2024.01.30 三好不動産の取り組み紹介 会社概要 株式会社三好不動産 設立:1951年7月3日(創立73年) 本社:福岡市中央区今川一丁目1番1号 代表者:代表取締役社長三好修 従業員数:537人(2022年10月) 売上高:62億円(2023年9月末) 賃貸物件管理戸数44,743戸(2023年10月) 賃貸仲介件数12,046件(2023年10月) 売買仲介件数650件(2023年10月) 賃貸仲介 賃貸管理 売買仲介 不動産有効活用 相続相談 不動産管理信託 三好不動産本社(福岡市) 不動産の有償管理の始まりは三好不動産が全国初 三好不動産本社がある唐人町(とうじんまち)は、昔、遠洋漁業の漁師の町でした。 海難事故も多かったため、万が一に備え「家族を守ってくれないか」と漁師からの相談がきっかけで始めたアパート建築と不動産の有償管理。 これが、全国初の不動産管理業の始まりとなりました。 創立73年。不動産管理業を通じて、地域のお困りごと、社会課題の解決など、社会に貢献できる勤勉企業に挑んでいます。 三好不動産は質店が始まり。1955年唐人町に三好質店不動産部の看板を掲げる 自己紹介 資産管理部 シニアマネージャー 葛叢(かつそう) 中国湖北省出身 2009年三好不動産入社 【保有資格】 宅地建物取引士、賃貸不動産管理経営士 相続支援コンサルタント 介護賃貸住宅NPOセンター 事務局長 安田豊(やすだゆたか) 2001年三好不動産入社介護賃貸住宅NPOセンター出向 【保有資格】 宅地建物取引士、行政書士 職業紹介事業部 マネージャー 原麻衣(はらまい) 2013年三好不動産入社 【保有資格】 宅地建物取引士、賃貸不動産管理経営士、 住宅ローンアドバイザー、 マンション管理業務主任者 外国人の取り組み 外国人の取り組み 1.外国人の賃貸斡旋の取り組みを始めたきっかけ。 2.外国人入居希望に対するオーナーが懸念する事項。 3.言葉・文化の違いの問題。 4.連帯保証人がいない問題。 5.外国人の住まい提供時のフォロー体制。 6.外国人の方へ賃貸することについてオーナーの反応。 7. トラブル対応事例。 8.より多くの外国人へ賃貸住宅を提供するために。 9.不動産業界(協会等)のサポート体制。 外国人の賃貸斡旋の取り組みを始めたきっかけ 2005年、来日留学生の激増に伴い賃貸住宅の需要も大幅に増加。当時、留学生の入居可能物件や入居条件の交渉等の基礎環境は整っておらず社会問題のひとつとして取り上げられた。 こうした中、三好不動産は2008年に「外国人支援プロジェクト」を立ち上げ、当時、在福外国人の大半を占めていた中国人留学生向けの賃貸斡旋を開始した。 外国人の方の入居希望に対するオーナーが懸念する事項 @言葉がわからないのではないか。 A賃料を払ってくれるか不安。日本在住の連帯保証人を確保ができるのか。 B日本のルールがわからずトラブルになるのではないか。 C部屋の使い方がひどくならないか。 言葉・文化の違いの問題 2008年より外国人を採用。賃貸店舗に常駐し「言葉が通じない」「コミュニケーションが取れない」問題への解決へ。 現在外国出身の社員15名(今春インド出身含め3名内定)。 ※15名のうち11名が宅地建物取引士の資格を所有。 強み 語学力、向上心、適応力、異なる視点からの発想。 注意点 異文化の理解、差別待遇、労務管理の知識。 外国出身社員数 中国7名 香港2名 台湾1名 韓国3名 ベトナム1名 ネパール1名 合計15名 2024年1月30日現在 連帯保証人がいない問題 三好不動産の協力会社である家賃保証会社が保証。 連帯保証人不要で、万が一のことがあっても入居者にかわって大家さんに家賃を建て替え払いするシステムを構築している。学生(日本語学校、専門学校を含む。)であれば、連帯保証人が不要。 社会人の場合は、日本で暮らしている年数、日本語能力、収入等で判断する。 外国人の住まい提供時のフォロー体制 契約時 重要事項説明書、賃貸借契約書等の翻訳文を作成し、外国人社員による説明を行う。 入居時 ゴミ出し・騒音等に関する「日本における生活の入居しおり」を渡している。 トラブル発生時 三好不動産管理物件においては、従業員が電話及び訪問し説明等を行い解決されることが多い。 入居申請同意書(英語)イメージ 入居のしおり(中国語)イメージ 外国人の方に賃貸することについてオーナーの反応 近年は理解が進み、拒否されることが少なくなってきた。 @16年間外国人賃貸を継続してきたこと。 A外国人社員が直接オーナーと会話する機会が増えたこと。 B全国の不動産会社からノウハウを求めるケースが増えたこと。 C福岡は、東京・大阪につぐ留学生の数が多い都道府県であること。 D当社の取り組みが地元のメディアに取り上げられたこと。 トラブル対応事例:ケース<1>ゴミ・騒音 ゴミ・騒音の問題点 ゴミ ゴミ分別の習慣がない。分別ルールが難しい。 騒音 母国同士集まる傾向がある。夜中に母国に電話する。 ゴミ・騒音の解決策 @契約時に口頭や動画によりマナーの説明を行う。 A玄関ドア裏に生活ルールを掲示。 B外国人社員による現地訪問や指導。 C定期的に日本語学校の先生と同行して生活指導を行う。 トラブル対応事例:ケース<2>短期解約・原状回復負担増加 福岡の留学生は基本的に日本語学校指定の寮に半年間入寮した後、一般賃貸物件に転居する。(一般賃貸物件の入居期間は1年〜1.5年) 短期解約・原状回復負担増加の問題点 短期解約と原状回復ではオーナーの収支が悪化して採算が取れない。 短期解約・原状回復負担増加の解決策 @原状回復は留学生専用部屋として最低限の作業に留める。 A「契約名義変更」の推奨。(特別ルールとして、契約者(外国人)の友人への名義変更可にしている) トラブル対応事例:ケース<3>家賃滞納・夜逃げ 家賃滞納・夜逃げの問題点 家賃滞納や督促が不安、夜逃げの不安も残る。 家賃滞納・夜逃げの解決策 @家賃保証会社家賃保証最大6ヶ月、残地物処理費用などが含まれる。 A家賃保証会社の督促は外国人スタッフにて行う。 (参考) 滞納率日本人0.32%、外国人0.50%(2023年11月末実績) B家賃保証会社の外国人スタッフにて退去立会を行う。(滞納履歴ありの場合・帰国の可能性がある場合) より多くの外国人へ賃貸住宅を提供するために @実績やノウハウのある、外国人対応業者(賃貸仲介・家賃保証)の力を借りる。 A外国出身の方に賃貸住宅を提供したいという強い気持ちがあるかどうか。 B既に取り組んでいる不動産会社にノウハウを聞いて自社に取り入れる。 C自社で取り組む場合は、外国籍の方を採用すると良い。 不動産業界(協会等)のサポート体制 日本賃貸住宅管理協会では「外国人入居円滑化支援のご案内」を各種作成しサポートしている。 (ツール例) ・外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン。 ・部屋探しのガイドブック(14ヶ国版)。 ・大家さん、不動産事業者のための外国人受入れガイド。 ・外国人のための賃貸住宅入居の手引き。 ・賃貸住宅を退去する時の原状回復のポイント、入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト。 ・入居中にできる災害対策のポイント。 ・外国語が話せる不動産店一覧。 ・外国語対応ステッカー。 ・外国人住まい方ガイド(動画)(13ケ国版)。 ・外国人の受入れに係る入居前、入居中、退去時の事例収集や実態調査。 ・外国人生活支援ポータルサイトのご案内。 大家さん、不動産事業者のための外国人受入れガイド 入居中にできる災害対策のポイント 入居中にできる災害対策のポイント(ポルトガル語) 外国人住まい方ガイド(動画)(13ケ国版) 日本賃貸住宅管理協会「外国人入居円滑化支援のご案内」 https://www.jpm.jp/foreign/ 高齢者・障害者の取り組み 高齢者・障害者の取り組み 1.介護賃貸住宅NPOセンターを介した住宅斡旋の流れ。 2.介護賃貸住宅NPOセンターの支援の流れ。 3.障害をお持ちの方の住宅斡旋時の対応。 4.入居者の年齢構成及び障害の有無。 5.入居者の収入状況。 6.高齢者や障害をお持ちの方の賃貸住宅斡旋を通して感じること。 介護賃貸住宅NPOセンターを介した住宅斡旋の流れ 家主・管理会社←賃貸借契約→介護賃貸住宅NPOセンター 家主・管理会社←家賃等支払い―介護賃貸住宅NPOセンター 介護賃貸住宅NPOセンター←賃貸借契約、入居者支援・見守り・相談→入居者 介護賃貸住宅NPOセンター←家賃等支払い―入居者 介護賃貸住宅NPOセンター 申請サポート→ ←情報交換→■行政機関、■医療機関、■介護機関等←サービス提供→入居者 〈住宅紹介後もサポート〉実績累計300件以上(2003年3月〜2024年1月) 入居後の見守りサポートとして、乳製品を定期的に配達、届ける際に声かけをし安否確認を行っている。 介護賃貸住宅NPOセンターの支援体制 行政、民生委員、地域包括支援センター、社会福祉協議会←各種申請支援、情報交換→介護賃貸住宅NPOセンター 乳製品宅配←宅配代金支払、異常時連絡→介護賃貸住宅NPOセンター 乳製品宅配 安否確認→入居者(高齢者・障害者等) 入居者(高齢者・障害者等)←各種支援、相談、転貸借→介護賃貸住宅NPOセンター 不動産会社 援助→介護賃貸住宅NPOセンター 家主←賃貸借契約→介護賃貸住宅NPOセンター 病院、訪問看護、訪問介護、デイサービス←情報交換→介護賃貸住宅NPOセンター 病院、訪問看護、訪問介護、デイサービス 医療行為介護サービス→入居者(高齢者・障害者等) 障害をお持ちの方の住宅斡旋時の対応 身体障害 車いすに限らず、バリアフリーなど把握している生活可能な賃貸物件の大家へ交渉を行う。 精神障害 面談で「NPOセンタースタッフとの信頼関係」や「医療機関との良好な関係」が築けるか、「迷惑行為がないか」を確認し貸すことができるかを判断する。 知的障害 知的障害の程度が低くアパート暮らしが可能だと判断した場合に貸している。 入居者の年齢構成及び障害の有無 年齢構成 男 女 合計 比率 障害の内訳 50代 5名 4名 9名 7.5% 知的2名、精神3名、身体1名 60代 19名 5名 24名 20.0% 精神3名、知的1名、発達1名、身体2名 70代 30名 12名 42名 35.0% 知的2名、精神2名、身体1名 80代 17名 25名 42名 35.0% 精神1名 90代 2名 1名 3名 2.5% - 合計 73名 47名 120名 ー 障害者合計19名(15.8%) 注1)入居者平均年齢74.8歳。 注2)過去の退去者231名のうち、精神9名、知的11名、発達4名、障害者計17名。 注3)社会福祉協議会による日常生活自立支援事業サービス(金銭管理)利用者は2名。 2024年1月現在 入居者の収入状況 年齢 生活保護 年金・生保 就労・生保 年金他 50代 3名 0名 2名 4名 60代 13名 5名 3名 3名 70代 14名 22名 0名 6名 80代 14名 17名 0名 11名 90代 2名 0名 0名 1名 合計 46名(38%) 44名(37%) 5名(4%) 25名(21%) (参考)平均家賃:36,000円。 