東京弁護士会

住まいの問題に関しての質問

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「住まいの問題」に関しての質問一覧
隣の家が改築して、境界付近の1階北側の食堂の窓から、私の家の1階南側のリビングの中が丸見えとなってしまいました。どうにかできないでしょうか?
ディスカウントストアが私の所有している空き地に目を付け、店舗用地として借りたいと申し入れてきました。10年程度の期間なら貸そうかと思いますが、更新のない事業用借地権という制度があると聞きました。どのような借地権ですか?
これまで借地に建物を建てて住んでいましたが、このたび実家の父が亡くなり、私が実家を相続して移り住むことになりました。この際、私の借地上の建物を処分したいと思いますが、地主が承諾しそうにもありません。何とかなりませんか?
昭和60年に借地契約を更新して平成17年まで土地を賃借中ですが、昭和40年に建てた木造建物の傷みがひどく、建て替えたいと思います。どうすれば良いでしょうか?
私は遊休地を人に貸すことにし、木造建物を建てて住むという借地人も見つかったので、先日期間20年の土地賃貸借契約を取り交わしました。ところが、後になって知人から20年の約束は無効で、30年借りられるのだと教えられました。知人の言うことは本当ですか?
マンションの1室を賃借して引っ越ししましたが、一人暮らしで寂しいので室内で仔猫を飼うことにしました。後で、契約書を見ると「犬猫などの家畜類の飼育は禁止する」という特約条項がありました。猫1匹くらいなら何ら問題はないと思いますが、いかがですか?
私はサラリーマンのAにアパートの一室を賃貸していたところ、いつの間にか家賃は払われなくなり、部屋にも人相風体の怪しいBという男が住んで使用するようになりました。Bの言い分では、Aに貸金があり返済を受ける代わりに部屋を使っているのだというのですが、私にはBに明渡や損害賠償を求められますか?
先月末に支払われるべき家賃が1ヶ月近く経っても支払われないので、「家賃の支払いを1回でも怠ったときは、催告なくして直ちに契約を解除できる」との契約条項に基づいて解除して、借家人に明渡を請求しようと思いますが、私の請求は認められますか?
あと半年余りで借家の契約期間が切れるところ、家主からもう契約を更新しないと言われました。いま5年生の子供が小学校を卒業するまでは借り続けたいと考えていたのですが、明け渡さなければなりませんか?
永年住んでいる借家人がなかなか家賃の値上げに応じてくれません。契約更新の機会に10パーセントの値上げを通知しても、今までどおりの家賃を振り込んできます。世間の家賃相場と余りにもかけ離れているので何とかしたいのですが、どうしたらいいですか?
先月までと同じように月末に家賃を支払いに行ったら、値上げを主張され受け取ってくれませんでした。どうすればよいでしょうか?

隣の家が改築して、境界付近の1階北側の食堂の窓から、私の家の1階南側のリビングの中が丸見えとなってしまいました。どうにかできないでしょうか?

隣の家の食堂の窓の最もあなた家の土地に近い点から直角に線を引いて境界までの距離が1メートル未満である場合、窓に目隠しを付けなければなりません。この場合、あなたは、お隣に対して、食堂の窓に目隠しを付けるよう請求することができます。ただし、異なる慣習がある場合は、慣習によるものとされています(民法236)。

ディスカウントストアが私の所有している空き地に目を付け、店舗用地として借りたいと申し入れてきました。10年程度の期間なら貸そうかと思いますが、更新のない事業用借地権という制度があると聞きました。どのような借地権ですか?

もっぱら事業用の建物(ディスカウントストア、ファミリーレストラン、などが想定されます)を所有する目的で、存続期間を10年以上20年以下として借地権を設定する場合、普通の借地権に認められる借地人保護のための更新の規定や建物買取請求の規定が適用されない事業用借地権とすることが可能です(借地借家法24条1項)。事業を営む企業家は、住居を所有する目的で賃借する個人と異なり保護の必要性が乏しく、短期間のうちに投下した資本を回収することも可能です。そこで、新地借家法の施行とともにこのような制度が創設されました。この場合、事業用借地権の契約は公正証書という形式をもって取り交わさなければなりません(同法24条2項)。契約内容が決まったら、両当事者または代理人が公証人役場に出向いて、公証人に公正証書を作成してもらいます。

これまで借地に建物を建てて住んでいましたが、このたび実家の父が亡くなり、私が実家を相続して移り住むことになりました。この際、私の借地上の建物を処分したいと思いますが、地主が承諾しそうにもありません。何とかなりませんか?

借地権者が借地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合で、第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがないにもかかわらず地主が承諾しないときは、借地権者は裁判所に承諾に代わる許可の裁判を求めることができます(借地借家法19条)。譲り受ける人が資力に問題があって地代を支払えない人や暴力団員などであれば、地主に不利となるおそれがあるおそれがある場合と言えましょうが、そのような事情のない場合、裁判所の借地非訟事件手続によって許可を得ることが可能です。借地非訟事件の手続は、借地の所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所(合意のある場合)に書面をもって申し立てます。裁判所は、鑑定委員に鑑定意見を提出させるなどの審理をし、許可を与えるかどうかを判断します。その際、譲渡する借地人に財産上の給付(いわゆる名義書換料の支払)を命じることがあります。

昭和60年に借地契約を更新して平成17年まで土地を賃借中ですが、昭和40年に建てた木造建物の傷みがひどく、建て替えたいと思います。どうすれば良いでしょうか?

