東京弁護士会

入管収容施設で繰り返される被収容者の生命・健康の軽視や死亡事件に抗議し、適時適切な医療の提供及び仮放免の適切な運用を求める会長声明

2019年04月18日

東京弁護士会 会長 篠塚 力

本年3月12日、東京入国管理局(現「東京出入国在留管理局」)に収容中のトルコ国籍のクルド人男性が強く体調不良を訴え、その病状を心配した知人の要請で救急車が現地に出動したが、職員の説明に基づいて救急搬送の必要が無いとして搬送がされず、その後も再度、救急車が出動したが、やはり搬送されないという事態が起きた。
遡って、2014年3月30日には、東日本入国管理センターにおいて、「死にそうだ」「水がほしい」と訴えて悶え続けるカメルーン人男性を入管職員が確認しながら、救急車も呼ばずに死に至らせた事件が発生した。
この事件を受け、当会は同年4月23日に、「東日本入国管理センターにおける2件の被収容者死亡事件に関する会長声明」を発し、重大な遺憾の意を表明するとともに再発防止策の導入を強く求めた。
しかし、その後も2017年6月3日に、東京入国管理局に収容中のトルコ国籍のクルド人男性が激しい腹痛の症状を訴えたにもかかわらず、職員が「容態観察」として20時間以上診療を受けさせなかったという事件が発生した。男性はその後、ほかの収容者が強く訴えたことでようやく搬送されて緊急手術を受けたが、虫垂炎に加え、腹膜炎も併発していたことが判明した。 
このように、入管収容施設において被収容者の生命・健康が著しく軽んじられ、死亡者まで出るという異常な事態が長年続いている。
しかし、国が強制力をもって外国人の身体を拘束している以上、国の責任において被収容者の生命・身体の安全を保障すべきは当然のことである。施設内の医師では対応できない事態においては、外部医療機関を受診させて治療を受けさせることが必要である。また、健康状態が悪化して収容が相当でない被収容者について仮放免を適切に運用し、早期に身体拘束から解放するべきである。
さらに、先般の入管法改正により、今後、日本に入国し滞在する外国人が増大することが見込まれるところ、入管行政においても外国人の人権に配慮した人道的な扱いが強く求められることは言うまでもない。
当会は、入管収容施設で繰り返される被収容者の生命・健康の軽視や死亡事件に抗議し、外部医療機関の受診も含めて適時に適切な医療を提供することを求めるとともに、仮放免の適切な運用を求める。

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