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8月15日を迎えるにあたっての会長談話

2023年08月15日

東京弁護士会 会長 松田 純一

本日8月15日は、78回目の「終戦の日」となります。
国の内外を問わず、アジア・太平洋戦争及び第二次世界大戦により亡くなられた人々の苦難に思いをいたすとともに、改めて哀悼の意を表します。
その後本日まで、日本が他国に対し武力を行使することもなく、戦争の惨禍に見舞われることもありませんでした。これは、日本国民が、アジア・太平洋戦争の悲劇を二度と繰り返さないことを誓い、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことを宣言する憲法9条の理念を実現してきたことの表れであるといえます。
しかし、世界においては、ロシアによるウクライナへの侵攻はいまだ続き、世界各地で紛争が生じています。日本国憲法前文が、全世界の国民がひとしく有するものであるとする「恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」が、実際には世界の人々に普遍的に保障されているとは言い難い状況にあります。
日本国民及び日本国憲法前文は、今から約77年も昔に、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」という決意を表明しています。今こそ我々は、この言葉と正面から向き合い、今後日本が国際社会においてどのように振舞うべきかを真剣に議論していくべきではないでしょうか。
弁護士法において、弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とするものとされています。戦争は、基本的人権や社会正義を蹂躙する最たるものであり、平和を訴えることもまた、弁護士の使命であるといえます。
当会は、基本的人権を擁護し社会正義を実現するという弁護士法に定められた弁護士の使命を果たすべく、これからも、戦争の悲惨さと平和の尊さを訴え続けていきます。

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