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第6回市民会議(2005年9月26日)

第6回市民会議議事録(PDF:81.8KB)

2005年9月26日に第6回市民会議が開催され、委員5名が出席した。9月に東京弁護士会ホームページがリニューアルされたことから、「東京弁護士会のホームページについて」をテーマに議論いただいた。

  • 長友貴樹委員(調布市長)
    全体として、なかなか簡略で見やすいと感じた。しかし、総括的に言うと「弁護士、弁護士会をよく知っている人には物足りなく、知らない人にとってはちょっ とわかりづらい」という面がある。また、弁護士費用に関する情報は物足りないと感じる人がいるのではないかとも思う。ナビゲーション・バーについて、多く の市民が法律相談をしたくて弁護士会のホームページへ来ていることをふまえて、思い切って「相談する」をトップにしたことには意義があると思う。しかし、 弁護士会というものの存在・構成がトップに来ないということは、感覚的に「このホームページ全体がリーズナブルに並んでいるのだろうか」というイメージを パッと持たれるおそれがある。普通は違和感を抱くのではないか。また、「弁護士を探す」は「相談する」から独立をさせてナビゲーション・バーに取り入れて もよかったと思う。「弁護士を探す」のページには「弁護士会は一切の責任を負わない」との記述があり、こうした記述があることについて理解できなくはない が、マイナスのイメージもある。このような同意をさせなければならないほど弁護士とのトラブルというのは多いのかという不信感を抱かせることがありはしな いのか。一方で、トラブルになりやすい弁護士のパターン、例えば、「こういう弁護士にはご注意を」というように書いてもらうとアクセスする側は参考にな る。さらに、「東京弁護士会とは」という欄に、もう少し当初からの設立目的、経緯等の記載もあれば、より弁護士会の理解には役立つのではないか。

  • 阿部一正委員(新日本製鐵株式会社知的財産部長)
    会社と違って、弁護士会といった公益を大事にしなければならないような団体のホームページについては、いろいろな人、全員を満足させようとすれば、非常に 大変なことになるので難しいと思う。弁護士会について言うと、日弁連と各弁護士会の関係がよくわからないというか、どちらにアクセスすれば情報がとれるの か時々迷うことがある。また、各弁護士会がホームページを持っていて、それぞれ工夫を凝らしているが、何か統一的なルールがあった方がわかりやすいのでは ないか。この弁護士会はどうなっているのだろう、一方で、あの弁護士会はどうなっているのだろうと思ってひとつのことを調べようとすると、各弁護士会の ホームページによって全然アクセスの仕方が違ったり、あるいはそこへアクセスしても何か別な観点から書いてあったりする。各弁護士会バラバラになると若干 使いにくい面があるのではないか。各弁護士会の創意工夫もあるが、統一性もあった方がいいのかなという気もする。また、弁護士を依頼する側からすると、各弁護士の能力や、過去にどういう事件を手がけてどういう成果が上がったのかなどを調べたいという強い欲求がある。
    弁護士年鑑みたいなものはあるが、アップツーデートではないので、最新の情報がよくわからない。各弁護士についての最新の情報が弁護士会のホームページから詳しく取れると非常に有り難いと思うが、弁護士会としてはなかなか難しいのだろう。

  • 岡田ヒロミ委員(消費生活専門相談員)
    東京の3つの弁護士会を外から見て、それぞれ特色が分かる気がするが、今回のホームページのトップページを見て、それがはっきり出ていると思った。特に旧 ホームページのトップページに出てくる弁護士会館の画像は親近感が持てるとは言えない。それに比べて今回のものはとても明るくて家庭的でいい、色も清潔な 感じがしてよい。消費者センターに来る相談者について言うと、相談するところをホームページで探して、そのアクセスしたところで相談したが、そこではどう にもならなくて消費者センターへ来るというのが少なくない。これらの相談者がアクセスしたホームページは、多分アクセスしやすいようなものになっているの だろう。これから、ますますこうしたトラブルが消費者センターに入ってくるのではないか。私たちは、消費者にとって一番有効なホームページにアクセスして ほしいと思う。また、消費者は、東弁、一弁、二弁、日弁連の区別もつかない。消費者の認識としては、「二」よりは「一」がいいだろう、そうすると「東京」 というのは何だろうか、と思っているのではないか。また、弁護士の名刺には所属の弁護士会名が入っていないが、これは不親切だと思う。消費者が相談に行っ て弁護士から名刺をもらってきたと言うが、どこの弁護士会に属しているかわからないと、日弁連に聞かなければいけない。名刺に「東京弁護士会所属」と書い てあれば、即、所属弁護士会にアクセスできて、その弁護士に関する情報を得ることができるのに、と思う。今回、ナビゲーション・バーの最初に「相談する」 が来たのはとてもよいことだと思うが、果たしてどのぐらいの消費者がそこへたどり着けるのか。ホームページの作成でせっかく苦労されても、何かもったいな いという感じがした。

  • 藤森研委員(朝日新聞社編集委員)
    細かい心遣いやアイデアはわかるが、以前のものと今回のものの違いは、あえて言えば、好みの違いかなという感じがしないでもない。今日、私がまずクリック してみたのは、「憲法改正国民投票法案に対する会長声明」。旧ホームページでも掲載されていたが、新ホームページの方がアクセスしやすいレイアウトだっ た。「弁護士を探す」にもアクセスしてみたが、できるだけ個人情報をオープンにして選択の便宜を図ろうという方向で一生懸命努力していると感じられた。新 しいトップページで、「相談する」「お知らせ」「東京弁護士会とは」というナビゲーション・バーの分類も確かにアクセスしやすい。一方で、最近の流行なのか、1つの画面にダブリが多く、スペースと情報の関係では、もったいなく感じる。

  • 紙谷雅子議長(学習院大学法学部教授)
    東弁のホームページの情報量が1ページごとに関して結構少ないと思った。もちろん相談しに来る、困った問題を抱えている人というのもかなり多いと思うが、 生徒の夏休みの自由研究の対象として、弁護士について調べよう、例えば、日本の弁護士の歴史とか、各単位会と日弁連との関係とか、日本では弁護士は全員が どこかの弁護士会に所属しないといけないことなど全部を網羅するようになっていれば、もっといいと思う。これから法律家を目指す人をもっと増やすとか関心 を持ってもらうとかという観点からすると、そういう情報があった方がいいのではないか。最近の学生はホームページだとすぐに見るので、「ここを見たら日本 の弁護士制度がわかりますよ」というようなものがあれば、学生にとっても便利かなという気もする。誰を想定してページをつくっているのかと考えると、もちろん困った人が相談に来るということで、確かに「相談する」をトップに持ってくる理由もそれなりに現実を反映していると思うが、例えば「法の日」について 皆にもっと知ってほしいというときには、弁護士会が共同でそのためのホームページを立ち上げて、そこから各弁護士会にリンクできるようにするという企画も あってもいいと思う。また、ほとんどの日本のホームページは、日本語で記載されているが、外国語、例えば、「中国語のできる弁護士」とか「国際結婚して離 婚したいが、どの弁護士がいいか」というニーズもあるのではないか。この問題に関しては複数の弁護士会で横断的に共同して考えていった方が賢明かもしれな い。さらに、弁護士会としては多くの人に知ってほしい、わざわざホームページにアクセスしてもらうのではなくて押しかけていっても知ってほしい、という情 報があれば、メーリングリストのようなものがあってもよいと思う。