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東日本入国管理センターにおける2件の被収容者死亡事件に関する会長声明

2014年04月23日

東京弁護士会 会長 髙中 正彦

 茨城県牛久市所在の入国者収容所東日本入国管理センターで、去る3月28日にイラン国籍の被収容者が、3月30日にはカメルーン国籍の被収容者が死亡するという事件が相次いで起こった。
 当局の発表によれば、イラン国籍の被収容者は、食事をのどに詰まらせて意識不明となり、病院に運ばれたが翌日に死亡し、カメルーン国籍の被収容者は、数日前に体調不良を訴え、医師の診断を受けていたが、重篤でないと判断され、一人部屋に戻された後、意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡したとのことである。
 同センター内での医療体制が不十分であることは、入国者収容所等視察委員会からも毎年指摘されていた。また、同センター内の医療体制については、国連の拷問禁止委員会からも懸念が示されている。
 これらの国内外における指摘があったにもかかわらず、医療体制について適切な整備がなされないまま、今回のように、極めて短い間に、2名もの被収容者が、適切な医療措置を受けられず死亡するに至ったことに対する、同センター及びこれを所管する法務省入国管理局の責任は重大である。
 被収容者の健康を維持するのは入国者収容所長の責務であるが(被収容者処遇規則30条参照)、当局が今回の事件において、かかる責務を果たせなかったことが明らかである以上、法務省は亡くなった方々のご遺族に対して、速やかに事実の詳細な説明を行うなど誠実な対応をすべきである。
 また、今後も同様の事態が発生することを防ぐためにも、これらの事件については、入国者収容所等視察委員会あるいはこれとは別の独立した第三者による徹底的な検証を行い、再発防止のための措置を緊急に講じる必要がある。同センター及び法務省入国管理局は、死亡した被収容者に係る資料全てを自発的に開示するなど、検証作業に積極的に協力するべきであり、検証を困難にするような措置を講じることは許されない。
 加えて、そもそも、本件の根本的原因には、収容に耐えられない、あるいは収容に適さない者までをも収容可能とする全件収容主義政策がある。身体の自由に対する制限は最小限度に抑えられなければならないことは、確立した国際法規であり、拷問禁止委員会が勧告しているとおり、「収容に代わる手段を利用すること」が積極的に履践されるべきであった。当局は、今回の事件を通じて、全件収容主義政策が被収容者の身体の自由に対する過度の人権制約となっている現状を認識し、これを改める契機とすべきである。 
 当会は、今回の2件の死亡事故の発生について重大な遺憾の意を表するとともに、法務省入国管理局及び入国者収容所東日本入国管理センターに対し、真相解明のための第三者機関による徹底的な調査の実施と、かかる調査結果を踏まえた再発防止策の導入を強く求めるものである。

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