障がい者差別
障がい者に対して、聞くに堪えないような露骨な侮蔑用語・差別用語が平然と用いられていた昔と違って、現在は、障がい者差別等は解消され、障がい者にとって住みやすい世の中になっているといえるでしょうか。
様々な施策が実施されることによって、障がいのある人の社会参加の機会が増進していることは事実です。
しかし、障がいのある人の様々な生活場面において、最低限必要とされる支援を受けることができない場合も多く存在します。
知的発達障がいがあると気がつかずに過ごしている人も多く、「支援の申請」のあることが支援の前提となっているにも関わらず基本的な情報や知識が行き渡らないため、支援の網からこぼれ落ちている人が多いのが実態です。
また、いまだ根強い偏見と無理解のために、差別、虐待等の人権侵害を受ける事例が後を絶ちません。
すなわち、全ての国民が社会生活を営むために必要である教育、労働、不動産の取得・利用、建築物や公共交通機関の利用、様々なサービスの享受、医療、参政権、司法などの各分野において、障がいを理由として権利行使を妨げられる事例が多く存在しています。
また、学校、職場、施設、医療機関、家庭等でいまだ身体的、精神的、経済的虐待が発生していることが多く報告されています。
障がいのある人をとりまく環境のなかで、今後、弁護士の支援を要する場面が増えていくと思われます。
では、障がいがあることを理由として差別を受けた場合に救済を受けることができるのでしょうか。
差別を受けた場面、程度によりますが、司法による救済を受けることが出来る場合もあります。
2006年12月第61回国連総会で「障害のある人の権利に関する条約」が全会一致で採択されました。
障がいに基づく差別の禁止条項を規定したこの「障害者権利条約」が今後、我が国でも批准されることによって救済の幅が広がることが期待されています。また、まだ少ないですが、条例で障がい者差別の解消を定めている地方自治体もあります。
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