性的指向・性自認にかかわらず、すべての人に婚姻制度による法的保障を及ぼすことを求める会長声明
2026年03月27日
東京弁護士会 会長 鈴木 善和
同性カップルの婚姻を認めない現行法が憲法に違反し、違憲の法律を是正しない国会の立法不作為を違法だとする6つの一連の訴訟は、2026年3月25日に全事件が最高裁の大法廷に回付され、早ければ2026年度中には最高裁判決が出されると見込まれている。
一連の訴訟では、札幌、東京(一次)、名古屋、大阪及び福岡の5つの高裁が連続して違憲判決を下した。一方で、2025年11月28日、最後の高裁判決となった東京二次訴訟において東京高裁は、現行法は憲法第24条第1項、第2項及び第14条第1項のいずれにも違反しないとの合憲判決を下した。
当会は、2021年に「同性カップルが婚姻できるための民法改正を求める意見書」を採択し、憲法第13条、第14条第1項、第24条第1項及び第2項に基づき、同性カップルの婚姻を可能とする民法改正を求め、2023年にも、同性婚の法制化等を求める会長声明を発出した。
婚姻は、幸福追求の重要な選択肢であるという意義、親密な二当事者の関係を支える意義、子どもの利益に資する意義、社会的承認を受け社会の基礎を形成する意義等を有する人の人格的存在と結びついた重要な法的利益であり、それゆえに憲法第13条・第24条第1項は婚姻の自由を保障した。 現に多くの同性カップルが異性の夫婦と変わらない親密な関係を築いていることからも示されているように、婚姻が重要な人格的利益であることに異性カップルと同性カップルとで違いはない。にもかかわらず同性カップルは婚姻が認められず、日々、種々の法的・社会的困難に直面し苦しんでいる。異性カップルであれば誰もが手にできる婚姻という重要な人格的利益を同性カップルであることを理由に剥奪される現状は、憲法の基本原理である「法の下の平等」、「個人の尊厳」の理念にも反するものであり、早急に法改正をすべきである。
東京二次高裁合憲判決は、現行の婚姻制度が「一の夫婦とその間の子」から成る結合体を想定したものであることを強調するが、子を持つ・持たないは異性の夫婦においても自由であるし、同性カップルの婚姻を認めることで異性カップルの婚姻に支障が生じることなどないことからみても疑問がある。
このように当会は、一連の訴訟の5つの高裁による違憲判断を支持するものであり、東京二次高裁の合憲判断を残念なものとして受け止めている。
もっとも、東京二次高裁判決も単に現状を是認しているわけではなく、同性の者同士の結合関係を「同性の者同士の事実婚」として位置付けた上で、同性カップルが法的に保護されない状況が続けば、憲法第13条、第14条第1項違反の問題を生じることが避けられないと述べ、国会に法制化の審議を尽くすよう求めている。
国会は一連の訴訟の判決を真摯に受け止め、最高裁判決を待つのではなく、早急に同性カップルの婚姻を可能とする法整備を行わなければならない。
当会は、引き続き、一日も早く同性カップルの婚姻が実現するよう努力を続ける所存である。
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