高齢者
ご高齢の方が簡単に相談ができる環境を整えています
高齢者とは65歳以上の人を言うのが一般的ですが、その数は全国で約2,900万人。東京には、約250万人以上の方が住んでいて、人口の2割以上を占めています。
長い人生の中では、様々な問題が生じます。
認知症になって、判断能力が低下したらどうしたらいいのか?それに備える老後の生活設計としての成年後見制度(法定後見、任意後見)を検討してみてはいかがでしょう?
「お世話になったあの人に財産をあげたい」「障がいを持つ子どもに家を残したい」「NPOに寄付したい」などなどの希望がある方も多いでしょう。相続人は誰になるのか、遺言を作成したほうがいいのか...相続・遺言の問題も特に高齢者にとって重要な問題です。
また、アパート経営をしていて財産関係が複雑、あるいは、一人暮らしで近くに頼れる親族がおらず、入院した場合の財産管理が心配といった場合には、弁護士に財産管理を依頼することもできます。
2006年4月から高齢者虐待防止法が施行されていますが、同居家族や施設での高齢者虐待は、なかなか表面化しにくく、今も深刻な問題です。その人を巡る人間関係や財産関係、過去から現在までの家族関係、今後の生活の希望、などの複雑な要因がからみあい、解決に困難を要する場合も多いものです。
弁護士は、行政や福祉関係者とも連携し、問題解決にあたります。
高齢者の消費者被害もなかなかなくなりません。一人暮らしも含め、高齢者のみの世帯も増加しており、親切そうに近づいて、高齢者を食い物にする悪徳業者はなかなか跡を絶ちません。しかし消費者被害を救済する法制度もいろいろとあります。
まずは弁護士に相談してみてください。
弁護士と共に安心できる現在と未来を、考えてみませんか?
- 「高齢者」に関しての質問一覧
- 認知症の母の持ち物の中に、去年から社債投資をしている旨の記載がありました。でも去年には、母には記憶力も判断力もほとんどなかったので、細かい状況は分かりませんが、何とかなりませんか?
- 認知症の父がオプション投資を継続すると言って聞きません。なんとかやめさせる方法はないでしょうか?
- 母は認知症ですが、しばらく前、未公開株に投資していたようです。取り戻すことはできますか?
- 今後、さらに投資被害や訪問販売等による被害を受けないようにする方法はありますか?
- 私は、2年前、夫に先立たれて一人暮らしをしています。子どももおらず、兄弟も遠くに住んでいるので、頼れません。一人暮らしが難しくなったら、有料老人ホームに入ろうと思っていますが、その場合、預金通帳の保管や費用の支払などを誰がやるのか心配です。
- 財産管理を依頼するといくらくらい費用がかかりますか?
- ホームロイヤーというのは聞いたことがないのですが、どういう意味ですか?
- ホームロイヤーには何でも相談していいのでしょうか?どうやって相談するのですか?
- 相談した件が、訴訟になってしまいましたが、それもホームロイヤーにやってもらえるのですか?
- ホームロイヤーの費用はどのくらいかかりますか?
- ホームロイヤーと任意後見契約を一緒に利用することもできるのですか?
- 後見開始の審判が出されるまで期間がありますが、その期間の財産管理はどうしたらよいでしょうか?
- 成年後見制度は、高齢者虐待に対して、どのような効果がありますか?
- 市区町村及び地域包括支援センターは、高齢者虐待に対して、どのように対応するのですか?
- 地域包括支援センターは、どのようなことをしてくれるのですか?
- 高齢者虐待の疑いがあるケースを発見したときは、どうしたらよいでしょうか?
- 近所のご高齢の方が、食事も満足に取れておらず、健康状態が非常に悪そうです。どうやら、一緒に住んでいる息子さんに年金を取られてしまっているようです。何か、私にできることはありますか?
- 私は賃貸アパートを持っているのですが、不動産業者とのやりとりが億劫になってきました。弁護士に、私の財産管理をしてもらうことは可能でしょうか?
認知症の母の持ち物の中に、去年から社債投資をしている旨の記載がありました。でも去年には、母には記憶力も判断力もほとんどなかったので、細かい状況は分かりませんが、何とかなりませんか?
