東日本大震災・福島第一原子力発電所事故から15年を迎えるにあたっての会長談話
2026年03月11日
東京弁護士会 会長 鈴木 善和
2011年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故から、本日で丸15年を迎えました。あらためて犠牲者の皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
当会は、これまで東京三弁護士会として復旧・復興本部を立ち上げ、電話相談、出張相談、原子力損害賠償紛争解決センターへの弁護士派遣などを実施し、被災された方々の被害回復に尽力してまいりました。
発災から15年が経過し、ハード面の復興が進む一方で、強く懸念されるのは被災・被害事実の「風化」です。2026年2月時点においても、全国で約2万6千人もの方々が避難生活を余儀なくされており、ふるさとを失い、不安定な状況に置かれている被害者が多数存在します。我々は引き続き、この現実に真摯に向き合わなければなりません。
特に、福島第一原発事故の被害者については、医療を始めとする生活基盤への不安から帰還が困難となるなど、避難生活の長期化や被災者の高齢化に伴う切実な課題が今もなお続いています。また損害賠償問題も依然として完全な解決に至っておらず、その支援を継続していく必要があります。
さらに、被災者の真の復興を実現するためには、個々の悩みに応じたきめ細やかな「災害ケースマネジメント」の実施が不可欠です。2025年5月の災害対策基本法及び災害救助法の改正では、「場所の支援」から「人の支援」への転換や、救助の種類に「福祉サービスの提供」が追加されました。当会は、この新たな法制度の趣旨を踏まえ、東日本大震災の被災地においても、孤立しがちな方々に対する災害ケースマネジメントと、これと両輪をなす福祉サービスの提供が今後も継続して力強く実施されることを求めます。
当会は、これまでの活動を通じて実感した、被災者に寄り添う「アウトリーチ」の大切さを胸に刻み、被災者・被害者の人権擁護のため、今後も全ての災害に関する諸問題について、国や関係機関に対する積極的な提言を行うとともに、復興途上の被災者・被害者に寄り添いながら、支援活動により一層力強く取り組んでいく所存です。
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