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東日本大震災からの復興を支援する東京三弁護士会会長声明(二年を経過して)

2013年03月14日

東京弁護士会 会長 斎藤 義房

第一東京弁護士会 会長 横溝 髙至
第二東京弁護士会 会長 橋本 副孝

東日本大震災から2年を経過したが、全国47都道府県、1,200以上の市区町村に被災者約315,000人が避難し、そのうち9,000人余の避難者が東京都に居住していると言われている。特に原発事故による避難者の大多数はもとの住所に戻る見込みさえ立たない状況にある。

東京三弁護士会は、2011年度に引き続き、震災からの復興支援を最重要課題として、電話相談、都内避難者向け相談、原子力損害賠償支援機構の相談等に全力を挙げて取り組んできた。特に原子力損害賠償支援機構の相談には2012年11月末日現在延べ1,312人の会員が参加し、福島県下等の説明会、相談会の実施に協力してきた。
更に、東京三弁護士会は、会員に被害区域見直しに伴う各地の情報を提供し、また原子力損害賠償請求に関する新たな法的知識について研鑽する機会を設け、より質の高い支援活動が行えるように心がけている。

他方、原子力損害賠償請求のADR機関である原子力損害賠償紛争解決センターにおいては、事件処理の滞留が問題視されたことから、東京三弁護士会は事案の調査にあたる調査官を追加募集し、昨年同時期の40人体制から124人まで増員し、現在もさらなる募集活動を続けている。これにより、ADR手続が迅速化し、被害者の救済がなお一層促進されることを期待するものである。

東京三弁護士会は、いまだ復興の姿さえ見えないとされる被災地の諸課題の解決に向けて叡智を結集して取り組むとともに、長期の避難生活に苦しむ被災者の心に寄り添いながら、全力を尽くして支援活動を行っていくことを改めてここに宣言するものである。