東京弁護士会

民法(家族法部分)の早期改正を求める会長声明

2010年03月04日

東京弁護士会 会長 山岸 憲司

法務省は、本年2月19日、選択的夫婦別氏制度などを導入した民法改正案(概要)を公表した。法制審議会が14年前に答申した法律案要綱をようやく法案化するものであり、国会での早期成立を強く求める。

 夫婦の選択肢を増やし,その自己決定権を拡充する選択的夫婦別氏制度は,両性の平等と男女共同参画社会実現のために,早急に導入されるべきである。民法が定める夫婦同氏の原則のもとでは,夫婦は,婚姻に際し夫または妻のどちらか一方の氏を選択しなければならない。我が国では96.3%の夫婦が夫の氏を選択しており(2006年人口動態統計),女性が改氏を余儀なくされる社会的不利益は大きい。氏名は個人として尊重される基礎であり,人格の象徴として人格権の一内容を構成するものであって(最高裁昭和63年2月16日判決)、婚姻後も自己が永年使用してきた氏を継続して使用することは、法律上も保護されなければならない。

 また,女性にのみ課している再婚禁止規定(民法733条)は早期に見直すべきである。これは,主に父子関係の確定のための規定とされるが,夫婦や家族のあり方が多様化した今日の実情にそぐわないばかりか,科学技術の発達により親子関係の確定が容易になったことから,もはやその必要性も大きく減退している。
さらに,子が数人あるときに婚外子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定(民法900条4号)は,本人の意思や努力によって変えることのできないものを身分として定めるものであって,憲法14条,憲法24条に違反するものとして違憲であり,早急に改正すべきである。

 国連においても,日本における民法(家族法)のあり方はたびたび問題とされている。女性差別撤廃委員会の最終見解(2009年8月7日)では,選択的夫婦別氏,再婚禁止期間の短縮,婚姻年齢の18歳への引き上げ,婚外子の相続差別撤廃を勧告し,この勧告実施に関する詳細情報を二年以内に提出するよう政府に求めている。また,自由権規約委員会の最終見解(2008年10月30日)でも,女性の待婚期間の廃止,男女の婚姻年齢の一致,婚外子の差別条項の除去などの民法改正が求められている。

 よって当会は,選択的夫婦別氏制度の導入,再婚禁止期間の見直し,婚外子の相続差別撤廃等を始めとした民法(家族法)の改正法案が国会に早期に提案され,速やかに可決成立されることを強く求めるものである。

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