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東弁に入って
~若手会員の声~
石橋 千明 会員(68期)
岡井 裕夢 会員(71期)
石橋 千明 先生(68期) 岡井 裕夢 先生(71期)

2022年1月8日

今回の会員インタビューは、修習生の皆さんに、弁護士になってからの様子をイメージしてもらえるよう、修習生の皆さんと年齢も期も近い若手弁護士に、これまでの経験談や弁護士会のことについてなどを伺いました。

インタビュー動画はこちら

―自己紹介

(石橋)石橋千明と申します。68期です。
これまでの職歴は、事務所でのアソシエイトを経て、今年の1月から事務所を開設しました。インハウスの経験もあります。

(岡井)岡井裕夢と申します。71期です。
1年目からこれまで、現在の事務所に所属しています。

―現在の主な業務は。

(石橋)一般民事事件、家事事件、会社関係の案件やご相談等、様々な事件を扱っています。以前離婚事件に強い事務所に所属していたこともあり、離婚や男女問題の事件がやや多いと思います。

(岡井)私の所属する事務所は、8~9割ほどが、顧問会社の法律相談です。内容としては、労務、景表法・薬機法等に関わる広告表示、債権回収、著作権・商標登録出願、会社法務全般を行っており、幅広い分野を取り扱っていると思います。またセミナーにも注力しており、社労士さんや企業に対するセミナーを行っています。

―岡井会員は、弁護士になられて3年ですが、入所当時はどのような点に悩まれましたか。

(岡井)電話等でお客様に対し、どのような言い回しをすればいいかなど、お客様対応に慣れず悩んでいた記憶があります。また、日々業務の中では知らない法律や分野について次々と相談があり、何から着手していいかわからず、全体像を把握することにも苦労しました。
3年目になると、ある程度事件を一人で担当し、事件の方針などを自分で決定する機会が増え、これに伴い責任感が大きく変わったと思います。

―振り返ってみて、最初の事務所を決めるとき、何を重視するのがいいと思いますか。

(岡井)成長できる環境かどうかという点と、事務所の雰囲気が自分に合うかという点が重要だと思います。
弁護士業は、自分のスキルを活かして依頼者を法的側面から助ける仕事です。そのため、就職先の事務所に所属することで弁護士としてのスキルが身に付けられ、成長できる環境かという点は重要かと思います。また、事務所の雰囲気が自分に合わない事務所に身をおいて仕事をしても、あまり良いパフォーマンスの仕事ができるとは思いません。そういった意味でも事務所の雰囲気というのは重視して良かったと思っています。

― 一方、石橋会員は、インハウス、法律事務所の両方を経験されてきているとのことですが、両者の良い点は。

(石橋)企業内弁護士は、組織の一員としての不自由さはありますが、企業の一員としてビジネスに携わることができるためビジネススキルを向上させることができます。また、法律事務所のように外部からの関わりではなく、事業部の方の隣でサポートすることができることも貴重な経験です。ワークライフバランスや福利厚生が充実していること、安定した生活環境は良い点だと思います。
反対に、法律事務所はワークライフバランスや福利厚生の面ではなかなか難しい印象ですが、時間を自由に使うことができたり、自分次第では多様な業務に携わることができることも良い点だと思います。

―今年独立されたとのことですが、経緯とご感想は。

(石橋)私が独立した経緯は、前の事務所に所属していた時に個人事件が増えてきたことがきっかけです。いつかは自分の事務所を持ちたいと考えていたものの、独立はまだ先だと漠然と思っていました。ただ、弁護士6年目となって、個人事件もありがたいことに増えたことから、ここで独立しなければ一生決断できないのではないかと奮い立たせて、独立しました。
不安もありましたが、実際独立してみると、先輩などから共同受任のお仕事をいただいたり、とても助けていただいていて、有難いと感じることが多いです。

―これまでの仕事の中で、とくに思い出に残っている事件などはありますか。

(石橋)やはりお子さんが絡む事件は印象に残っています。お子さんの親権を求めていた方で一審で負けてしまい、高裁から私が受任をして、新たに証拠を提出する等して、高裁で一審判決をひっくり返して親権を勝ち取りました。新たな証拠を提出するためには依頼者にも大きな決断をしてもらう必要があったのですが、私を信用して協力をしてくれたおかげで勝つことができたと思います。
失敗談も細かいことではたくさんありますが、初めての民事の尋問の時に緊張して失敗をしましたことが今でも昨日のことのように思い出されます(笑)。尋問をする際には、通常、立った状態で尋問を始めるのですが、初めての尋問で非常に緊張していて、勢いよく立ち上がって「それでは被告代理人石橋からお伺いします」と話した後、なぜか椅子に座って、座ったままの状態で尋問を始めてしまいました。隣にいた先輩の弁護士に「立って!」と小声で必死に注意されたことを今でも忘れられません(笑)。

