アクセス
JP EN

遺留分

人が死亡した後、その残された財産(遺産)をどのように分配すべきかについては、民法がその原則を定めていますが(法定相続分)、遺言によってその分配の割合を変えたり、全くの第三者に譲り渡すと定めたりすることもできます。

しかし、相続は、残された家族、親族の生活を守る意味などもあることから、民法は、兄弟姉妹以外の相続人については、遺言の内容にかかわらず、法定相続分のうち一定割合(直系尊属〔父母や祖父母など、自分より上の世代の直系親族〕のみが相続人である場合は法定相続分の3分の1、それ以外の場合は法定相続分の2分の1)に相当する金銭の支払を請求することができるものと定めています。

したがって、故人Xの相続人が子Y、Zの2人の場合に、Xが遺言で「全財産をYに相続させる。」と定めていたとしても、Zは法定相続分の2分の1のさらに2分の1、つまりXの遺産の4分の1に相当する金銭を取得することができるのです。
ただし、遺留分を得るためには、相続開始から1年以内に「遺留分侵害額の請求」をしなければならず、色々と難しい条件がありますので、遺留分については弁護士にご相談されることをお勧めします。

※民法1048条(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。