東京弁護士会

死刑執行に関する会長声明

2008年02月01日

東京弁護士会 会長 下河邉 和彦

 本日、東京拘置所において1名、大阪拘置所において1名、福岡拘置所において1名の計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。今回の死刑執行は、2007年12月7日の3名の死刑執行からわずか2ヶ月弱という極めて短い期間内に行われた。
当会は、これまで、死刑執行に際して、その都度、会長声明、談話を発表し、一貫して法務大臣に対して、(1)死刑確定者の処遇の現状を含め、死刑制度全般に関する情報を公開すること、(2)国連や欧州評議会の動向を考察し、死刑廃止の是非を含め、わが国の刑事司法、刑罰制度のあり方の議論を国民的規模で行うこと、(3)死刑執行に一層の慎重を期し、死刑制度についてのこれら議論が尽くされるまでは、死刑の執行を行わないことなどを要望してきた。
国連の拷問禁止委員会は、2007年5月18日、日本政府報告書に対する最終見解を示し、我が国の死刑制度の問題を指摘した上で、死刑の執行を速やかに停止するべきことを勧告し、国連総会第3委員会は、同年11月15日、「全世界的な死刑の執行停止を求める決議」を採択し、死刑存置国に対して、死刑の廃止を視野に入れて執行の停止を確立すること等を求めている。
1989年12月に国際人権(自由権)規約第二選択議定書(いわゆる死刑廃止条約)が国連総会で採択された後、世界の多くの国々では死刑が廃止され、あるいはその執行が停止されている。
アメリカ合衆国の死刑存置州でも、死刑の宣告数、処刑数が減少しているし、ニュージャージー州議会は、2007年12月13日に死刑を廃止する法案を可決して死刑制度を廃止することを決めるなど、死刑の廃止に向けての動きが見られる。アジアでも、フィリピンは1994年に一旦復活していた死刑を再び廃止し、韓国では10年以上死刑執行が行われず死刑の廃止が検討され、台湾でも2005年以降、事実上死刑の執行が停止されている。死刑廃止や執行停止は、まさに世界的な潮流となっている。
このような中で、日本においては、全国の裁判所で死刑を言い渡された被告人が2007年には47人となり、1980年以降で最多となるとともに、死刑の執行が頻繁に行われ、法務省では2ヶ月に1度の割合で死刑を執行する方針があるとの情報もある。
当会は、今回の死刑執行に遺憾の意を表明するとともに、法務大臣に対しては、死刑執行を差し控えて、死刑制度のあり方について議論を行うなど、当会がこれまで再三にわたって表明してきた要望の実現に向けて、誠実に対応されることを重ねて要望する。

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