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悪臭

悪臭を規制するのは悪臭防止法です。この法律は、悪臭の規制の方法として、嗅覚測定法(人の嗅覚を用いて規制する方法)と機器分析法(悪臭の原因となる物質を指定し、その物質の空気中の濃度についての基準を設けて規制する方法)の2種類を採用していることが特色です。この2種類の方法については、都道府県知事の指定により、地域ごとにどちらか一方が採用されることになっており、ある地域について2種類の規制方法が重複して適用されることはありません。但し、悪臭防止法とは別に、地方公共団体が条例により悪臭の規制を行なっているときには、ある地域において両方の方法による規制が行なわれることがありえます。

なお、悪臭については、騒音のような環境基本法に基づく環境基準というものはありません。

機器分析法による規制について、現在は22の物質が規制対象となっており、これらは「特定悪臭物質」と呼ばれます。この中でわたしたちになじみの深い物質としては、アンモニアや硫化水素があります。

Q&A 多くの方々から頂く代表的なご質問

人の嗅覚による悪臭の規制とは、どんな方法ですか?

悪臭防止法が採用しているのは、三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)と呼ばれる方法で、次のようなものです。

6人以上のパネル(においの有無を判定する人)に、それぞれ3つのプラスチック製の臭袋が用意され、そのうちの1つに臭気を測定したい試料、残りの2つには無臭の空気が充たされます。各パネルは、3つの臭袋の中身を嗅ぎ、どの袋ににおいが入っているかを当てます。パネルが正解した場合には、試料を無臭の空気で薄め、再度、同じテストを行います。

試料が入っている袋をパネルが嗅ぎ当てられなくなるまで空気で薄め、そのときの希釈倍数(何倍に薄めたか)を求めます。それを全パネルについて平均したものを臭気濃度といい、臭気濃度に数学的な処理を行なって算出した臭気指数という指標によって、悪臭の規制を行います。

この方法は、悪臭の原因である物質を問わずに(従って、複数の物質が原因となって発生する悪臭も含め)一般的に悪臭を規制する点で、機器分析法と異なります。