東京弁護士会

東京拘置所及び立川拘置所における一般面会の禁止についての会長声明

2020年04月27日

東京弁護士会 会長 冨田 秀実

新型コロナウイルス感染症が,全国的に感染が拡大しつつあるため,本年4月7日,日本政府より,新型コロナウイルス感染症を対象とする新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき,7都府県を対象とする緊急事態宣言が出され,同月16日,対象地域が全国に拡大された。
刑事収容施設(刑事施設,留置施設及び海上保安留置施設)においても,適切な感染防止措置を取らなければならず,同時に,被疑者・被告人の権利の擁護と不利益の回避に十分な配慮が必要である。
緊急事態宣言を受けて,東京拘置所及び立川拘置所では,原則として一般面会を一律禁止する措置が取られている。しかし,身体拘束をされた被疑者・被告人にとって,接見禁止決定がない限り,家族等との一般面会を行うことには権利性があり,刑事収容施設処遇法には,感染拡大を理由に一般面会を禁止する規定はない。緊急事態宣言が発出されているからこそ,外部との即時の連絡のために一般面会が重要な意味を持つ場面を想定することができる。
感染防止のための必要性があるとはいえ,接見禁止決定を受けていない被疑者・被告人に対し,原則として一般面会を禁止とし,一律に一般面会の機会を奪うような制限を科すことは重大な人権侵害のおそれがあるため,直ちにあらためるべきである。
例えば,面会を予約制にし,1日の面会者数を制限する,複数名での面会を避ける,必要性・緊急性が高い面会を優先的に認める,発熱や咳等の一定の症状がある者についてのみ面会を拒絶する,被収容者,職員,面会者等の手指の消毒,マスク着用を徹底する,面会室内の遮蔽板に開けられている穴をテープで塞ぎ物理的に遮断する等,一般面会の全面禁止以外に,感染防止のために取り得る手段があることに留意すべきである。
緊急事態宣言は,当面は,本年5月6日までとされているものの,その期間自体が延長される可能性があることに鑑みれば,一般面会の原則禁止によって侵害される権利は重大なものといえ,一刻も早く上記のようなより制限的でない措置を実施すべきである。

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