東京弁護士会

死刑執行に関する会長声明

2012年03月29日

東京弁護士会 会長 竹之内 明

本日、東京拘置所、広島拘置所及び福岡拘置所において、それぞれ1名、計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。

死刑が執行されたのは、千葉法務大臣在任中の2010年7月以来1年8カ月ぶりであり、民主党に政権交代してからは2回目である。

小川法務大臣は、本年1月13日、法務大臣就任後の記者会見で、死刑執行について、「大変つらい職務であると思いますが、私はその職責をしっかりと果たしていくのが責任であると思っております。」と述べていたことから、死刑を執行することが懸念されていたが、本日、1年8ヶ月ぶりに死刑の執行がなされたことについては極めて遺憾である。

日本弁護士連合会は、2011年10月7日、「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め、死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を決議し、死刑制度について、「直ちに死刑の廃止について全社会的な議論を開始し、その議論の間、死刑の執行を停止すること」などを求め、同連合会は、死刑廃止検討委員会を設置して、この問題について本格的に取り組みを開始した。そして、本年2月27日、小川法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を直ちに講じることを求める要請書」を提出したばかりであった。

法務省内部で行われてきた「死刑の在り方についての勉強会」が終了し、その報告書が公表されたが、これでは、到底、死刑の廃止についての全社会的議論がなされたとは言えないことは明らかである。

最近、多くの事件で冤罪が発生していることが明らかとなっており、死刑事件においてもそのような疑いがないとは言えないことから、今こそ、死刑制度の抱える問題点について、幅広く、かつ、冷静な国民的議論を行う必要があり、そのためには、死刑の執行を停止すべきことが求められている。

当会は、今回の死刑執行に対して遺憾の意を表明すると共に、法務大臣に対しては、当会がこれまで再三にわたって表明してきた国民的議論の開始と死刑執行の停止という要望の実現に向けて誠実に対応するよう求めるものである。

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