地主の承諾を求め、新たな契約期間の合意をするのが理想です。ただ承諾がなくとも、現在の建物を取り壊して、新たに木造建物を再築する場合、地主が遅滞なく異議を申し述べないときは、現在の建物が滅失したときから20年間借地期間が存続するとされています(旧借地法7条。設問の契約は、借地借家法附則7条により旧法が適用されます。)。地主が異議を述べたときでも、再築は可能ですが、当初の期間満了時(平成17年)に更新の有無が問題になります。

なお、木造建物でなくコンクリート造のような堅固建物を再築することは用法違反となり、契約が解除される原因となりますので、ご注意ください。

私は遊休地を人に貸すことにし、木造建物を建てて住むという借地人も見つかったので、先日期間20年の土地賃貸借契約を取り交わしました。ところが、後になって知人から20年の約束は無効で、30年借りられるのだと教えられました。知人の言うことは本当ですか?

本当です。平成4年8月1日に施行された借地借家法の適用される借地契約については、契約の存続期間は30年と定められています(同法3条)。そしてこれに反する特約で借地人に不利なものは無効とされますので(同法9条)、契約の文言に拘わらず、期間は30年となります。なお、旧借地法のもとでは、木造建物のような非堅固建物の契約期間について20年と定めることが可能でした(旧借地法2条2項)。

マンションの1室を賃借して引っ越ししましたが、一人暮らしで寂しいので室内で仔猫を飼うことにしました。後で、契約書を見ると「犬猫などの家畜類の飼育は禁止する」という特約条項がありました。猫1匹くらいなら何ら問題はないと思いますが、いかがですか?

建物を損傷させたり、共同住宅の他の居住者に迷惑を及ぼすような行為を禁止する特約は有効と解されます。猫1匹くらいといいますが、金魚や小鳥などと違い、犬猫の飼育によって建物が汚れたり傷んだりする恐れや、他の居住者に迷惑をかける恐れがあります。したがって、こうした特約も有効であり、飼育によって家主との信頼関係が破壊されたと認められるような場合には、契約が解除されることもありますので、留意して下さい。

私はサラリーマンのAにアパートの一室を賃貸していたところ、いつの間にか家賃は払われなくなり、部屋にも人相風体の怪しいBという男が住んで使用するようになりました。Bの言い分では、Aに貸金があり返済を受ける代わりに部屋を使っているのだというのですが、私にはBに明渡や損害賠償を求められますか?

賃貸人に無断で賃借物(この場合は部屋)を転貸することはできず、転貸により信頼関係が破壊されたという場合、賃貸人は契約を解除できます(民法612条)。従って本件の場合、家主はAに対し契約の解除と未払家賃を請求できるとともに、承諾なく住んでいる不法占拠者Bに対し、明け渡しと使用を開始して以降の家賃相当額の損害賠償を求めることができます。

先月末に支払われるべき家賃が1ヶ月近く経っても支払われないので、「家賃の支払いを1回でも怠ったときは、催告なくして直ちに契約を解除できる」との契約条項に基づいて解除して、借家人に明渡を請求しようと思いますが、私の請求は認められますか?

賃貸借契約書に設問の様な特約条項が記載されている例はしばしば見受けられます。しかし、本来契約を解除するためには履行を催告するのが原則であり(民法541条)、さらに賃貸借契約は、継続的な債権関係であるという特性から、当事者間の信頼関係が破壊されたと認められない限り、解除権の行使が許されないとされる傾向にあります。他に当事者間の信頼関係を破壊するような事情がなく、1ヶ月分の家賃の不払いだけであれば、直ちに解除は認められにくいでしょう。

あと半年余りで借家の契約期間が切れるところ、家主からもう契約を更新しないと言われました。いま5年生の子供が小学校を卒業するまでは借り続けたいと考えていたのですが、明け渡さなければなりませんか?

家主側は、正当事由のある場合でなければ契約の更新を拒絶することができません。この正当事由がある場合とは、家主・借家人それぞれの建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況、並びに立退料の提示の有無やその金額等を総合的に考慮して判断されます(借地借家法28条)。したがって、期間満了の6ヶ月前まで更新拒絶の通知がきたからといって、必ずしも明け渡し義務が生じるというわけではありません。なお、更新拒絶の通知があっても、期間満了後そのまま使用を続けることに家主が遅滞なく異議を述べなかったときは、契約が更新されたものとみなされます。

永年住んでいる借家人がなかなか家賃の値上げに応じてくれません。契約更新の機会に10パーセントの値上げを通知しても、今までどおりの家賃を振り込んできます。世間の家賃相場と余りにもかけ離れているので何とかしたいのですが、どうしたらいいですか?

「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当になったとき」は、借家人と合意できなくても家賃の増額を請求できます(借地借家法32条1項)。借家人と増額について協議がととのわないときは、建物所在地を管轄する簡易裁判所または当事者が合意する建物所在地を管轄する地方裁判所にまず調停を申し立てる事になります(民事調停法24条の2)。調停でも合意が成立しない場合には、訴えを提起して訴訟で解決を図ることになります。判決で家賃額が確定し、それまでに支払われた家賃に不足があった場合、不足額に年1割の割合による利息が付くことになります(借地借家法32条2項)。

先月までと同じように月末に家賃を支払いに行ったら、値上げを主張され受け取ってくれませんでした。どうすればよいでしょうか?

値上げの主張に不満があっても、全く家賃を支払わないで済ますことはできません。相当と考えられる家賃(現在の金額でも可。)を支払う必要があります。但し、家主が受取を拒絶しているのですから、「受領拒絶」という理由で法務局に家賃を供託する手続を取らなければなりません。法務局は、各都道府県にいくつかありますが、供託手続を扱う法務局は限られていますので、注意してください。また、供託手続に必要な書類は法務局に備え付けてありますので、家賃とあなたの印鑑と封筒(供託の通知を送ります)等を用意して出かければ、手続はさほど難しくありません。くれぐれも供託しないまま放置しないで下さい。家賃未払で契約を解除される恐れがあります。