東京弁護士会
非弁提携弁護士対策本部

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解決事例、成功事例などとして、シミュレーションや机上事例といった実際に取り扱った事例でないものを表示するのは違反広告です。

実際に取り扱った事例でないものを、弁護士または弁護士法人の広告に、「解決事例」、「成功事例」などとして表示している会員は、直ちにその表示を見直してください。

例えば、「交通事故損害賠償解決事例」などとして、「保険会社提案の2.5倍の損害賠償金を得た」、などと、通常では考えにくい(実際の取扱事例ではなく架空のシミュレーションに過ぎない)「成功事例」を多数紹介する、といったことです。
このような架空の解決事例が掲載された広告は、事実に合致しない広告であり、日弁連「弁護士の業務広告に関する規程」第3条第1号に該当し、違反広告となります。

広告が日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」第3条第1号に合致する(事実に合致しない)疑いがあるとき、弁護士会は、広告をした所属弁護士に対して、広告内容が事実に合致していることを証明することを求めることができます(同規程第12条第3項)。そして、広告をした弁護士が広告内容につき事実に合致していることを証明できなかったとき、弁護士会は、当該広告が同規程第3条第1号に該当するものとみなすことができるとされています(同規程第12条第4項)。
このため、解決事例などを表示する場合は、その事件記録を保管し、弁護士会から記録の提出を求められた場合に、これに応じられるようにしておく必要があります。

なお、解決事例等として過去に取り扱った事例を表示する広告は、守秘義務との関係から、以下のいずれかの場合にしか許されませんので注意が必要です(同規程第4条第4号)。
1 依頼者の書面による同意がある場合
2 広く一般に知られている事件
3 依頼者が特定されない場合で、かつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合

弁護士会は、違反広告をした所属弁護士に対し、以下のような措置をします(同規程第12条第5項、第6項)。
1 違反行為の中止命令、排除命令等
2 違反行為に対する措置に関する公表(当該弁護士が中止命令等に従わない場合又は当該行為の中止若しくは排除が困難な場合で、当該行為による被害発生防止のため特に必要があるとき)

弁護士会による措置の公表は、弁護士会のウェブサイトに掲載する等の方法で行われます(日弁連「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する指針」第9第5項)。さらに、弁護士会は、所属弁護士に懲戒事由があるとみられる場合は、綱紀委員会に対する調査命令(会立件)をする場合もあります。

事実に合致しない広告は、会員が故意に虚偽の事実を広告に記載して市民の判断を誤らせるものとして、問題が多いので、会員の皆さん、気を付けてください。

【参考条文】 <日本弁護士連合会/弁護士等の業務広告に関する規程>

(禁止される広告)
第3条 弁護士等は、次に掲げる広告をすることができない。
1 事実に合致していない広告
(表示できない広告事項)
第4条 弁護士等は、次に掲げる事項を表示した広告をすることができない。
4 過去に取り扱い、又は関与した事件。ただし、依頼者の書面による同意がある場合及び広く一般に知られている事件又は依頼者が特定されない場合で、かつ、依頼者の利益を損なうおそれがない場合を除く。
(違反行為の排除等)
第12条 弁護士会は、所属の弁護士等に対し、必要があると認めるときは、前条に規定する記録等の提出を求め、その他広告に関する調査を行うことができる。
3 広告が第三条第一号に該当する疑いがあるときは、弁護士会は、広告をした所属の弁護士等に対して、広告内容が事実に合致していることを証明するよう求めることができる。
4 前項の場合において広告をした弁護士又は弁護士法人が広告内容につき事実に合致していることを証明できなかったときは、弁護士会は、当該広告が第三条第一号に該当するものとみなすことができる。
5 弁護士会は、この規程に違反した所属の弁護士等に対し、違反行為の中止、排除その他の必要な事項を命じ、又は再発防止のための必要な措置を採らなければならない。この場合において、弁護士会は、当該弁護士又は弁護士法人に対し、弁明の機会を与えなければならない。
6 弁護士会は、この規程に違反した所属の弁護士若しくは弁護士法人が前項に規定する命令その他の措置に従わない場合又は当該行為の中止若しくは排除が困難な場合において、当該行為による被害発生防止のため特に必要があるときは、弁護士会が前項に規定する命令その他の措置を採った事実及び理由の要旨を公表することができる。

<日本弁護士連合会/弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する指針>

第9 規程第12条の違反行為の排除等
5 規程第12条第6項―違反行為に対する措置に関する公表
(1) 趣旨
 規程第12条第6項が規程に違反した弁護士等が同条第5項の命令その他の措置に従わない場合又は当該行為の中止若しくは排除が困難な場合において当該命令その他の措置を採った事実及び理由の要旨を公表することができることとしたのは、当該違反広告による被害発生の防止を図るためである。
(2)中止若しくは排除が困難な場合
 規程第12条第6項の「当該行為の中止若しくは排除が困難な場合」とは、例えば電話帳広告のように、既に広告が広範囲に配布されていてその中止又は排除が事実上不可能であるとき等をいう。
(3)被害発生防止のため特に必要があるとき
 規程第12条第6項の「当該行為による被害発生防止のため特に必要があるとき」とは、当該広告による被害が発生することが予想され、これを放置できない事態が生じた場合等をいう。
(4)公表の方法
 規程第12条第6項の規定により行う公表の方法は、例えば弁護士会のホームページに掲載する等適宜の方法により行うものとする。

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