東京弁護士会

死刑執行について

1999年09月14日

東京弁護士会 会長 飯塚 孝

 法務省は9月10日、3名の死刑確定者に対して死刑の執行を行った旨発表した。今回の死刑執行は昨年11月19日の3名の死刑執行に続くもので、1993年3月26日に死刑執行が再開されて以来、この6年半の間の被執行者の人数は実に34名に達している。
当会は、これらの死刑執行に際して、その都度会長声明ないし談話を発表し、法務大臣に対して、1.死刑制度に関する情報を公開すること、2.死刑廃止条約の批准の是非を含め、死刑制度のあり方について、国会をはじめ国民の間で論議を深化すること、3.死刑の執行に一層慎重を期し、死刑制度についての議論が尽されるまで、これを差し控えることなどを要望してきた。
また、日本弁護士連合会は、わが国の死刑確定者の現状が、国際人権(自由権)規約の諸条項に違反するほか、「死刑に直面する者の権利の保護の保障に関する決議」(1984年国連経済社会理事会)および「死刑に直面している者の権利の保護の保障の履行に関する決議」(1989年国連総会)に定める特別の保護と権利の保障に違反していると指摘し、死刑執行を差し控えるよう要望した。
さらに、国連において、国際人権(自由権)規約委員会は、日本政府に対し、死刑確定者の通信・面会の制限緩和などその処遇を改善すること、死刑廃止の方向への措置をとることを勧告しており、国連人権委員会は、死刑の存置されている国に対し、死刑に直面する者の権利保障の遵守とともに、死刑廃止を視野に入れて死刑執行の停止を考慮するよう呼びかける決議を可決している。
今回の死刑執行は、当会や日本弁護士連合会の要望を無視するばかりか、国連の勧告や決議にも添う意思のないことを重ねて示したものと言わざるを得ず、人権保障の国際的潮流に逆行するものであって、国連による普遍的な人権の尊重を重視するわが国の国際的立場からも問題があると指摘せざるをえない。
当会は、今回の死刑執行に改めて遺憾の意を表明するとともに、法務大臣に対して、死刑執行を差し控え、死刑制度のあり方の議論を行うなど当会がこれまで再三にわたって表明してきた要望事項を真剣かつ誠実にとりあげ、具体的に対応されることを重ねて要望する。

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