東京弁護士会

裁判をやってみよう―民事模擬裁判

裁判には民事裁判と刑事裁判がありますが、現実に行われる裁判の大半は、民事裁判です。
このプログラムでは、その民事裁判を体験していただきます。教材には、「小学生向け」と「中高生向け」があります。

小学生向け教材

児童達に、それぞれ配役(原告代理人役・被告代理人役・裁判官役)についてもらい、民事裁判を体験していただきます。代理人役はそれぞれの立場に立って主張・反論をします。裁判官役は判決を考えます。

講座のポイント

学習の視点

児童が、当事者の代理人弁護士や裁判官となって主張・反論・質問をしていく中で、利害の対立する当事者のそれぞれの言い分が明確となり、その言い分をもとに中立的な立場である裁判官によって一定の判断(判決)がなされるという体験を通じて、それぞれの立場の考えを理解し、主張することや、相手を説得したりすることの難しさや大切さ、中立的な立場での判断の難しさを経験することを目的としています。
また、表現の自由とプライバシー権が対立する民事裁判のシナリオを通じて、基本的人権に対する理解を深めるとともに、対立する権利・利益をいかに調整するかという民事裁判の基本的な考え方や司法が果たす役割を学んでもらうこともねらいとしています。

対象学年、教科、単元

【対象学年】
小学5~6年生
【教科】
社会・国語・総合学習等
【単元】
裁判所の働き、私たちのくらしと日本国憲法、くらしの中の基本的人権の尊重、国民の権利等

所要時間

事前準備:1コマ
模擬裁判本番:2コマ

講座の流れ

事前準備

事前準備は、弁護士と打合せを行った上で、担当の先生の方に行っていただきます。 まず、先生から簡単に事案の説明をして頂き、その後、児童を原告代理人役、被告代理人役、裁判官役にグループ分けします。原告代理人役、被告代理人役は、ワークシートに沿って自分たちが主張したいことを整理します。裁判官役はワークシートに沿って事案を正確に把握するようにします。

模擬裁判当日

当日は、弁護士が司会進行を致します。また、それぞれのグループに弁護士がついてサポートします。
具体的な流れは以下のとおりです。

配役ごとにそれぞれ事前にどのようなことを考えたのかを確認
   ↓
原告から出版を差止めるべきと考える理由を発表
   ↓
被告から出版させるべきと考える理由を発表
   ↓
双方から出た理由について不明確な点があれば裁判官から確認
   ↓
原告及び被告は相手の主張に対する反論を考えるため、裁判官はそれぞれの主張の意味を理解するための作戦タイム
   ↓
原告から被告の発表した理由について反論
   ↓
被告から原告の発表した理由について反論
   ↓
裁判官から双方から出た理由及び反論について不明確な点等を確認
   ↓
裁判官は判決内容を検討(別室にて)
   ↓
裁判官から判決内容を発表
   ↓
弁護士の講評
   ↓
担任の先生、弁護士から総括

実績

2015年度 5校
2016年度 9校

参加者の声

チームで考え、意見を言ったり反論したりするのは楽しかった。次は別のチームでもう一度やりたいです。
裁判の仕組みが分かってとてもよかったです。

使用教材・シナリオ

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中高生向け教材

シナリオに基づいて民事裁判を体験していただきます。生徒達には、裁判官役として、弁護士の実演する当事者尋問を聞いた上で、判決または和解案を考えてもらいます。

講座のポイント

学習の視点

民事裁判は、民事上の問題について、当事者間の話し合いでは解決ができない場合に、紛争解決手段として国民が利用できる制度です。民事模擬裁判では、どのように民事上の問題が裁判所で解決されるのかをわかり易く体験することができます。
そして、問題の解決方法を検討する裁判官の立場から、異なる利害関係を有する当事者の主張に配慮して、当事者の主張を十分に聞き、より適切な問題解決のために自ら考えた質問を行った上で、妥当な判決や、双方が納得のいく和解案を考えます。これらを通じて、視野を広げ、発想の柔軟性を高め、他人とのコミュニケーションを成立させる能力を向上させることを目的としています。

