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リーガルサービスジョイントセンター(弁護士活動領域拡大推進本部)

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(8)終活って何をすればいいの?

終活という言葉は耳にするものの、具体的には何をすれば良いのか分からないという声はよく聞きます。
このコラムでは「終活」として実施すべき典型的な事項について弁護士が解説します。

1 終活とは 

終活とは、人生の締めくくりを自分らしく迎えるとともに「その後」に残されるもの(人や物)のための準備です。
その範囲は幅広く、法律上の決まりもございませんが、ここでは、主な活動に絞って説明をしたいと思います。

2 ご自身の財産を把握する

終活でまず思い浮かぶのは、ご自身がお亡くなりになった後に、ご自身の財産をだれにどの程度託すか、という点ではないでしょうか。
財産を残すための活動の出発点は、ご自身がどのような財産をどの程度保有しているか把握するところからです。
土地、預貯金、株式等金融資産といった具合に、財産種類は多岐に亘ります。まずはそれらを整理し、土地はその価格を机上査定書などで評価し、財産の範囲と評価額が記載された財産目録を作成してみることをお勧めします。

3 誰にご自身の財産を託したいのかを考える

次に、ご自身の財産と評価額を把握したら、その財産を、誰に(どの団体に)どの程度残したいのかを考えることになります。
財産の残し方によっては、財産を貰えない方にとって不公平となり、遺留分侵害額請求という公平を是正する請求が相続人の間で行われることにもなりかねません。もしどなたかに傾斜を付けて財産を残す場合は、作成前に専門家にご相談されることをお勧めいたします。

4 遺言書を作成する

遺言書と対比されてよく話題に上がるエンディングノートでは、法的に財産を相続人に移転させる効果はありません。
参照(エンディングノートで出来ること、出来ないこと ─エンディングノートの法的効力─)
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/houritsuservice/syukatu/post_26.html

そのため、遺言書、できれば公正証書の方式で作成した遺言公正証書を作成しておくと安心です。さらに、遺言執行者という、作成した遺言通りに財産をお届けする者を指定しておくと、より、遺産をお届けできる可能性は高まります。
参照(遺言のコラム)
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/houritsuservice/syukatu/post_22.html

5 死後事務委任契約の締結を検討する

死後事務委任契約とは、ご自身の死後の事務を生前に依頼をしておく契約です。
死後の事務は多岐に亘りますが、典型的なところでいうと葬儀に関する事務、病院や施設の退去・解約手続に関する事務等がございます。
特に、お子様やご兄弟のいらっしゃらない方は遺言と併せて死後の事務に関する取り決めをしておくことも有益です。
参照(死後事務委任のコラム)
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/houritsuservice/syukatu/post_23.html

6 財産管理契約・任意後見契約の締結を検討する

お亡くなりになる前であっても、当然、年齢を重ねるにつれて判断能力が低下することはございます。判断能力の低下の程度によっては、ご自身の財産を適切に管理できなくなることもあり得、サポートを必要とする状況になる場合もあります。このサポートのための契約が財産管理契約であり、任意後見契約です。任意後見契約は、任意後見監督人という「任意後見人を監督する役」を選任したうえで、裁判所も関与しながら実施する財産管理等の方法です。
参照(任意後見契約等のコラム)
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/houritsuservice/syukatu/post_20.html

7 その他にも終活は多岐に亘りますが、必ずしも全部を実施しなければならないというものではありません

多岐に亘る終活のうち、「何から実施すれば良いか」も含め、まずはお気軽に弁護士までご相談頂ければと思います。

(角 学) 

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