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雇い止め

「雇い止め」(更新拒絶)とは、有期雇用契約において、雇用期間を更新せずに契約を終了させることをいいます。有期雇用契約は、雇用期間を定めた契約ですから、期間が満了すれば終了するのが原則です。
しかし、複数回にわたって更新が繰り返され、雇用期間も長期に及んでいるときは、実質的に期間の定めがない雇用契約と変わらず、労働者も更新されるとの期待を抱くでしょう。
また、有期雇用契約そのものが、解雇を例外的にしか認めない制度の抜け穴的に利用されることも少なくなく、無制約に雇い止めを認めることは、有期雇用労働者の生活を著しく不安定なものにする恐れがあります。
そこで、雇い止めも一定の場合は「解雇」と同様に扱い、不合理な雇い止めは無効となる場合があると考えられています。

Q&A 多くの方々から頂く代表的なご質問

私どもの会社では、正社員として期間の定めなく採用されている者と契約社員として期間の定めをして採用している者がおります。近頃「雇い止め」に対する規制が話題に上っていますが、どのような「雇い止め」が許されないのか、明確な基準はあるのでしょうか?

いわゆる雇止めとは、期間の定めのある労働者の雇用契約を、期間満了により打ち切ることであり、正社員として期間の定めなく採用されている者ではなく、契約社員として期間の定めをして採用されている者について問題となります。
契約期間が定められている以上、契約期間の満了に従って雇用契約が終了するのが原則です。
しかし、期間の定めのない契約と同視できる場合や、雇用継続に対する合理的な期待がある場合には、契約の継続を認めて労働者を保護する必要性があることから、使用者としては、客観的合理的な理由があり、社会通念上相当でなければ、労働者の再契約の申込みを拒絶できません(労働契約法19条)。
どのような場合に再契約の申込が拒絶できないかは、弁護士に相談されると良いでしょう。

また、平成25年4月1日以降に開始した有期雇用契約 について、当初の契約時から5年を超えた場合には、次の契約更新のときに、労働者の申込みにより期間の定めのない雇用契約への変更を求めることが出来ます(労働契約法18条)。5年に近づく時期の契約において、次回は再契約をしない旨の条項を入れるケースもありますが、当該条項を入れた書面に労働者がサインをしたからといって、それだけで直ちに再契約が認められなくなるわけではなく、上記の労働契約法19条の要件を満たす場合には再契約が成立する場合もあります。