東京弁護士会

国家安全保障会議設置法等の改正に反対する声明

2013年11月07日

東京弁護士会 会長 菊地 裕太郎

 今、まさに国会で国家安全保障会議(いわゆる日本版NSC)設置法等の改正案が成立されようとしている。
 改正案は、国家安全保障会議のなかに外交・防衛・安全保障に関する基本方針と重要事項を審議する4大臣会合を新たに設置して司令塔とするとともに、内閣官房に50名規模の国家安全保障局を設置して各省庁の情報を集中させ、平時から有事までの重要な外交・軍事の政策を官邸主導で決定しようとするものである。国家安全保障局に設けられる班には十数名の制服自衛官も加わって影響力を行使することが予定されており、既存の安全保障会議をアメリカのNSCを模していわば「軍事司令塔」とすることが目指されている。
 そして、改正案が審議されている国家安全保障特別委員会では、この改正案を通した後、直ちに特定秘密保護法案の審議に入ることを予定している。国の重要なあらゆる情報を秘密として隠蔽し、国民の知る権利を奪う特定秘密保護法案の危険性については、すでに当会の「特定秘密保護法案の閣議決定に抗議する会長声明」で指摘したところであるが、両法案は、まさに一体的成立が目指されているものである。
 この一連の動きは、集団的自衛権等の行使を通じてアメリカとの共同軍事行動をめざす動きと密接に関連する。アメリカとの共同軍事行動は、アメリカとの軍事秘密情報の共有とその保護を当然に要請するからである。しかし、集団的自衛権等行使を前提とする外交・安全保障政策を立案、遂行することが憲法上許されないことは、当会の「憲法解釈の変更による集団的自衛権の容認と国家安全保障基本法案の国会提出に反対する声明」で述べたとおりである。
 改正後の国家安全保障会議の目的は、特定秘密保護法案の成立を前提とし、国家安全保障を国の最優先事項と位置づけ国民に国家安全保障施策に協力すべき責務を課して国民を総動員することを企図する国家安全保障基本法案の成立を図り、もって集団的自衛権等の行使を容認することに他ならない。国の施策の全ての面で国家安全保障を最優先し、憲法の制約を超えて集団的自衛権を行使し、外交・安全保障政策を遂行することは、憲法の基本原理である徹底した恒久平和主義に反し、国民の権利、自由を脅かすものである。
 よって、当会は、国家安全保障会議設置法等の改正に反対する。

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