東京弁護士会

普天間基地の辺野古移設に明確に反対の意を示した沖縄県民に寄り添い、政府がその民意を尊重し真摯な対応をすることを求める会長声明

2019年03月13日

東京弁護士会 会長 安井 規雄

当会は、政府が辺野古移設に明確に反対の意を示した沖縄県民の民意を尊重し真摯に対応することをここに求める。また普天間基地の辺野古移設問題は、沖縄だけではなく日本全体の問題であることから、当会は、個人の尊厳と法の下の平等及び地方自治の本旨を守るため、沖縄県民に寄り添い、沖縄弁護士会をはじめ全国の弁護士会と連携し、いま何をすべきかを引続き検討する決意である。
沖縄弁護士会は、2018(平成30)年12月10日、臨時総会を開催し、「辺野古新基地建設が、沖縄県民にのみ過重な負担を強い、その尊厳を踏みにじるものであることに鑑み、解決に向けた主体的な取り組みを日本国民全体に呼びかけるとともに、政府に対し、沖縄県民の民意を尊重することを求める決議」を圧倒的多数の賛成で可決した。
この決議は、米軍基地が偏在する沖縄県内に沖縄県民の意思を無視してさらに辺野古新基地建設のための埋立てを強行する国に対し、個人の尊厳を保障し(憲法13条)、法の下の平等を規定し(同14条)、地方自治(同92条)を保障した憲法の趣旨に反するものであるとして政府に対する抗議を行なうものである。と同時に、この問題に関心を示そうとしない本土の日本国民に対しても反省を促すものである。在日米軍基地の約70%が沖縄に押し付けられているという構造的な偏在・固定化という現状について、私たちは当事者意識を持って考え直さなければいけない。
第2次大戦中、既に敗戦が明らかになってもなお本土決戦にいちるの望みをかけて無謀にも戦争を継続し、そのための時間かせぎのために沖縄を戦場とし、沖縄県民の多数の犠牲を強いた。また、戦後、サンフランシスコ講和条約によって日本の独立が回復したものの、沖縄は1972年まで米国の統治下に置かれた。そして、日米安保条約によって日本の本土に駐留した米軍は、本土における米軍基地撤去の動きも1つの原因となって沖縄に移駐することになった。このようにして、1972年5月15日の本土復帰の時点で、国土面積の0.6%の面積の沖縄県に70%を超える米軍基地が存在するに至り、現在の偏在の原型が形づくられ、今日もなお約70%の同水準に至っている。
当会は、人権擁護委員会の中の沖縄問題対策部会の活動を中心として「普天間飛行場へのオスプレイの配備撤回及び国内におけるオスプレイの飛行の全面中止を求める会長声明」(2013年2月25日)、「沖縄県知事による公有水面埋立承認の取消しに関する会長声明」(2015年10月19日)を発し、また、辺野古埋立に関するシンポジウム、沖縄戦を忘れないための写真展、講演会などを開催してきた。
私たち東京の弁護士は、沖縄の現状を見るにつけ、東京にいて何かできることがないか考え、マスコミなどを含む東京の人びとに沖縄に関する情報を正確に伝えるべく取組んできたが、まだ不十分である。
辺野古新基地建設は、公有水面埋立法や上記の憲法規定のほか憲法9条に関する問題をも含むものであり、座視することはできない。辺野古新基地建設のための埋立てについて、さる2月24日実施された県民投票では埋立て反対を求める県民の意思が改めて鮮明に示された。まさに我が国の民主主義のあり方が問われている。
以上のとおり、頭書述べたように、当会は、政府が辺野古移設に明確に反対の意を示した沖縄県民の民意を尊重し真摯に対応することをここに求める。また普天間基地の辺野古移設問題は、沖縄だけではなく日本全体の問題であることから、当会は、個人の尊厳と法の下の平等及び地方自治の本旨を守るため、沖縄県民に寄り添い、沖縄弁護士会をはじめ全国の弁護士会と連携し、いま何をすべきかを引続き検討する決意である。

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