東京弁護士会

憲法改正国民投票法案の参議院での慎重審議を重ねて求める声明

2007年04月17日

東京弁護士会 会長 下河邉 和彦

 与党は、4月13日、衆議院本会議において、憲法改正手続に関する国民投票法案を強行採決し、参議院に送付した。
憲法改正国民投票は、主権者である国民が、わが国の最高法規である憲法のあり方について直接意見を表明するという国政上の重大問題である。当会は、2005年9月20日、国民の間に未だ合意が形成されていない段階で法案を国会に上程することに反対し、次いで2007年2月27日、上記声明にもかかわらず国会に上程された与党法案に重大な問題があることを指摘して慎重審議を求める声明を発表してきた。
しかるに、衆議院においては、中央公聴会を2回、地方公聴会を新潟、大阪で開いただけで十分な審議がなされないまま、与党により強行採決されたことは極めて遺憾と言わざるを得ない。
今回の法案は、(1)最低投票率の規定がないため、少数の投票者の意思により憲法改正が行われるおそれがあること、(2)改正案の発議について、「内容において関連する事項ごと」に区分して行うとされているが、どのような場合に内容が関連するのかの基準が曖昧であり、国民の意思が正確に反映される投票方法となっていないこと、(3)公務員及び教育者の地位利用に対する規制について、罰則の定めはないものの運動自体を禁止しており、国民が広く憲法改正の議論をすることについて萎縮効果を与えること、(4)改正案の発議から投票まで60日以上180日以内とされているが、憲法改正という重大な問題について国民が十分に情報を得て議論を尽くすには短すぎること、(5)メディアの報道や有料広告のあり方に関する問題等、重大な問題点をはらんでいる。
当会は、参議院での今後の法案審議において、公聴会を全国各地で開くなど拙速を避け、上記の法案の問題点についてさらに深い議論がなされるよう、慎重な審議を求める。

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