(岡井)1年目ではじめて国選で担当した刑事事件が印象に残っています。覚せい剤取締法違反の罪で捕まった方の弁護人となったのですが、私としても初めての刑事事件で気合いが入っており(今ももちろんあります(笑))、身柄を少しでも早く解放できるよう奮闘しました。最終的にその方から感謝の手紙が届いたことは嬉しく思いました。

―裁判前の勝負飯やゲン担ぎ、ルーティンなどはありますか。

(石橋)裁判は比較的多い方なので、1週間毎日のように裁判所に行くこともあります。裁判でも基本的にはいつも通り過ごしていますが、尋問の後や和解が成立したときなどは、自分のご褒美として、好きなものを思い切り食べたりしています。

(岡井)裁判の際も特に決まったことはしていませんが、気合の入る明るいグレーのスーツが多いかもしれません(笑)。

―弁護士会のことを伺います。東京には3つの弁護士会がありますが、なぜ東弁に入会されたのですか。

(石橋)所属した事務所の弁護士が東弁だったことや、東弁が一番大きいと聞いて入会しました。

(岡井)事務所の代表弁護士が東弁所属だったため、必然的に東弁に所属しました。

―東弁に入って良かったことは何ですか。

(石橋)優しく温かい先輩がたくさんいてくださることです。特に会派の先輩弁護士にはお世話になっていて、事務所が違っても、事件を紹介してくださったり、共同受任して指導してくださいます。ゴルフや食事にも連れて行ってくださいます。

(岡井)東弁は弁護士の数が多く、色々な会員とお知り合いになれる点が良かったと思います。

―委員会等の会務では、どのようなことをされていますか。

(石橋)現在は、遺言相続法律相談支援プロジェクトチームと常議員をやっています。遺言PTでは、皆様に身近な法律問題である遺言や相続問題に対して法律の専門家である弁護士が一人でも多くの市民の方にアドバイスして解決できるよう、皆様が遺言や相続の問題を相談しやすい環境作りのために活動しています。

―東京弁護士会には、「会派」といって、弁護士会内の人事を考えたり、勉強会を行ったり、親睦を深めたりという活動をするグループがあります。またその中でも若手の集まりである「全期会」があります。会派での思い出はありますか。

(石橋)私は、二一会という会派の執行部や親和全期会の執行部を経て、現在は親和全期会の企画委員をやっているのですが、企画委員では弁護士が楽しめる様々な企画を考えていまして、先日はオンラインヨガ企画を担当しました。

(岡井)1年目に法友全期会の執行部を担当させていただき、今は常議員をやらせていただいています。
執行部では、右も左もわからないまま地方の弁護士会との意見交換会に参加したのですが、地方の弁護士がどのように働いているのか、どういった考え方をもって仕事をしているかを聞く機会をもて、大変勉強になりました。
また先日、親和会のゴーカート企画に参加しましたが、腕が痛くなるほどみんなで本気で挑みました(笑)。

―修習生のうちに経験した方がいいことは。

(石橋)ゴルフを始めておけばよかったと思います。周りの弁護士から声をかけてもらい、2年前からゴルフを始めたものの、練習に行かないのでうまくなりません(笑)。時間がある修習生の時に打ちっ放しで練習しておいたら今頃もっとうまくなっていたかもしれないと思います・・・

(岡井)実務に出てから自分が取り扱わなさそうな事件を修習生のうちにたくさん見たり、弁護修習で経験すると良いと思います。

―最後に、修習生に向けてメッセージをお願いいたします。

(石橋)ぜひ東京弁護士会に入ってください!そして一緒にいろいろな活動をして楽しい時間を過ごしましょう。

(岡井)東京弁護士会に所属することになったときは、よろしくお願いいたします。

【経歴 石橋 千明 会員(68期)】

獨協大学法学部国際関係法学科卒業
日本大学法学科大学院卒業
2015年:弁護士登録後、法律事務所勤務や東証一部上場企業内弁護士として勤務
2021年:1月に銀座エール法律事務所を開設
主な弁護士会の活動:
東京弁護士会二一会執行部常任理事(2017年度)
東京弁護士会法曹親和会常任理事(2018年度)
東京弁護士会常議員・日本弁護士連合会代議員(2021年度)


【経歴 岡井 裕夢 会員(71期)】

中央大学附属高等学校 卒業
中央大学法学部法律学科 卒業
慶應義塾大学大学院法務研究科 修了
日本弁護士連合会代議員(2021年度)
東京弁護士会常議員(2021年度)
全国薬機法医療法弁護士協会会員