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【報告】 米国法曹協会(ABA)との共催セミナーを開催しました(3/2)

2023 年3月2日に、当会と米国法曹協会(American Bar Association、以下「ABA」といいます。)との共催セミナーが開催されました。

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ABA代表団(デボラ・エニックス・ロス会長、スティーブン・M・リッチマン国連代表)

ABA会長のデボラ・エニックス・ロス氏(Ms. Deborah Enix-Ross)とABA国連代表、ABA国際法部会前委員長のスティーブン・M・リッチマン氏(Mr. Steven M. Richman)が来日した機会に、訪問歓迎セッションを開催する運びとなったものです。当会からは、スピーカーとして坂野維子会員(国際法曹協会(IBA)ダイバーシティ&インクルージョン評議会 共同議長)が出講し、広瀬元康会員(国際委員会所属)がモデレーター兼通訳を務めました。

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デボラ・エニックス・ロス氏(ABA会長)/スティーブン・M・リッチマン氏(ABA)国連代表

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坂野維子氏(IBAダイバーシティ&インクルージョン評議会 共同議長)/広瀬元康氏(国際委員会委員)

また、吉田修当会副会長がオープニングスピーチを、ミヒャエルミュラー会員(国際委員会委員長)がクロージングリマークスを述べ、三好慶会員(国際委員会副委員長)が全体司会を務めました。

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吉田修氏(当会副会長)

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ミヒャエル・ミュラー氏(国際委員会委員長)/三好慶氏(国際委員会副委員長)

共催セミナーは、ABAと当会の合同セッションという形で、東京の当弁護士会館で行われました。幸いなことに、コロナ渦も終息に向かい、当弁護士会館の会議室におけるリアル開催が実現し、当会においても多数の参加者を招待することができました。参加者からも多数の質問が寄せられ、日米両国における共通の問題や相違点について、活発な議論を交わすことができました。

そのテーマは、弁護士業界におけるダイバーシティ&インクルージョンとウェルビーイング(Diversity & Inclusion and Well-being in the Legal Profession)であり、ABAの両氏が米国における現状の問題点とABAの取り組みについて、スライドを用いてプレゼンテーションを行いました。具体的には、米国の法律事務所における女性やマイノリティに対する待遇やキャリアの定着度において、実質的な平等が実現されていない問題が議論されました。これらにも関連して、弁護士をはじめ法曹関係者が抱える過労やストレスによる心身の健康をめぐる問題が深刻化していることも示されました。いずれもABA内の客観的な統計や調査結果を引用しながら解説がなされ、大変に説得力のある内容でした。

とりわけ、コロナ渦により長期に亘るリモートワークが行われた結果、所員間のコミュニケーションが不足し、上記のような問題を抱える弁護士らが上司や同僚に悩みを率直に相談する機会が十分に得られなかったことにより問題が大きくなったという指摘もなされていました。

これらの問題はいずれも、日本においても共通の問題意識や取り組みが従来から存在したものの、ABAのように体系的に現状と問題点、解決策を分析した内容は斬新であり、今後の日本の法曹界における弁護士の働き方についても一石を投じるものであったように思われます。

この合同セッションに続き、ABAのデボラ・エニックス・ロス氏、スティーブン・M・リッチマン氏と当会伊井和彦会長との表敬セッションが会長室にて行われました。同表敬セッションには当会国際委員会の関係者らも参加し、同委員会の三好慶副委員長が司会を、ミヒャエル・ミュラー委員長が通訳を務めました。当会会長からはABA両氏の訪日とセミナー開催に謝意を表するとともに、その前に行われた合同セッションのテーマについても、実務的な現状を踏まえ、両者間で若干の意見交換が行われました。そして、最後に写真撮影等を行って締めくくりました。

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ABAとの表敬訪問セッションの様子(中央に、伊井和彦当会会長及びデボラ・エニックス・ロスABA会長)

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