東京弁護士会
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2017年度市民交流会 模擬裁判員体験レポート

日時:2018年3月6日 15:00~17:30
場所:弁護士会館
市民メンバー参加人数:21名

2017年度の第10回目の企画は模擬裁判員体験でした。
殺人未遂事件の裁判のDVDを視聴後、殺意の有無の争点について市民メンバー4~5名の班に分かれて検討しました。
殺意肯定派と殺意否定派から様々な意見が交わされ、活発な議論となりました。
参加した市民メンバーから多数の感想をいただきましたので、いくつかご紹介させていただきます。

【感想抜粋】
・これまで法律に親しもうと、法律に関する書籍やセミナーを通じて研鑽を深めてきた。今回は、実際に模擬裁判員を体験してみて、単なる興味や関心では、公平・公正な判断は出来ないと思った。証拠に基づいて事実を認定するためには、体系的な法律学習が必要だと思った。
大変貴重で有意義な経験をさせていただいた。裁判員として選任されたならば、誠心誠意、つとめを果たしたいと思っている。

・「裁判員に選ばれたら、しっかり取り組むぞ」と思っていましたが、今回体験をしてみて、どの事実をどう認定するかで全く結論が違ってくるし、裁判員を受けるならそれ相応の覚悟を持って臨まないといけないと思いました。

・初めて模擬裁判を体験しましたが、実際にこのように体験してみないと分からない難しさがあると思いました。体験前は、今回の事案だと私は間違いなく殺人未遂罪が成立すると考えていたので、あの場で傷害罪が成立すると考えた方々が多数いたことはとても意外でした。しかし、実際に裁判員として皆で意見を交わしていくと、確かに殺意があったとまでは言えないのではないか、と自分の決断が揺らぐ場面が多々あり、自分と異なる角度から事実を考察した方々の意見を聞くのは面白かったです。
今回の裁判員体験を通して、試験勉強の難しさと実際の裁判の難しさは違うのだと感じました。ロースクールには模擬裁判の授業はあるとは思いますが、今回のような多様な参加者を集めて裁判員体験をするのは滅多にできることではないので、とても貴重な経験をさせていただけて本当に良かったです。ありがとうございました。

・最初に、説明役の先生より分かりやすい説明があり良かったです。
今回は殺意の有無でしたが、銃が外れたというより事実認定が裁判でどのように大事か話し、事件の概要もいただき、確かめながら話し合いを出来て良かったです。前に最高裁見学のときに、傍聴人に事件の概要を用意しているというのを思い出しました。
心の中心の中を考えるのは、とても難しいが判決にはとても大事な要だと分かりました。
今回は市民メンバー女性5名に対し、2名の先生に入っていただき、分からないときは説明があり、色々と話がふくらみ話し合えてよかったです。

・裁判員裁判体験をしてみて、以前は選ばれても辞退することしか考えていませんでしたが、今回の体験で双方の意見を聞き、とても勉強になると共に楽しく、業務的に長期間休暇が取れない実態はありますが、やってみたいと感じました。
説明役の先生が中立の立場で進める中、殺す意思があったという方の話を聞いていると同意し、意思はなかったという方の話を聞くとそれも納得・同意してしまいました。私としてはどちらとも言えず、「疑わしきは被告人の利益に」の原則という結論に至りました。時間がもっと長かったら自分自身の考えが変化したのだろうか?等、とても重い、人生に係る事であるので難しいと感じました。

・最後の企画は「裁判員体験」でした。「未必の(故意)」は初めて聞いたことですが、「見える事実」のみでなく、心の中に踏み込み、「見えない事実」を見なければならないことに、改めて難しさを感じました。
私は、最初「殺意の有無」の判断に迷いました。「殺してやる」と言われたと夫が言っているが(妻は否定)、言ったとしても(挑発もあったようで)殺意のある証拠にならないし、明確には分からない(グレーゾーン)ので、「無い」としました。
その瞬間の気持ちは本人にさえわからないときもあるのではないかと思います。「死なせても構わない」と、カッとなった一瞬は思ってしまうこともあるのではないか、また、緊迫したときに殺傷力やどのくらいのダメージを与えるか等、判断する余裕はないとも思います。しかし、一瞬でも「死んでも良い」と思ったら、「殺意」を持ったことになり、罪が重くなってしまうのなら、その境界が難しいし怖いと思いました。
また、今回は見るからに胡散臭い夫が演じられていましたが、実際の裁判ではこれほどはっきりと夫(妻の方でも)が「胡散臭い」「信用できない」様子を見せていることは珍しいと思うので、一層見分けがつかないと思いました。やはり、外に「見える」方に影響されることも多いと思います。ドラマでは、穏やかに見え、公務員等堅い仕事の夫が、実は酷いDVを行っていることもあります。内部を把握するのは難しいけれど、重要なことだと思います。

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