対象学年、教科、単元

【対象学年】
中学生、高校生、大学生
【教科】
社会・公民・現代社会・国語・総合学習等
【単元】
高校社会公民現代社会
人間の尊厳、基本的人権の確立、日本国憲法と3つの原理、基本的人権の保障、新しい人権と人権保障の進展、裁判所と司法、個人の尊厳と法の支配、法の支配と人権、市民生活と法、司法と人権
中高生社会科公民的分野
きまりを作る目的と方法、きまりの評価と見直し、人権と日本国憲法、日本国憲法の基本原理、基本的人権と個人の尊重、平等権と共生社会、自由権、社会権、これからの人権保障、社会の変化と新しい人権、裁判所の仕組みと働き

所要時間

事前準備:1コマ
模擬裁判本番:2コマ
※事前準備として、生徒に資料を配付し、事件の内容や当日の流れを説明していただき、生徒達には事件の内容や判断のポイントを把握してもらいます。
※教材「貸したの?あげたの?」については、事前指導用のDVD(上映時間約20分)がありますので、それをご活用していただくことも可能です。

講座の流れ

事前準備(担当の先生のみで行って頂きます)

グループごとに判決又は和解案を考えてもらいますので、グループ分けをしておいて下さい。人数に付いては、担当の弁護士とご相談下さい。
担当の先生には、資料の配付、事案の内容や判断のポイントを生徒さんに説明しておいて下さい。

模擬裁判当日

当日は、弁護士が司会進行を担当します。
弁護士が、民事裁判のなかの尋問部分を実演します。
生徒は、裁判官としてその尋問を聞き、原告本人・被告人本人に尋問をしてもらいます(補充尋問)。グループに分かれて話し合いをして、判決、または和解案を考えて貰います。よりよい話合いができるよう適宜弁護士がアドバイスをします。
最後に弁護士から講評を行います。

実績

2015年度 中学校2校
2016年度 中学校3校、高校7校、その他2校

参加者の声

どちらの主張を認めるべきかということを自分たちで考えて決めるということはとてもいい経験になりました。
一つの同じ情報を与えられても、人によって思うことは違うんだということが体験できた。

使用教材・シナリオ

民事模擬裁判用の教材は、現在、以下の3つを使用しています。

①「ある男の一生(出版差止請求事件)」
 小説のモデルとされた原告が被告の小説家に対して出版の差し止めを求める事件です。原告のプライバシー権と、被告の表現の自由(出版の自由)とが対立しています。
 生徒には、裁判官になって、差し止めを認めるかを考えて貰います。
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②「パン屋「ル・パン」の立ち退き問題(賃貸建物の明渡請求事件)」
 パン屋へ建物を賃貸していた家主が、借主のパン屋に対して建物の明け渡しを求める事件です。
 建物を建て替えて使いたい家主とパン屋を続けたい借主の、対立する両者の意見を聞きつつ、お互いが納得する解決案・和解案を考えて貰います。
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③「貸したの?あげたの?(貸金返還請求事件)」
 困っている甥にお金を工面した叔母が、そのお金が貸したものであると主張して甥に対してお金の返還を求める事件です。伯母が甥に対して渡したお金が貸したものなのかあげたものなのか、民事裁判における事実認定を学んで貰います。
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お申し込み方法

年間を通じて受付けていますが、申込みが集中する時期もありますので、出張授業実施希望日の3カ月前までには申込書をお送り下さい。希望日に沿えない場合はご相談させていただきます。
ご希望の方は実施日を決め、申込用紙をダウンロード・印刷し、必要事項をご記入のうえ、下記送付先までFAXでお送り下さい。後ほど、こちらからご連絡いたします。

お問い合わせ

東京弁護士会(広報課内)法教育総合センター担当

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