東京弁護士会

司法修習給費制の存続に関する法改正の成立にあたっての会長声明

2010年12月01日

東京弁護士会 会長 若旅 一夫

 本年11月26日、今後1年間、暫定的に司法修習費用の貸与制を停止し、給与の支給を行うとする「裁判所法の一部を改正する法律」が成立した。

本年11月1日に貸与制がいったん施行されたが、これを改めて停止した法改正の理由について、「昨今の法曹志望者が置かれている厳しい経済状況にかんがみ、それらの者が経済的理由から法曹になることを断念することがないよう、法曹養成制度に対する財政支援の在り方について見直しを行う」との趣旨説明がなされている。これは、当会が「司法修習生の給費制の継続を求める意見書」(2009年12月8日)で求めてきた趣旨にも合致し、単なる貸与制の施行延期ではなく、制度の在り方全体の見直しに向けた大きな前進として理解している。

今回の法改正に至るまで、きわめて困難な状況にもかかわらず粘り強く取り組み続けて下さった各政党・国会議員の方々には、心より感謝申し上げたい。また、請願署名、院内集会、議員要請、市民集会、街頭行動、パレードなど様々な活動をともに闘って下さった市民団体、消費者団体や労働団体による「司法修習生の給与の支給継続を求める市民連絡会」の市民の皆さん、「ビギナーズ・ネット」の法科大学院生や修了生、若手弁護士の皆さんとは、大きな成果を得た喜びをともに分かち合いたい。

改正法の付帯決議が掲げているように、今後1年間は「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」が課題である。当会は、法曹養成制度全体の在り方について再検討し、法曹志望者の減少という危機的事態を解決するため、全力を尽くす所存である。
全国で約68万筆(当会で8万筆)の給費制の存続を求める請願署名が寄せられた事実は、市民、とりわけ社会的弱者の立場を理解できる法曹の輩出への市民の強い期待のあらわれである。弁護士は社会的使命を一層自覚し、市民の期待に応えなければならない。当会は、今回の法改正運動を通じて得られた成果をふまえ、改めて市民の理解と支持を得て給費制を含むあるべき法曹養成の在り方の検討に、取り組む決意である。

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