東京弁護士会

消費者金融業者の倒産手続における過払金債権者の権利行使の保障を求める声明

2007年10月26日

東京弁護士会 会長 下河邉 和彦

 平成19年9月21日、東京地方裁判所により、消費者金融業者の株式会社クレディアに対する再生手続開始決定が下された。同社は利息制限法違反の貸付を行い、多数の顧客に対し過払金返還債務を負っていることは明らかである。これらの過払金返還請求権を有する債権者の権利行使の機会が確実に保障されなければならず、今後同様の消費者金融業者の倒産があった場合をも想定すると、なおさらその必要性が高い。
上記民事再生手続においては、再生債権の届出期間は平成19年11月26日までとされ、債務者である株式会社クレディアは、日刊紙上において、顧客に向けて、取引履歴の開示を依頼すれば利息制限法に基づいた金利で再計算し債権届出書を同封して返送する旨公告している(同年10月23日読売新聞)。しかしながら、一般消費者たる過払金債権者はもともと権利の存在さえ認識していない者が多数であり、公告の効果にも限界があることから、膨大な数にのぼる過払金債権者が何も知らないまま届出期間を経過して権利行使の機会を逸してしまう恐れがある。他方、同債務者自身にとっては、過払金債権者は「知れている再生債権者」にあたる。
過払金債権者の権利行使を保障するため、利息制限法に違反して貸付を行っていた消費者金融業者の法的倒産手続においては、以下の措置を講ずることを求める。

1 消費者金融業者は、利息制限法による引き直し計算の結果、過払金が発生している顧客に対しては、債権者としての権利行使の機会を保障するため、個別に倒産手続が開始した旨を通知し、かつ利息制限法による引き直し計算書と債権届出書を添付して、債権届出を促すこと。
また、債権届出をしない過払金債権者の債権については自認債権として扱うこと。

2 裁判所は、前項の通知に応じて債権を届け出ようとする者の権利行使の機会を十分に保障するに足りる債権届出期間を定めること。

3 消費者金融業者は、利息制限法を超過する利率の約定で取引を行ってきた顧客の全てに対して、利息制限法による引き直し計算を行い、引き直し後の債権額を超える請求を行わないこと。また今後、同法超過利率の利息約定による貸付をしないこと。

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