東京弁護士会

死刑確定者の実名および肖像写真を掲載した写真雑誌に対する会長声明

2011年05月16日

東京弁護士会 会長 竹之内 明

株式会社講談社は,本年5月12日に発売された写真週刊誌「フライデー」において,1994年に発生した殺人事件に対し死刑が確定した元少年について,その実名を報じるとともに,取材者が拘置所での面会時に撮影した元少年の肖像を掲載した。

もとより,報道の自由が憲法21条の保障のもとにあることは言うまでもない。

しかし,元少年の実名や肖像写真の掲載が今回の報道に不可欠の要素とは必ずしもいえない。この元少年については,少年法61条の趣旨に基づいてこれまで多くのマスメディアが匿名で報じてきていたものである。今回の同誌の記事は,他の多くのマスメディアが少年法の趣旨を重んじてきたことを無にするものというべきである。また,殺人事件の犯人として死刑が確定したという事実が重大なプライバシーに当たることはいうまでもなく,上記記事はこの点においても上記男性の人権上重大な問題を有している。 

当会は,かねてより死刑制度について,制度全般に対する情報を公開すること,および死刑廃止の是非に関する議論を国民的規模で行うこと等を求めてきた。今回の報道がそのような趣旨に出たものであるとしても,報道するにあたっては,少年法61条の趣旨に対しても十分な配慮が必要である。 

当会は,今回の同誌の記事について遺憾の意を表明するとともに,報道機関に対し,今後,同様の実名報道,写真掲載等がなされることがないよう,強く要望する。

                                                                 以上

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