東京弁護士会

入国者収容所東日本入国管理センターにおける被収容者死亡事件に関する会長声明

2018年04月25日

東京弁護士会 会長 安井 規雄

茨城県牛久市所在の入国者収容所東日本入国管理センターで、去る4月13日にインド国籍の男性が死亡した事件が起こった。
当局の発表によれば、自殺とみられるとのことである。
この男性は、死亡する前日に仮放免申請が却下されたことを告げられ、長期間にわたる収容を悲観したとみられている。
2015年秋頃から、仮放免条件遵守について厳格にチェックする運用が始まっており、先行きの見えない長期収容については、国会においても問題点が指摘されている。
出入国管理及び難民認定法による収容は、あくまで強制送還を実効的に行うためのものであり、送還が法律上禁止されている難民認定申請者や退去強制令書の執行停止決定を得ている者はもちろん、送還の予定がない者の身体拘束を続けるのは、目的外の拘禁であり、市民的及び政治的権利に関する国際規約第9条第1項が禁止する恣意的拘禁にあたる。送還の予定されていない被収容者については速やかに身体拘束を解かなくてはならない。
入国者収容所等の適正な運営に資するため、その運営に関し意見を述べることができる権限のある入国者収容所等視察委員会は、直ちに当該インド国籍男性の死亡原因について調査を行うべきである。そして、報道されているように、長期間の収容を悲観していたことが原因と考えられるのであれば、仮放免申請に対する入国者収容所長による審査の在り方(審査期間の長短、不許可理由の説明が十分か、送還の確保以外の他事考慮をしていないかなど)についても、調査し意見を述べるべきである。
また、収容令書や退去強制令書による収容という身体拘束の可否及びその解放手段である仮放免の判断を、一行政庁である入国者収容所長等に委ねているのは、極めて異例な事態である。出入国管理及び難民認定法では、入国警備官の違反調査のための捜索・差押えにつき裁判所の令状を必要としている。このような財産権に対する侵害行為についてすら裁判所による令状を要求しているのであるから、より重大な人権侵害行為である身体拘束の適否判断においても同様に、入国管理局から独立した組織による公正な判断が求められるのが当然である。退去強制手続における収容及びその解放の手続には、司法審査を導入するよう法改正をすることも検討すべきである。
当会は、入国者収容所東日本入国管理センター所長に対し、送還の予定されていない被収容者の速やかな解放を求めるとともに、入国者収容所等視察委員会に対し、直ちに当該インド国籍男性の死亡原因について調査を行うことを強く求めるものである。

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