東京弁護士会

横田飛行場へのCV-22オスプレイの配備の撤回を求める会長声明

2018年04月19日

東京弁護士会 会長 安井 規雄

 在日米軍は、2018年4月3日、空軍の輸送機CV-22オスプレイ5機を今夏頃までに横田基地に配備し、今後数年間で段階的にオスプレイ計10機と要員約450人を配備すると発表した。同月5日、CV-22オスプレイ5機が同基地に到着した。
 当会は、日米両政府に対して、横田基地へのオスプレイの配備の撤回及び普天間飛行場からのオスプレイの撤去と日本国内におけるオスプレイの飛行の全面中止を求める。

1 米軍は、2017年後半にオスプレイ3機を横田基地に配備するとしていた計画を、2019年10月から20年9月に延期すると発表していたが、東アジア情勢への対応などから予定を前倒ししたものとみられている。この配備計画の変更について、日本政府は今年3月半ばには米国政府から通報を受けていたにもかかわらず、同年4月3日まで公表や横田基地の周辺自治体への説明を行っていなかった。

2 当会は、2015年5月22日付「横田飛行場へのCV-22オスプレイの配備の中止を求める会長声明」において、日米両政府に対して、横田基地へのオスプレイの配備計画の中止及び普天間飛行場からのオスプレイの撤去と日本国内の領土におけるオスプレイの飛行の全面的中止を求めた。

3 前記会長声明でも指摘したとおり、オスプレイは開発段階から重大事故を繰り返している。国内では、2016年12月13日、普天間飛行場所属のオスプレイが沖縄県名護市安部の沿岸に墜落し、岩礁上で機体が大破した事故は記憶に新しい。海外でも、同年8月5日、在沖縄米海兵隊所属のオスプレイがオーストラリア東部沖に墜落して隊員3人が死亡する事故が発生した。これを受けてオスプレイの佐賀空港への配備が見送られた経緯がある。また、同年9月29日、「イスラム国」(IS)の掃討作戦を遂行中にオスプレイがシリアで墜落し、乗員2人が負傷している。
 そして、2017年6月には普天間飛行場所属のオスプレイが伊江島補助飛行場と奄美空港に相次いで緊急着陸、同年8月には岩国基地から普天間飛行場に向かう途中の同オスプレイがエンジントラブルにより機体から白煙と炎を上げ大分空港に緊急着陸、同年9月にはエンジンオイルの漏れにより同オスプレイ2機が相次いで新石垣空港に緊急着陸した。さらに、今年2月9日には沖縄県うるま市伊計島で同オスプレイから落下したエンジンの空気取入れ口のカバーが見つかった。
 以上のように、オスプレイを巡る深刻な事故やトラブルが相次ぐなかで、「MV-22と機体構造及び基本性能(エンジン、飛行システムの基礎)が同一」とされるCV-22オスプレイを人口密集地域にある横田基地に配備されることは、周辺住民の生命・身体等を重大な危険にさらすことになる。現に、普天間飛行場にMV-22オスプレイが配備される前の2012年4月時点と比べて、2017年9月末時点の一定飛行時間当たりの重大事故発生率が1.7倍に上昇したことが、防衛省より明らかにされている。

4 CV-22オスプレイは、米軍特殊作戦部隊の輸送を主な任務としており、夜間・低空飛行訓練を行うことが想定されている。既に普天間飛行場では日米間で合意した運用ルールや騒音防止協定に違反する飛行訓練が多数目撃されているところであり、横田基地周辺においても夜間・低空を含むオスプレイの飛行訓練が実施される場合、周辺住民の生活により甚大な被害を生じさせることが懸念される。
 また、日本政府が意図する「即応態勢整備の一環」や「日米同盟の抑止力・対処力を向上」、並びに横田基地にオスプレイを配備する目的の一つである「運用や訓練上のニーズ」を考慮すれば、CV-22オスプレイは、訓練のために横田基地から嘉手納基地、伊江島飛行場及び高江ヘリパッド等に飛来する可能性があり、沖縄への飛来回数が増加し、沖縄県に対してさらなる深刻な負担を強いることが憂慮される。

5 オスプレイ配備は、米軍基地周辺をはじめ米軍基地や飛行ルート周辺住民の生命・身体等に対する重大な侵害の危険を生じさせるものであって、憲法が保障する幸福追求権(13条)を侵害し、平和のうちに生存する権利(憲法前文、9条、13条等)の精神にも反するものであるから、日本政府の周辺自治体・住民に対する具体的な説明もないままに、米国政府が計画を一方的に前倒ししてCV-22オスプレイを横田基地に配備することは到底容認できない。
 よって、当会は、日米両政府に対して、横田基地へのオスプレイの配備の撤回及び普天間飛行場からのオスプレイの撤去と日本国内におけるオスプレイの飛行の全面中止を求めるものである。

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