東京弁護士会

労働に関しての質問

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「労働」に関しての質問一覧
仕事から帰る途中、妻に頼まれて食料品を買いにスーパーに立ち寄ろうとしましたが、その途中で交通事故に遭い、大けがをしてしまいました。このような場合も労災保険給付の対象になるのでしょうか?
私どもの会社では、正社員採用と契約社員採用があります。近頃「雇い止め」に対する規制が話題に上っていますが、どのような「雇い止め」が許されないのか、明確な基準はあるのでしょうか?
私は、突然会社の上司から、「会社の経営が厳しいので、来月末日限りで君を解雇する」と言われました。しかし、私のほかに同じ理由で解雇となる者はなく、私自身も業績不振などの負い目はありません。そのため、経営不振という理由には納得できません。
ある企業から内定をいただきましたが、卒業目前に、突然内定を取り消すとの書面が送られてきました。その理由は「入社後の勤務に不適当と認められる」からとありますが、何が不適当なのか書かれていません。この企業に対して、なにか対抗できることはないのでしょうか?
私は、担当業務の都合上、毎月約40時間は残業をせざるを得ない状況にありますが、会社は、一律に残業手当を支払っているからそれ以上の残業代は支払わないと言っています。他の社員の中には、年俸制を理由に残業代の支払を断られた者もいるようです。これは正しいのでしょうか?

仕事から帰る途中、妻に頼まれて食料品を買いにスーパーに立ち寄ろうとしましたが、その途中で交通事故に遭い、大けがをしてしまいました。このような場合も労災保険給付の対象になるのでしょうか?

通勤途中の事故は、必ずしも業務上の災害ではありませんが、業務に従事することと密接不可分な関係にあるため、現在では労災保険給付の対象となっています。ただし、補償の対象となるのは、勤務地と住居を結ぶ合理的な経路上での事故に限られます。寄り道をして通常の通勤路から外れたところで事故に遭った場合には補償の対象とならない場合があります。ただ、日用品の購入など、一定の日常生活上必要な行為をなす上での事故の場合は、例外的に補償の対象になるものとされています。

私どもの会社では、正社員採用と契約社員採用があります。近頃「雇い止め」に対する規制が話題に上っていますが、どのような「雇い止め」が許されないのか、明確な基準はあるのでしょうか?

現在のところ、定型的な判断基準が策定されるには至っておらず、事案毎に具体的に検討する必要があります。なお、裁判例には、臨時工の事案で、複数回にわたって契約が更新され、勤務内容が本工と差異がなく、採用に際して会社側から長期雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、更新手続が形式化していたという場合に、解雇に準じて雇い止めの効力を判断すべきとしたものがあり、現在の基本指針となっています。
労働基準局作成の次の事業者向けパンフレットも参考にしてください。
「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」

私は、突然会社の上司から、「会社の経営が厳しいので、来月末日限りで君を解雇する」と言われました。しかし、私のほかに同じ理由で解雇となる者はなく、私自身も業績不振などの負い目はありません。そのため、経営不振という理由には納得できません。

いわゆる「整理解雇」に関する問題です。整理解雇とは、業績不振の会社等が、経費削減のため、あるいは不採算部門閉鎖に伴って行われる人員削減のことを指します。この場合は、労働者側に特に非がないことから、人員削減が真に必要か、解雇以外の努力を尽くしたか、解雇者対象者の選定基準は合理的か、労働者に対する事前の説明・協議を尽くしたか等の観点からその合法性が判断されます。上記の各視点から、解雇が有効か争うべきだと思われます。

ある企業から内定をいただきましたが、卒業目前に、突然内定を取り消すとの書面が送られてきました。その理由は「入社後の勤務に不適当と認められる」からとありますが、何が不適当なのか書かれていません。この企業に対して、なにか対抗できることはないのでしょうか?

判例によれば、内定から就労開始までの間であっても「誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解除権を留保した労働契約」が成立しているものとされています。誓約書の取消事由には「その他入社後の勤務に不適当と認められること」といった記載がよく見られます。これに当たる事由としては、内定後に重大犯罪で処罰された場合や、内定後の事故で会社の努力では補えないほどの障害を負い、就労が困難となった場合などが挙げられます。
そのような事由がない場合、会社に対して明確な回答を求めるべきですし、当面の就労の機会を確保するために地位保全の仮処分等を検討したほうがよいでしょう。

私は、担当業務の都合上、毎月約40時間は残業をせざるを得ない状況にありますが、会社は、一律に残業手当を支払っているからそれ以上の残業代は支払わないと言っています。他の社員の中には、年俸制を理由に残業代の支払を断られた者もいるようです。これは正しいのでしょうか?

割増賃金の計算は大変複雑で労力を要しますから、予想される残業時間相当の割増賃金を予め残業手当として支払う例は多く見られます。しかし、実際の残業時間が想定された残業時間を超えた場合は、その差額について別途割増賃金を支払う必要があります。
また、年俸制の場合であっても、労働基準法上の例外(管理監督者にあたる場合、みなし労働時間制を導入している場合等)に該当しない限り、その年俸制自体が不適法となる場合があり、その場合は、原則どおりに割増賃金を計算し、年俸との差額を請求することができます。