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交通事故被害

交通事故被害者の救済に尽力します。

koutsuujiko.jpg交通事故は人生を一気に暗転させます。しかも、誰でも被害者になる可能性があります。加害者側の多くは任意保険に入っており、保険会社の担当者や顧問弁護士がカバーしてくれますが、他方被害者側にはそのような援助はないことが大半です。
弁護士会では、こうした交通事故の被害者のために専門弁護士を配置して、交通事故被害者の救済に尽力しています。

「交通事故被害」に関しての質問一覧
交通事故を起こした場合どのような責任を負担しますか?
私はバイクを運転していて通行人に軽い怪我をさせてしまいました。幸い、被害者は示談に応じてくれました。私にはもう何も責任はないでしょうか?
私は、交通事故にあいましたが、かすり傷程度の軽い怪我でしたし加害者もしきりに謝るので、何もしないで帰宅しました。数日後そのときの打ったところが痛んできました。この様な時にはどうすべきだったのでしょうか?
父が交通事故で死亡しました。相続人は、母と私と妹です。父には身障者の妹があり父が同居し面倒を見てきました。交通事故の損害賠償を請求できるのは誰でしょうか?
私の夫は、交通事故で死亡しましたが私は妊娠8ヶ月です。おなかの子にも損害賠償の請求権がありますか?
私は主婦ですが、1日2~3時間のパ-トタイムをしています。交通事故にあって、家事労働も出来なくなり、2~3ヶ月ほど家事のヘルパーを頼みました。この様な場合に休業補償を請求できますか?
私は交通事故の怪我が治ったので、示談をしたいのですが、示談とはどんな効果があるのでしょうか。もしこの事故の後遺症が生じたら示談後でも改めて損害賠償の請求ができますか?
私は、2歳の子を連れて商店街に買い物に行ったところ、品物を選んでいて目を離した隙に、子供が自動車にはねられ大けがをしました。損害賠償の話し合いで、加害者は私の不注意で事故が起こったからと言って賠償の支払に応じないのですが、親の不注意が子供の損害賠償請求に関係するのでしょうか?
私は駅へ行こうと道でタクシーを待っていて、車で通りかかった知人に好意で、同乗させてもらったところ、知人の不注意でその車がガードレールに衝突し、私も受傷しました。知人に対して請求できる損害賠償は、タクシーに請求できる場合と違うのでしょうか?
私はとても車が好きで、生活費を切りつめて高級外車に乗っていますが、相手の過失で衝突されて、修理に2週間かかるが、同等の外車のレンタル料を代車料金として損害賠償請求できますか?
自賠責保険に入っていない車両はありますか?その場合は補償は受けられないのですか?
任意保険と自賠責保険の関係はどうなっていますか?
後遺障害はいつ、どのように決まるのでしょうか?
主婦の逸失利益はどのように定めるのですか?
被害者が死亡した場合、死亡慰謝料は誰が請求できるのですか?

交通事故を起こした場合どのような責任を負担しますか?

加害者は、刑事、民事及び行政法上の責任を負います。これらは別個に課せられます。ここでは民事上の責任について述べますと、加害者に過失がある場合は被害者に生じた種々の損害を賠償する必要があります。その内容は積極損害として、治療費・通院交通費、入院の諸雑費等、死亡の場合は葬儀費用等があります。消極的損害として、休業損害・後遺症の逸失利益、死亡による逸失利益等があります。また、精神的な損害として、慰謝料、物損に対しては車や物の修理費用や代車費用等があります。また、あなた自身が運転していなくても従業員が仕事に関連して運転中事故を起こしたときには、使用者としてあなたにも賠償責任が生じます。

私はバイクを運転していて通行人に軽い怪我をさせてしまいました。幸い、被害者は示談に応じてくれました。私にはもう何も責任はないでしょうか?

民事上の責任と、刑事上、行政法上の責任は全く別個のものです。示談により民事上の責任は免れても、刑事上の責任においては、情状の面で被害者に対する誠意を示すものとして示談が斟酌される事はあっても、刑事責任そのものは示談したからといって免れるものではありません。行政法上の責任は民事・刑事の責任と別個のものですから同様です。

私は、交通事故にあいましたが、かすり傷程度の軽い怪我でしたし加害者もしきりに謝るので、何もしないで帰宅しました。数日後そのときの打ったところが痛んできました。この様な時にはどうすべきだったのでしょうか?

大事に至らなければ良いのですが、後で異常が生じても加害者の身元も不明では何もできません。事故にあったときは、例え軽いと思っても、車のナンバーと加害者の住所氏名くらいは免許証を見せて貰ってメモしておきます。自動車には車検証、自動車責任賠償保険証を常備しているはずですから車の所有者、保険会社名、保険証のナンバー等をメモさせて貰ってください。なお、加害者には被害者を救助保護する義務、事故の内容を警察に通報する義務があります。お互いの為に警察に通報しておくことです。被害者の損害賠償請求にとって事故当時の状況は大事な証拠になります。警察が来て実況見分調書を作って置いてもらうこと、目撃者に住所氏名を聞いておくこともできたらしておきたいところです。

父が交通事故で死亡しました。相続人は、母と私と妹です。父には身障者の妹があり父が同居し面倒を見てきました。交通事故の損害賠償を請求できるのは誰でしょうか?

父親が被害者として請求できるはずであった損害賠償請求権を相続人が相続によって取得し行使することになります。また、死亡した人の配偶者や子供等の近親者は、独自の慰謝料請求権もあります。従ってあなた方母子が損害賠償請求できます。叔母さんがあなたの父親によって扶養されていた等特別な事情のある時は、近親者としてその叔母さんにも独自の請求権が認められる場合もあります。

私の夫は、交通事故で死亡しましたが私は妊娠8ヶ月です。おなかの子にも損害賠償の請求権がありますか?

あります。民法上では胎児は人でないので権利能力が無いのが原則ですが、損害金については特別に認められています。従って、生まれてから権利行使をすればよいでしょう。

私は主婦ですが、1日2~3時間のパ-トタイムをしています。交通事故にあって、家事労働も出来なくなり、2~3ヶ月ほど家事のヘルパーを頼みました。この様な場合に休業補償を請求できますか?

休業損害は、事故前の収入を基礎として、受傷によって休業した現実の収入減を補償するのが原則ですが、家事労働者の場合は、現実に家事に従事できなかった期間の損害が、女子労働者の平均賃金額を基礎に算定されます。但し、この場合パート収入分は加算されません。他方、パート収入の方が平均賃金より高い場合は、パート勤務による実収入額を基礎として損害を算定します。

私は交通事故の怪我が治ったので、示談をしたいのですが、示談とはどんな効果があるのでしょうか。もしこの事故の後遺症が生じたら示談後でも改めて損害賠償の請求ができますか?

交通事故の示談は、加害者が被害者に一定の損害賠償金を支払って、被害者は加害者に対し、この金額以上の損害賠償請求をしないと言う約束をすることをいいます。双方の言い分が食い違っている場合にはお互いに譲歩しあってこの約束をするわけです。この約束は民法上和解契約といわれるもので、示談が詐欺強迫や錯誤によってなされたり内容が公序良俗違反である等特別な事情の無い限り将来も守らなければなりません。但し、例外的に、示談後に示談当時には予想できなかった後遺症が生じたような時は、示談の前提事項に事情の変更があったものと考える等して、後遺症の程度に応じた損害賠償をあらためて請求できる場合があります。

私は、2歳の子を連れて商店街に買い物に行ったところ、品物を選んでいて目を離した隙に、子供が自動車にはねられ大けがをしました。損害賠償の話し合いで、加害者は私の不注意で事故が起こったからと言って賠償の支払に応じないのですが、親の不注意が子供の損害賠償請求に関係するのでしょうか?

