東京弁護士会

イラク特措法2年延長改正法案に反対する会長声明

2007年05月16日

東京弁護士会 会長 下河邉 和彦

 政府与党は、昨日、本年7月末日かぎりで期限切れとなるイラク復興支援特別措置法(イラク特措法)を2年間延長する改正案を衆議院で可決し、参議院に送付した。これは、2006年7月に陸上自衛隊がサマワから撤退したのちもなお航空自衛隊および海上自衛隊の活動を継続させることに法的根拠を与えるためのものである。
当会は、過去3回にわたって発した会長声明において、イラク特措法そのものが国際紛争を解決するための武力行使及び他国領土における武力行使を禁じた憲法に違反するおそれが強いこと、また、イラク全土が戦闘地域化しているのに自衛隊をイラクに駐留させることは非戦闘地域における自衛隊の活動を予定したイラク特措法に抵触する疑いがあること、などを指摘した。
この間、イラク侵攻を正当化する理由とされた大量破壊兵器の存在やフセイン政権とアルカイダとの結びつきが、いずれも虚報であることが明らかにされた。そうした中で、多国籍軍に加わった国の多くがイラクから撤退している。
しかるに、政府は、これまで航空自衛隊についてはテロや戦闘が続くバグダッドへの輸送を行なってきた。これは、非戦闘地域での活動を想定したイラク特措法に抵触する行為であると言わざるをえない。また、航空自衛隊の活動内容については全容が明らかにされてはいないものの、多国籍軍の軍人、兵士等を輸送していることを政府は認めており、こうした活動は多国籍軍の武力行使と一体化されたものとして憲法に違反する疑いが強い。
このように、イラク特措法は違憲の疑いがあるばかりか、諸情勢に鑑みればこの法律を延長する必要はないと言わざるをえない。
しかるに、衆議院において同法を延長する改正案を可決したことは極めて遺憾と言わざるを得ない。
よって、当会は、イラク特措法の延長に反対し、自衛隊の即時撤退及びイラク特措法の廃止を求めるものである。

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