東京弁護士会

核兵器廃絶を求める会長声明

2010年03月31日

東京弁護士会 会長 山岸 憲司

 核兵器の使用や実験は,人類の生存と繁栄に対する最大の脅威であり,国際法に違反することは明らかである。全世界の国民が,ひとしく恐怖と欠乏から免がれ,平和のうちに生存する権利を有することは,日本国憲法の宣明するところであり,原子爆弾の投下による被害を受けた唯一の被爆国であるわが国における国民の核兵器廃絶に対する希求は大なるものがある。

 国際社会は,1995(平成7)年に核拡散防止条約(NPT)の無期限延長を決め,1996(平成8)年に包括的核実験禁止条約(CTBT)を成立させている。さらに,2009(平成21)年4月5日に,アメリカのオバマ大統領は,プラハで行った演説で,核兵器を使用した唯一の核保有国として米国には行動する道義的責任があることに言及し,米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを明言した。また,国連安全保障理事会が,2009(平成21)年9月24日に全会一致で採択した安保理決議第1887号は,核軍縮,核不拡散,原子力平和利用,核セキュリティといった主要分野を広くカバーした包括的決議で,オバマ大統領が発表した「核兵器のない世界」構想実現に向けた条件を構築することの決意を表明するとともに,今後の国際社会の各分野における具体的行動目標を策定した。このように,核兵器の廃絶を求める動きは,今まさに世界の潮流となりつつある。そして,2010(平成22)年5月に開催されるNPT再検討会議では,このような機運の高まりから,核兵器廃絶に向けて有意義な最終文書が採択されることが期待されている。

 国内においても,衆議院では2009(平成21)年6月16日に,参議院では同月17日に,わが国は,唯一の被爆国として,世界の核兵器廃絶に向けて先頭に立って行動する責務があり,核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきであるとする「核廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議」がなされた。

 当会は,人権擁護を社会的使命とする弁護士の団体として,最大の人権侵害を引き起こす要因となる核兵器の廃絶を強く求め,日本国政府に対し,非核三原則を厳守し,核兵器の廃絶に向けて,世界の先頭に立った指導的役割を果たすことを求める。

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