交通事故の損害賠償額の算定においては、その事故の発生について被害者にも過失があるときは、過失相殺といって被害者の過失の程度に応じて損害賠償の額を減額します。子供に物事の是非の判断能力(事理弁識能力といいます)が十分備わっていれば子供自身の過失が斟酌されますが、被害者が幼児の場合被害者と身分上生活関係上一体をなす者の過失は子供の弁識能力の有無に関わらず、「被害者側の過失」として考慮されます。従って親が買い物に夢中になって、子供の行動に十分な注意を払わなかった場合は、損害の額について過失相殺が認められる事になります。具体的な金額は事故の情況によって個別に判断されます。

私は駅へ行こうと道でタクシーを待っていて、車で通りかかった知人に好意で、同乗させてもらったところ、知人の不注意でその車がガードレールに衝突し、私も受傷しました。知人に対して請求できる損害賠償は、タクシーに請求できる場合と違うのでしょうか?

同乗者が、運転者や車の保有者に対して損害賠償を請求する際、無償で同乗させてもらったからといって、それを理由に賠償額が減額されることはないのが原則です。ただ、同乗者が危険な運転状態を容認していたり、助長、誘発していたりした場合や、同乗者と運転者との人間関係、同乗目的、その他の事情からして、同乗者にも一定の責任があると認められる場合は、信義則、公平の原則などにより、賠償額が減額されることがあります。

私はとても車が好きで、生活費を切りつめて高級外車に乗っていますが、相手の過失で衝突されて、修理に2週間かかるが、同等の外車のレンタル料を代車料金として損害賠償請求できますか?

代車の使用料は、裁判例や保険実務では営業車の場合は認める事が多いのですが、いわゆる自家用車の場合はなかなか認められにくく、日常生活で自動車を使用していて必要不可欠な時に現実に代車を使用した金額を認めてもらえるにすぎないのです。毎日の通勤に不可欠というならともかく、単に車好きで休日に乗り回すというような場合に代車料は認められにくいのです。また、高級外車の代車料も特別の必要がないと無理です。それは、損害賠償は生じた損害の一切を認められるという訳ではなく、損害の填補も公平の原則が考慮されるからなのです。

自賠責保険に入っていない車両はありますか?その場合は補償は受けられないのですか?

自賠責保険は自動車及び原動機付自転車を運行する際には加入が必要です(罰則付き)。しかし自衛隊等一定の自動車(適用除外車)もありますし、加入を怠っている場合もあります。この場合、適用除外車では国等の責任が発生しますし、無保険車による被害者には自賠法72条1項により自賠責保険に準じた補償を受けられます。

任意保険と自賠責保険の関係はどうなっていますか?

通常の場合、任意保険には示談代行がついており、任意保険会社が示談をすすめます。そして任意保険会社は自らの支払いの際、自賠責保険会社に対し、加害者支払い分として求償しています。これがいわゆる任意一括の運用です。しかし示談では合意しないと支払われないので、被害者としてはこの一括を打ち切って、自賠責保険に対し自ら損害賠償請求(いわゆる被害者請求)をすることも可能です。自賠責の場合、被害者の過失については被害者の有利に運用していますので、被害者請求手続きも検討することをお勧めします。

後遺障害はいつ、どのように決まるのでしょうか?

後遺障害は治療しても症状が良くならなくなった状態(いわゆる症状固定)ですが、まず主治医の判断が大きいです。症状固定については充分な治療をして判断されることが望ましいです。そして症状固定の場合は通常は任意保険会社が損保料率機構の認定を受けています(いわゆる事前認定)。

主婦の逸失利益はどのように定めるのですか?

主婦が交通事故で死亡したり、後遺障害を受けた場合には、裁判上では女子の全年齢の平均賃金をベースとし、67歳までの稼働を前提に中間利息を控除して定めています。詳しくは相談センターをご利用下さい。

被害者が死亡した場合、死亡慰謝料は誰が請求できるのですか?

死亡慰謝料については相続人が請求できるというのが判例です。また相続人でなくとも民711条に定める者やこれに準ずる者についても固有の慰謝料請求が認められています。詳しくは相談を受けてください。