底地を相続した場合どうする?
Q
父が亡くなり、他人に貸している土地(底地)を相続することになりました。借地人が建物を建てて住んでいるようですが、この土地は自由に売ったり使ったりできないと聞きました。どのように対応すればよいでしょうか?
A
底地とは、借地権が設定された土地の所有権のことです。借地人が建物を所有・使用している以上、底地の所有者は土地を自由に利用・処分することができず、地代を受け取ることが主な収益源となります。借地借家法によって借地人は強く保護されているため、底地の流動性は極めて低く、一般の不動産より売却が難しい財産です。
まず行うべきは、底地の経済的価値の把握です。相続税評価額と実際の市場価値は大きく乖離することが多いため、不動産鑑定士による鑑定、または不動産会社の査定を利用して現実的な価値を確認してください。遺産分割の場面では、この評価額を相続人間で共有することが協議進展の前提となります。
処分を検討する場合、最も実現性が高い方法の一つは借地人への売却です。借地人にとっては底地を取得することで完全な所有権を得られるメリットがあり、交渉に応じてもらいやすい傾向があります。専門家の同席のもと、地代の未収分・測量費用の負担・売買代金の支払条件等を明確にした契約書を準備して進めてください。
借地人との関係が良好でない場合や地代の支払いが滞っている場合は、借地契約書・覚書・地代支払履歴を整理し、法的権利関係を正確に把握することから始めます。借地契約の解除を検討する場合には、単なる債務不履行があるだけでは足りず、当事者間の「信頼関係の破壊」と認められる程度の事情が必要とされています(最判昭和39年7月28日・民集18巻6号1220頁等)。地代不払いの回数・期間・催告の有無・履行意思の存否などを総合的に判断されるため、記録の整理と立証の準備が重要です。早期に弁護士に相談することをお勧めします。
文責:弁護士 板橋 晃平
