第39回受賞者
袴田 ひで子 さん
袴田ひで子さんは、1966年に発生した袴田事件で強盗殺人放火事件の犯人として逮捕・起訴され、死刑判決が確定した袴田巖さんの実姉です。ひで子さんは、弟の無実を信じて半世紀以上にわたり救済活動を継続し、事件から58年後の2024年に再審での無罪判決を勝ち取りました。
ひで子さんの粘り強く力強い活動は、弁護団、支援者さらにはマスコミをも動かし、冤罪に苦しむ人達にとって大きな支えとなってきました。
ひで子さんは、2014年に巖さんが釈放された後は、活動の幅をさらに広げてきました。たとえば、他の冤罪被害者と交流し、冤罪撲滅に向けた活動や死刑廃止を訴える活動をしたり、各種団体が主催する市民フォーラム、学生を対象とした勉強会、市民交流会、研修会において講演したり、テレビ番組へ出演し、書籍を出版するなど、その活動は多岐にわたります。
また、近年は日本弁護士連合会主催のイベントや超党派の国会議員連盟等で、再審法改正に向けた活動も積極的に行うなど、活動の場を広げています。
以上の諸活動は、東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいものです。