東京弁護士会

東京弁護士会 2016年度 会務執行(骨太)方針

2016年04月19日

東京弁護士会 会長 小林 元治

スローガン 逞しい法曹と弁護士会を目指して

重点活動方針

 2016年は、司法制度改革の第2ステージの始まりと位置づけられます。
 2001年6月の司法制度改革審議会意見書(第1ステージ)に基づく改革が実行されて以来、法曹人口問題に象徴される法曹(特に弁護士)の増加に比し、法的需要の拡大が進まず新たな歪みが生じたことから、法曹人口見直しなど法曹養成の課題に取り組んで来たところ、2015年6月30日、法曹養成改革推進会議は新たな決定を行いました。そして、2016年3月11日、日本弁護士連合会は臨時総会により、この決定を踏まえた取組を行うことを承認し、宣言しました。
 東京弁護士会は、全国の弁護士・弁護士会と連携して、社会に弁護士の魅力を発信し、『逞しい法曹と弁護士会を目指して』会務に邁進します。

1 法曹養成制度改革

 2015年6月30日の政府の法曹養成制度改革推進会議決定と、2016年3月11日の臨時総会決議で決議を踏まえて、①司法試験合格者をまず、早期に1500人とする ②司法修習生への給費・修習手当の創設 ③弁護士の活動領域の拡大を図るべく、東京弁護士会としても最善の取り組みを行います。領域拡大は若手弁護士会員支援でもあり、予算付けを含め具体的施策に取り組みます。

2 民事司法改革

 最高裁判所との協議で労働審判取扱支部の拡大など一定の成果を得たものの、利用者の視点に立って、利用しやすく頼りがいのある民事司法を実現します。支部の新設や非常駐の充実など裁判所の基盤整備、証拠法制、判決執行、更には損害賠償法制、弁護士秘匿特権、行政訴訟法改革、法律扶助改革、提訴手数料の定・低額化などの課題に日本弁護士連合会と連携して東京弁護士会でも取り組みます。

3 司法アクセスの拡充

 法律扶助の償還制から給付制の検討、新たに開発された権利保護保険への対応など費用面でのアクセス改善も課題です。東京弁護士会を含む東京三弁護士会が設置している法律相談センターについては経費の合理化を図りながら、ネットによる法律相談予約、弁護士PHONE、市民向けアプリの広報も充実して市民の法的ニーズに応えます。
 刑事の取り調べの可視化や被疑者弁護第3段階のための刑事訴訟法改正の実現や弁護人の立会権、被疑者・被告人の国選弁護報酬改定にむけて、東京弁護士会としても取り組みます。

4 人権課題の解決

 我が国で発生している消費者、高齢者、障がい者、女性、子ども、犯罪被害者、外国人、性的マイノリティ等の人権課題に弁護士会として声を挙げて、問題の監視と必要な改善措置をとります。近時増え続ける児童虐待は社会問題化しており、弁護士の配置を含む児童相談所の充実や子ども手続き代理人の拡充やその国費化への取り組みも必要です。

5 弁護士不祥事対策

 弁護士による重大な不祥事は、市民の信頼を失い、弁護士自治を崩壊させることから不祥事の未然防止と発生後の迅速な対応は喫緊の課題です。事前対策として倫理研修や弁護士会員サポートを的確に行い、また、市民からの相談や苦情の情報を早期に生かして未然防止や事前公表による被害拡大を防ぐことが必要です。
 ここ数年懲戒申立件数が急増している現状に鑑み、迅速で効果的な体制を整えることも必要です。

6 若手弁護士会員総合支援 

 法律相談センターにおいて中堅、若手弁護士によるOJT法律相談をさらに拡大して実施します。日当を含め人材確保のための財源確保も行います。
 また、弁護士の活動領域拡大のため弁護士活動領域拡大推進本部、若手弁護士会員総合支援センターの活動を支援し、財政支援も行います。

7 財務の見直し

 一般と特別会計全体を分析し、管理費の削減や若手弁護士会員の経済的軽減策について、財務問題検討PTを設置して検討します。
 なお、赤字予算・黒字決算という長年の会計状況を改めるべく事業計画と予算の関係を見直し会務執行を統制する予算策定に努めます。

8 男女共同参画推進

 東京弁護士会の約20%が女性弁護士会員である現状に鑑み、2011年10月策定の東京弁護士会男女共同参画基本計画の5年が満了します。2016年10月の常議員会決議に向けて、東京弁護士会第二次男女共同参画基本計画の策定に取り組みます。

9 東日本大震災・福島第一原発被災者支援 

 東日本大震災から5年を経過した現在もなお、津波被害による新たな街づくりや原発損害賠償請求には様々な課題が残されています。被災地訪問の経験や東京で避難生活をする方々の現状を直視して適切な支援活動を行います。東京弁護士会がこれまで行ってきた震災を風化させないシンポジウムや写真展なども引き続き支援していきます。また今後予想される首都直下型地震への防災対策も進めます。

10 安保法制と憲法改正

 2016年3月施行された安保法制の憲法上の問題点を今後も訴えつつ、シンポジウム、学習会を継続します。恒久平和主義を根本から覆す憲法改正には反対します。また国家緊急権条項の憲法への導入には人権保障と権力分立の見地から大きな問題があります。

11 東京弁護士会の執行機能強化

 東京弁護士会は現在約7800人の弁護士会員を擁する全国最大の単位会です。東京弁護士会において会務が十全に機能して会内民主主義と会務執行が効果的かつ迅速に行われることは、東京弁護士会や日本弁護士連合会、更には、司法全体の機能強化にも資する重要課題です。理事者付嘱託の活用、広報戦略の立案の検討や役員が執行機能を強化できる東弁役員室の構造見直しも検討します。

 皆様のご理解とご協力をお願い致します。 

以上

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