アクセス
JP EN

親権者の指定

親権とは、未成年の子の成長を見守り、またはその財産を管理するために、親に与えられた権利義務の総称であり、大きくは身上監護権(監護・教育の権利)と財産管理権(子どもの財産管理)に分けられます。婚姻中は、夫婦共同で親権を行使するのが原則です(民法824条の2)。
父母が離婚する際には、協議によって親権者を定めますが、令和6 年の民法改正により、父母の一方だけではなく、父母の双方を親権者として指定することができるようになりました(共同親権。民法819 条)。親権者を指定するにあたり、協議が調わないときは、家庭裁判所が親権者を指定することができます。家庭裁判所が親権者を指定する場合も、父母の双方を指定することができます。家庭裁判所が親権者を指定するにあたっては、何が「子の利益」に適うかという観点から判断されますが、一方の親によるDV や虐待のおそれがあるなど子に利益を害する事情が認められるときには、他の親(父母)を親権者として定めなければならないとされています(民法819 条7 項)。
父母は、親権者の指定とは別に監護者を定めることができますが、監護者として定められた父母の一方は、単独で監護権(監護、教育、居所指定等)を行使することができます(民法824 条の3)。民法改正前は、離婚の際に、父母のどちらが子どもを引き取るか、誰が親権者となるかが激しく争われてきましたが、離婚後の共同親権が認められるようになっても、監護者等をめぐる争いがなくなることはないと思われます。

Q&A 多くの方々から頂く代表的なご質問

夫と離婚し、親権者は私と定められ、今は母子二人で暮らしています。しかし、最近元夫から執拗に子どもとの面会を求める電話がかかってきます。昔、酔って子どもにも手をあげた人なので二度と会わせたくないのですが、それは可能でしょうか?

民法766 条は、親子交流(令和6 年の民法改正前でいう面会交流)について規定しています。親子交流とは、本件のように子が父と離れて暮らす場合等においても、継続的な交流を通じて子の健やかな成長と福祉を確保することを目的とする制度です。また、法改正に伴い円滑な親子交流の実現に向けて家庭裁判所は審判前に親子交流の試行的実施を促すことができるようになりました(人事訴訟法34 条の4、家事事件手続法152 の3)。もっとも、親子交流は子の福祉に資する限度で認められますので、DV や虐待など子の福祉を害するおそれがある場合には、実施方法の制限や実施自体の禁止が相当と判断されることもあります。このような事情があるときは、弁護士と相談のうえ対応するのが望ましいでしょう。