間取り:1R・1K・1DKの合計107世帯。2K・2DKの合計7世帯。 2024年1月現在 高齢者や障害をお持ちの方の賃貸住宅斡旋を通して感じること 1. 高齢者はいずれ老化による衰えが避けられない (1)医療、介護、住宅改修などの目配り。 (2) 判断能力の低下の見極めと権利擁護。 (3)介護付き有料老人ホームへの転居支援。 (4)賃貸契約解除と残置物処分問題の法整備。 2. 障害者に提供できる物件が少ない (1)セーフティネット住宅の改修補助と家賃低廉化の活用。 (2)障害者基幹相談支援センター、医療・介護との連携強化。 (3)家主の理解不足も。 3. 居住支援法人の必要性と財政支援 (1)高齢者・障害者の支援実績がある法人との連携。 (2)法人が生活支援を行い、国等は財政支援を行う仕組みづくりを。 LGBTQ+の取り組み LGBTQ+の取り組み 1.LGBTQ+の取り組みを始めたきっかけ。 2.レインボーマークを表示しLGBTQ+フレンドリーである姿勢を示している。 3.SNSやホームページで情報発信。 4.LGBTQ+の方が感じるお部屋探しの壁。 5. 同性カップルの賃貸契約の実績。 6. 不動産管理会社の知識や理解がカギとなる。 7. 8年間取り組んで感じたこと。 LGBTQ+の取り組みを始めたきっかけ これまでも三好不動産は、高齢者、外国人、災害時の住宅提供、DVで困っている方へのお部屋探し等に取り組んできていたので、ごく自然に取り組みがスタートした。 2016年賃貸部門に社内勉強会を実施。 その後、グループ全体に研修を実施。 継続的に勉強会を実施している。(新入社員研修でも実施) レインボーマークを表示しLGBTQ+フレンドリーである姿勢を示している 三好不動産のレインボーマーク 全従業員の名刺にレインボマークを表示 レインボーバッジの着用 店舗入り口にレインボーステッカーを掲示 社内のデスクにレインボーフラッグを設置 SNSやホームページで情報発信 LGBT専用ホームページ開設2021年〜 X 2016年〜 LINE2019年〜 Facebook開設2016年〜 MIYOSHI Rainbow TV配信開始2022年〜 三好不動産LGBTフレンドリーサイト LGBTQ+の方が感じるお部屋探しの壁 お部屋探しの流れ 問い合わせ 来店 ・LGBTに理解があるかわからないため入店しづらい。 ・関係性を根ほり葉ほり聞かれる。 物件選定 ・同性カップルで入居できる物件がそもそも少ない。 ・希望の物件を紹介してもらえない。 ・親族、婚姻関係以外の2人入居を断られるケースが多い。 物件内覧 申し込み ・身分証明書の提示をしたくない。(トランスジェンダー) 入居審査 ・親族にカミングアウトしておらず保証人がとれない。 契約 鍵渡し 同性カップルの賃貸契約の実績 ・賃貸借契約件数約150組 ・賃貸相談件数100件以上 ・売買契約件数1組 ・売買相談件数5組以上 (2016年10月〜2023年7月) 不動産管理会社の知識や理解がカギとなる ■入居の条件交渉の流れ Aマンション Aマンションに入居希望の同性カップル Aマンションに入居できますか? Aマンションを管理する不動産管理会社 Aマンションを管理する不動産管理会社のオーナー担当者 この段階で断られる オーナー交渉していない オーナー福岡さんは同性カップルの入居希望があることを全く知らない Aマンションのオーナー福岡さん 8年間取り組んで感じたこと 1.同性カップルで入居できる部屋が少ない。 2.保証人、入居審査の問題。 3.最終的にいきついたのは「特別視しない」こと。 4.従業員のホスピタリティの向上。(Google口コミが高評価へ)。