東京弁護士会

「布川事件」再審開始決定の確定に関する会長声明

2009年12月17日

東京弁護士会 会長 山岸 憲司

 本年12月14日、最高裁判所第2小法廷は、いわゆる「布川事件」について、検察官による特別抗告を棄却し、これによって請求人櫻井昌司氏及び同杉山卓男氏に対する再審開始決定が確定した。

 この事件は、1967(昭和42)年8月に茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件について犯人と疑われた櫻井氏と杉山氏が、代用監獄における取調べの過程で自白をさせられたものの、一審公判開始以後今日まで一貫して無実を叫び続けている事案である。

 2008(平成20)年7月14日、東京高等裁判所は、再審請求の中で検察側から新たに開示された証拠から目撃者の供述の信用性と請求人らの自白の信用性のいずれについても重大な疑問が生じており、請求人らを無期懲役とした確定判決の判断を維持することはできないとして、水戸地方裁判所土浦支部の再審開始決定を支持した。
今回の最高裁の決定は、裁判官の全員一致で東京高裁のこの判断を維持したものである。

 本決定は、事件発生後40年以上も冤罪に苦しんできた請求人両氏に対して裁判所が正義を貫いたものであって高く評価する。

 今回は2度目の再審請求であったが、この再審請求審では、30年以上も開示されなかった多数の未提出証拠が弁護側に開示され、それが開始決定の有力な証拠とされており、このことは証拠開示の重要性を改めて示すものといえる。また、捜査中に代用監獄で自白をさせられたという経緯をみるとき、不法な取調べの温床となっている代用監獄の問題性や取調べの全面的可視化の必要性は明らかである。

 当会は、両氏が1日も早く無罪判決を勝ち取れるよう願うと共に、全面証拠開示、代用監獄制度の早期廃止、及び、取調べの全過程の録画による可視化等、冤罪の発生を防止するための制度改革に全力を尽くす所存である。

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