受ける制度。東京の3弁護士会では、2004年10月から23区内について、2005年4月からは全都において、家庭裁判所が少年を少年鑑別所に送致する決定をする際に、裁判官が当番弁護士制度を告知するという制度を導入した。同様の制度は福岡県弁護士会がすでに導入している。
触法少年(しょくほうしょうねん)
刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年。14歳未満の少年は刑法では未成年とされるので、刑罰法令に触れても犯罪とならないが、保護手続の対象となる。触法少年については、第一次的には児童福祉法の措置に委ねられ、児童相談所長等からの送致があって初めて家庭裁判所で少年審判が開かれることとなる。もっとも、現在、触法少年に関する少年法の規定を「改正」する動きがある。
全件送致主義(ぜんけんそうちしゅぎ)
少年の健全育成をはかる保護主義の観点から、教育・福祉的措置も含め、少年に適切な処遇選択を行うために、家庭裁判所には、家庭裁判所調査官制度(法8条2項)が設けられ、少年や保護者・関係者の行状・経歴・素質・環境等について、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識、少年鑑別所の鑑別結果を活用しての科学的な調査を行う(法9条)。
そして、このような機能を持つ家庭裁判所に、まず少年事件を集めて科学的調査を行い、これに基づいて処遇の振り分けの判断をする仕組みが「全件送致主義」である。
当番弁護士(とうばんべんごし)
身柄を拘束された被疑者(成人・少年)からの依頼を受けて、弁護士が初回に限り無料で、拘束場所に赴いて相談を受ける制度です。
逮捕・勾留されている場合は、警察官・検察官・裁判官などに「当番弁護士を頼みます」と話せば駆けつけます。家族、親族、知人の方からの電話でも受付けています。東京都内の警察に逮捕されたときの連絡先は、東京三弁護士会当番弁護士センター(電話番号03-3580-0082)です。
当番弁護士は①黙秘権など、被疑者の重要な権利について説明し、不当に処罰されることがないようにアドバイスする、②今後の刑事手続の流れや見通しについて説明する、③その他いろいろな不安や疑問についてお答える、④面会後、引き続き弁護を希望する場合は 駆けつけた当番弁護士に申し出て、費用などについて尋ねてください。
弁護士費用の支払いが経済的に困難な方には、弁護士費用を援助する制度があります。当番弁護士と相談してください。
ネグレクト(ねぐれくと)
子どもの虐待形態の1つ。食事をさせない、医療を受けさせない、長時間放置する、学校に行かせないなど、保護者として適切な養育をしないことをいう。養育拒否・放棄ともいう。
被疑者国選弁護人(ひぎしゃこくせんべんごにん)
2004年の刑事訴訟法改正により、2006年10月から被疑者段階での国選弁護人制度が導入されている(刑訴法37条の2)。少年事件であっても、捜査段階では刑事事件として基本的に刑事訴訟法が適用されるので(法40条)、成人の刑事事件と同じく、被疑者である少年にも国選弁護人が選任されている。
保護観察(ほごかんさつ)
保護観察とは、少年を施設に収容せず、保護観察所の行う指導監督と補導援助(職業補導・就労援助、生活環境の改善・調整、生活指導等)によって、社会内処遇での改善更生を図る処分である(更生保護法49条、57条、58条)。
指導監督は、面接その他の方法によって定期的に接触を持つという方法で行われ、保護観察所の保護観察官が直接行うこともあるが、多くの場合は、少年の住所がある地域を担当する保護司に委ねられる。そこで、保護観察に付されると、通常、少年は、定期的に担当の保護司のもとを訪ね、近況を報告し、必要に応じてさまざまな指導等を受けることになる。
保護処分(ほごしょぶん)
非行を行った少年について、家庭裁判所が、その少年の調査の上で、少年の環境の調整や問題点の克服のため、審判で定める少年法上の処遇(処分)のことで、(1)保護観察、(2)児童自立支援施設・児童養護施設送致、(3)少年院送致の3種類があります。これら保護処分はいずれも、少年が未成年であることを考慮した、教育的・福祉的な処分として位置づけられている。
このほか、家庭裁判所が、少年について保護処分の必要もないと考えれば、不処分、審判不開始等の判断をしてこれまでの生活に戻れる場合もあるし、逆に、重大事件等の一定の場合には、保護処分にするのではなく、検察官に事件を送致し、その後、成人と同じく通常の裁判所で刑事裁判を受け刑事処分(懲役・罰金等)となる場合もある。
補導委託(ほどういたく)
補導委託とは、家庭裁判所が少年について試験観察という中間処分をする場合のやり方の1つである。
すなわち、家庭裁判所が、非行を行った少年についての最終処分を慎重に判断したい場合に、一定期間(通常3か月程度)、調査官に少年の行動を観察させる試験観察という中間的な処分をする場合があります。補導委託とは、この試験観察の方法の1つとして行われるもので、家庭裁判所に協力してくれる民間の篤志家(「補導委託先」)の協力を得て少年を安定的な生活環境におき、そこでの生活をさせながら調査官に少年の行動を観察させること。
補導委託先には、農業、建築関係、美容院、飲食店の経営者など民間の個人の篤志家や団体、更生保護施設などがある。
身柄拘束(みがらこうそく)
身柄拘束とは、逮捕、勾留、観護措置などの法的手続きを経て、少年の身体を警察の留置場や鑑別所にとどめて拘束することをいう。身柄拘束期間は、逮捕から家裁送致まで最大23日間、鑑別所では最大8週間である。少年の場合、勾留は「やむを得ない場合」以外は請求することはできないし(刑訴法43条3項)、長期間の身柄拘束により、学校を退学になったり解雇される可能性も高くなり、身柄拘束の長期化により少年の立ち直りに悪影響を与える危険があるので、できるだけ早期の身柄解放を図るべきである。
身柄事件(みがらじけん)
少年が身柄拘束を受ける事件。東京の三弁護士会では、身柄事件について当番付添人制度を実施している。
もがれた翼(もがれたつばさ)
弁護士と子どもたちでつくるお芝居のシリーズ名。1994年の第1回目から、子どもの人権をテーマに、いじめ、虐待、非行などさまざまな問題提起を行ってきた。カリヨン子どもセンターもこのお芝居の反響から生まれた。講演は原則として毎年1回行われている。2005年は9月17日(土)午後5時から東京都渋谷区の東京都児童会館で行われる予定。
養育家庭(よういくかてい)
何らかの事情で家庭での生活ができない子どもを、養子縁組を目的とせずに一定期間(1か月以上、2年ごとに更新)子どもを家庭に預かり、家庭的な温かい雰囲気の中で養育する制度。
養育拒否・放棄(よういくきょひ・ほうき)
子どもの虐待形態の1つ。食事をさせない、医療を受けさせない、長時間放置する、学校に行かせないなど、保護者として適切な養育をしないことをいう。ネグレクトともいう。
要保護性(ようほごせい)
要保護性とは、少年が非行を繰り返す危険性の存否や大小のことである。たとえば、少年の内省、保護者の監護状況、生育環境、地域環境、交友関係、暴力団との関係などである。少年審判では、非行事実だけでなく、要保護性も審判の対象となっている。したがって、少年審判に向けては、要保護性をいかに解消、減少していくか、少年を取り巻く環境を、付添人、保護者、調査官、裁判官が協力して整備していかなければならない。
『もがれた翼』動画配信中!
『もがれた翼』についてはこちら
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