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原発損害賠償説明会に参加して(大沼 宗範)

去る8月16日、弁護士会館において、原発事故により損害を受けた方を対象として、損害賠償に関する説明会が行われ、私もそのお手伝いに参加させていただきました。
ようやく原発損害賠償に関する中間指針が出されて、今回被害に遭われた方々の関心も高まってきている中、記録ノートをつけるなどして、損害の状況をきちんと記録し、証拠化していただくことを目的に、説明がなされました。
相談会に参加された方々のニーズは、損害賠償に関する概略の説明のみならず、ご自身が一体いくらの額を請求することが出来るのか、という点にもあったように思います。今回の説明会でも、全体説明終了後に、弁護士がブースで個別に相談を受けておりましたが、話をされた後は、今後の見通しが一応ついたと少しホッとされてお帰りになる方もいらっしゃいました。

私も、8月7日に文京区で行われた説明会・相談会では、個別相談を担当させていただきました。
指針の基準に照らして損害賠償が認められるか不明な項目についてのご相談が多く、結局、最終的には記録ノートをつけたり、領収書を保管したりするなどして証拠を固めていきましょうというお話しかできず、歯がゆい気持ちではありましたが、相談の最後には「少し安心しました、丁寧にありがとうございました。」とのお言葉をいただき、こちらもホッと胸をなでおろしました。
文京区の説明会・相談会の中で、多くの被災者の方から出た話は、親戚宅に避難した場合と、避難所に避難した場合とで、慰謝料等の額が変わってしまうのはおかしいのではないか、ということです。被災者の方々の人数が非常に多く、他方で迅速な解決が求められる状況下では、指針に従って進めていくというのも1つの考えなのかもしれません。それでも、被災者の方々の受けた被害がきちんと反映された形での賠償請求が認められるように、今後の動向をしっかりと見ながら活動していきたいと思います。

最近の暑さの中で忘れがちになりますが、東北地方もあと3ヶ月もすれば、あっという間に冬になります。被災者の方々がしっかりとこの冬を乗り越えられるよう、待ったなしで活動していく必要がありますが、私も微力ながらそのお手伝いが出来ればと思っております。

(弁護士・大沼 宗範)

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