かかりつけの医師や介護サービスを受けている場合、取引当時に記憶力や判断力がほとんどなかったことをある程度証明できる可能性があるため、証券会社に損害賠償請求訴訟を提起するなどして取引によって被った損害の回復ができるかもしれません。
認知症の父がオプション投資を継続すると言って聞きません。なんとかやめさせる方法はないでしょうか?
本人に判断力があり、自分の意思で投資をしているのであれば、本人を説得するほかありません。認知症の症状があり、財産管理能力がない旨の診断をする医師がいる場合には、裁判所に申立てをして成年後見人等を選任し、成年後見人等の判断により投資を中断させることができる可能性があります。
母は認知症ですが、しばらく前、未公開株に投資していたようです。取り戻すことはできますか?
投資した金銭を取り戻すには、訴訟が必要な場合が多いと思われます。なんとか取り戻して欲しいという程度の意思が明確ならば、訴訟提起は可能でしょう。
また、重症の認知症でほとんど何も分からない場合、家庭裁判所への成年後見開始の審判の申立てと、審判前保全で対処することが考えられます。いつどこに投資したのか等がどの程度明確か、株を売った者に資力があるかが問題になります。
成年後見制度については、「成年後見制度とはどのような制度ですか?」、審判前保全については、Q12「後見開始の審判が出されるまで期間がありますが、その期間の財産管理はどうしたらよいでしょうか?」をご覧下さい。
今後、さらに投資被害や訪問販売等による被害を受けないようにする方法はありますか?
まず、様々な人で高齢者を見守る体制をつくることが重要です。
弁護士を利用して、ホームロイヤー契約を締結して財産管理をしてもらう、成年後見制度を利用して確実な第三者に財産管理をしてもらう方法もあります。
また、日常生活に必要のない現金を持たないために、社会福祉協議会が実施している日常生活自立支援事業を利用することも考えられます。
ホームロイヤーについてはQ7をご覧下さい。
私は、2年前、夫に先立たれて一人暮らしをしています。子どももおらず、兄弟も遠くに住んでいるので、頼れません。一人暮らしが難しくなったら、有料老人ホームに入ろうと思っていますが、その場合、預金通帳の保管や費用の支払などを誰がやるのか心配です。
東京弁護士会が運営している高齢者・障がい者総合支援センター(オアシス)で、あなたに代わって財産管理をする弁護士をご紹介します。弁護士と財産管理契約を結び、通帳などを弁護士が保管し、必要な費用を支出していくことができます。あなたは、半年に1回程度、弁護士から報告を受けます。同時に、オアシスが担当委員として選任している別の弁護士とオアシス双方にも、報告をすることを義務付けています。このように、オアシスでは、弁護士による財産管理が適切に行われるように監督をしています。
財産管理を依頼するといくらくらい費用がかかりますか?
まず最初に、相談を受けて、あなたの意向や生活状況を確認した上で、不動産の登記簿謄本を取ったり、銀行預金の通帳を確認したりして、現在の財産状況や今後の財産の使用方法などを調査・確定します。そうした調査手数料として、事案にもよりますが、20万円程度かかるのが一般的です。
さらに、財産管理を開始した後については、月額で管理料を定めます。この額も、事案によりますが、3万円から5万円くらいが、多いといえます。収益物件の管理などが加わると、もう少し多額になる場合もあります。
ホームロイヤーというのは聞いたことがないのですが、どういう意味ですか?
ホームドクターというのは、かかりつけのお医者さんですね。そこから、個人で、いつも相談できる弁護士(ロイヤー)という意味合いです。これまで、顧問弁護士というと企業が使うというイメージでしたが、個人であっても法的課題は多々あります。個人の顧問弁護士として、常日頃から何でも相談できる弁護士を持っていると心強いと思います。
ホームロイヤーには何でも相談していいのでしょうか?どうやって相談するのですか?
まずは、ホームロイヤー契約を締結します。その際に、どのく相談方法や頻度などを担当の弁護士と話し合って決めてください。多くは、月に1回、主に電話で、法律相談をする、というものが多いです。
相談した件が、訴訟になってしまいましたが、それもホームロイヤーにやってもらえるのですか?
