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特許

様々な法則や技術の利用、あるいはこれらの組み合わせから、優れた新技術が発見されるときがあります。このように発見された高度かつ進歩的なアイデアのことを「発明」といい、発明者に与えられた発明を利用(実施)する権利のことを特許権といいます。
特許発明の典型例は、製品に組み込まれた最新技術などですが、コンピュータのプログラムやビジネスの方法について特許発明が認められる場合もあります。特許権者は、特許発明を実施できる者を制限することができるので、特許発明の生み出す利益を独占することができます。
もっとも、特許権は発明をすれば直ちに認められるものではなく、所定の手続に従って特許庁に出願する必要があります。

Q&A 多くの方々から頂く代表的なご質問

先日、X社から、当社の製造している製品がX社の特許権を侵害しているとして、製造の差止めを求められました。しかし、当社は何十年も前からその技術を利用しており、寝耳に水の要求に困っています。

特許権は、特許発明の独占的利用を認める権利ですから、特許権者の許諾なくその特許発明を実施することはできないのが原則です。しかしながら、当該特許の出願前からその技術を実施している者まで、たまたま出願をしていない、あるいは出願が遅れたからといって一切その技術の実施を禁止されるのは不合理です。そこで、このような場合には、一定の条件の下で、従来実施しているその技術を引き続き実施することが認められています(先使用による通常実施権、特許法79条)。

当社は、Y社に対して、Y社製品が当社の特許権を侵害しているとしてライセンス交渉を求める書面を送付いたしましたが、Y社からは、当社特許に係る発明は従来技術と同一であり、無効であるとして、ライセンス交渉には応じられないとする反論がなされました。どのように対応すればよいでしょうか。

一旦、特許として認められた発明でも、従来技術と同一である場合には、新規性の欠如を理由として当該特許は無効理由を有します。もっとも、貴社特許に係る発明を開示する特許公報の記載に従来技術との差別化を図ることのできる構成が含まれている場合には、この構成を追加することを内容とした訂正審判を特許庁に請求することによって(特許法126条1項)、当該従来技術により新規性が欠如しないように特許権の権利範囲を修正することができます。

当社は、現在、X社保有の特許技術を採用したX社商品を分解して、同様の機能を有する試作品を社内で製造し、この機能をさらに改良した当社新商品の開発に向けた研究開発を行っております。外部に販売することはありませんが、X社保有の特許技術の評価を目的とするX社商品と同様の機能を有する試作品の製造についてX社からライセンスを受ける必要はありますか。

特許権者は、特許発明を独占的に実施することができ、第三者は特許権者からライセンスを受けることなく、これを実施することは許されません。もっとも、産業の発達という特許法の目的(特許法1条)にも合致する、試験または研究のためにする特許発明の実施は例外的に特許権の効力が及ばないものとされておりますので(特許法69条1項)、X社からライセンスを受ける必要はありません。

当社は、共同研究の相手方と持ち分を2分の1ずつとする共有特許権を取得しました。当社は、相手方の同意を得ることなく、この共有特許権に係る発明を実施することはできますか。

共有特許権の特許権者は、他の共有者の同意を得ることなく、共有特許権に係る発明を実施することができます(特許法73条2項)。もっとも、共同研究契約または共同出願契約などにおいて、当該共有特許権に係る発明を実施する場合、他の共有者への金銭的な支払いを条件とすることが定められていることもありますので、契約書を確認することが必要となります。

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