訴訟対応を、ホームロイヤーに委任することは、もちろんできますが、その場合には別途弁護士報酬が必要です。
ホームロイヤーの費用はどのくらいかかりますか?
契約内容によりますが、前問の場合ですと、大体1万1千円(消費税込)くらいが一般的です。
ホームロイヤーと任意後見契約を一緒に利用することもできるのですか?
はい。将来の判断能力の低下に備え、任意後見契約を弁護士と締結した場合、同契約の発効までに時間がかかります。それまでに、ホームロイヤー契約を締結して、弁護士に日常的な相談をしておくと、あなたの意思・希望・生活状況が弁護士によく伝わり、将来の任意後見人としての活動がやりやすくなります。また、任意後見契約を発効させるべき時期に、適切に任意後見監督人選任を申し立てることができます。
後見開始の審判が出されるまで期間がありますが、その期間の財産管理はどうしたらよいでしょうか?
審判前の保全処分という手続きがあり、例えば、高齢者の財産管理をする財産管理者を選任する仮の処分をとることにより、財産管理者に、後見開始の審判までの間、高齢者の財産を管理してもらうことができます。特に経済的虐待を防止するのに効果があります。
成年後見制度は、高齢者虐待に対して、どのような効果がありますか?
高齢者虐待には、主に、高齢者の心身を傷つける身体的虐待と、高齢者本人の意思に反して財産を不当に処分したり、高齢者本人が希望しているにもかかわらず金銭の使用を制限したりする経済的虐待があります。成年後見人には財産管理権限があるので、成年後見人が財産を管理することで、経済的虐待を防止することができます。
また、成年後見人にとって身上監護も重要な業務であり、虐待を受けている高齢者を安全な施設に入居させるなどして、身体的虐待等を防止することもできます。
市区町村及び地域包括支援センターは、高齢者虐待に対して、どのように対応するのですか?
通報等で虐待の可能性を把握した場合、まずは、安全確認及び現に虐待の被害を受けているかどうかの事実確認のための措置をとります。
次に、虐待が認められる場合には、虐待防止に必要な措置をとることになります。具体的には、市区町村や地域包括支援センターが、事案に応じて高齢者虐待対応協力者や弁護士等の専門職、警察と連携し、治療のための入院や保護のための施設入所等を含む適切な措置をとります。
他方、市区町村は、養護者に対して相談・指導及び助言等養護者の負担を軽減するために必要な措置をとります。
地域包括支援センターは、どのようなことをしてくれるのですか?
高齢者とその関係者が介護・医療・保険・福祉などの生活上の困りごとがある際に支援を行う相談窓口で、高齢者等が地域で自立した生活を営むことができるように支援します。
支援内容は、介護保険法に定められており、介護予防等の事業に加えて、虐待防止などの権利擁護事業も行います。
高齢者虐待の疑いがあるケースを発見したときは、どうしたらよいでしょうか?
市区町村の地域包括支援センターに通報・相談するか、もしくは、弁護士に相談してください。東京弁護士会が運営している高齢者・障がい者総合支援センター(オアシス)では、高齢者虐待に関する相談にも対応しています。虐待によって紛争が生じてしまった場合などには、オアシスの弁護士が紛争解決を受任します。
近所のご高齢の方が、食事も満足に取れておらず、健康状態が非常に悪そうです。どうやら、一緒に住んでいる息子さんに年金を取られてしまっているようです。何か、私にできることはありますか?
電話相談窓口で、弁護士にご相談ください。もしくは、地域の包括支援センター、民生委員、区市町村役場の高齢者担当に連絡をしてください。必要に応じて、施設入所の手続や成年後見人選任等の手続きが取られることになります。
私は賃貸アパートを持っているのですが、不動産業者とのやりとりが億劫になってきました。弁護士に、私の財産管理をしてもらうことは可能でしょうか?
東京弁護士会では、高齢者のために安心出来る財産管理システムを提供しています。まずは、一度、お電話でご相談ください。
東京弁護士会 高齢者・障がい者総合支援センター(オアシス)